ガソリンスタンドの廃業が加速 — 「近くに給油所がない」時代へ
ハイブリッド、EVの普及でガソリン販売減少と人手不足が原因
全国でガソリンスタンドの倒産・廃業が加速している。
帝国データバンクによると、2026年1~8月の倒産・休廃業・解散は計144件と、同期間では過去10年で最多水準。地方では4社に1社が赤字で、人口減少や後継者不足、設備維持費、人手不足が重なっている。
給油所は単なる小売店ではなく、車社会の地域では生活や事業、災害時の燃料供給を支えるインフラ。地域の「最後の一店」をどう守るかが問われており、政府も燃料供給網維持に動き始めた。
ココがポイント
過疎地50給油所を重点支援 政府、燃料供給網維持へ
出典:共同通信 2026/6/22(月)
経済産業省が、過疎地などガソリンスタンドの維持が難しい地域の支援策として、選定した店舗を集中支援する仕組みを導入
出典:朝日新聞 2026/8/23(日)
過去10年の累計では1700社超のガソリンスタンド事業者が市場から退出した計算になる。
出典:帝国データバンク 2026/9/12(土)
首都圏でも、電気自動車やハイブリッド車の普及に加え、自動車を保有しない世帯が増えるなど、燃料需要が減少
出典:テレビ朝日系(ANN) 2026/9/13(日)
エキスパートの補足・見解
帝国データバンクによると、2026年1~8月に倒産、休廃業・解散したガソリンスタンド運営事業者は、同期間として過去10年で最多水準となった。
給油所が減り、給油に長距離移動が必要になれば、自宅などで充電できるEVを選ぶ動機にもなる。燃料需要の減少で給油所が減り、その減少がさらにEVへの転換を促すという、相互に影響し合う循環も考えられる。
問題は乗用車だけではない。農業機械や発電機などには携行缶で購入したガソリンが必要だが、2020年から容器への販売には本人確認や使用目的の確認などが義務化された。ガソリンを使った犯罪も再び起き、さらなる規制強化を求める声もある。しかし、給油所が消えれば、農業や建設、災害対応にも深刻な影響を及ぼす。
自治体は廃業後に対策するのではなく、「最後の一店」になる前に事業承継や設備更新、農協・道の駅などとの複合化などで支援すべきだ。さらにEV充電設備や災害用電源を備えた「地域エネルギー拠点」への転換も必要になる。
人口減少地域で民間企業にインフラ維持をどこまで任せるのか。地域交通やスーパー、病院、金融機関にも共通する課題として、政府・自治体が中長期的に対処すべき段階に来ている。


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