アルバニアの暴動は7日目に入り、警察隊はゴム弾(致死性あり)や、スタン手榴弾を使用し始める
抗議者側は火炎瓶で応戦。完全な戦争状態に突入
内戦化へと突き進む
先日、現在起きているアルバニアの暴動について記事を書きました。
暴動は、フランスやイタリアでも発生していましたが、フランスでは、夜間外出禁止令(いわゆる curfew)が出され、そして、一連の「略奪」が終わった後には、現状は定かではないにしても、激しい衝突や暴力はおさまっているようです。
イタリアは、ミラノに 500人軍隊を投入すると首相が発表していますので、いったんは落ち着くのではないでしょうか。
しかし、アルバニアは違う。
暴動発生 7日目に入り、ますます衝突が激しくなっています。
そして、警察側はついに「ゴム弾」や「スタン手榴弾」というものの使用を始めたと報じられています。
ゴム弾やスタン手榴弾については、後でご説明するとして、現状は以下のようになっています。
アルバニアの抗議デモ隊と警察の激しい衝突は7日目を迎えた
Seventh day of violent clashes between Albanian protesters and police
BBC 2026/10/20
アルバニアでは、抗議デモ参加者と機動隊との激しい衝突が 7日連続で続いている。
デモ参加者の多くは高校生や大学生で、窮地に立たされているエディ・ラマ首相の退陣を求めている。公式発表によると、月曜日(10月19日)の暴力行為以前に、295人が負傷しており、そのうち 186人は警察官だった。
「国家がこれと交渉した瞬間、国家は崩壊する」と、ラマ氏は日曜日に警察に投げつけられた石を振りかざしながら、険しい表情の警察署長たちに告げた。
大学の環境改善要求、汚職への怒り、ラマ首相の辞任要求などを背景に起きた抗議活動の中で、ティラナの警察署や政府庁舎が襲撃された。
ラマ首相は、「デモ参加者の中には、欧米の闇の勢力によって過激化した若者たちも含まれていた」と述べ、「アルバニアは、周到に計画された攻撃の標的の一つとなってしまった」と付け加えた。
青少年公園としても知られるリニア公園で、記者は人々が首相が振りかざしたような緩んだ石畳を、後の警察との衝突に備えた武器として持ち去っていく様子を眺めていた。彼らは長く待つ必要はなかった。
警察車両の車列が広い大通りを進み、先頭の装甲車は逃げ惑うデモ隊に向かって放水銃と催涙ガス弾を発射した。
機動隊は主に学生からなる群衆を公園内で追いかけた。抗議者たちはカフェに避難したが、そこで働くウェイターたちの目からも催涙ガスの涙が流れていた。
木陰では、黄色い反射ベストを着たボランティアたちが、有毒ガスに苦しむ人々を助けようと、その場に留まっていた。私は、若い男が警官に抗議しているのを目撃したが、警官は至近距離から彼の顔に催涙スプレーを噴射した。
ここまでです。
非致死性といわれるゴム弾とスタン手榴弾の実態
この記事ではふれられていませんが、アルジャジーラ紙によれば、警察隊は「ゴム弾」を発射し、また、「スタン手榴弾」も使用したことにふれている報道があります。
ゴム弾
弾丸の一種で、キネティックインパクト弾とも呼ばれるもので、プラスチック、ゴムなどで作られた弾頭が使われる兵器です。主に警察や軍隊で暴動鎮圧、訓練用、大型獣の撃退に使われます。非致死性兵器とされるものの一つとされています。
しかし、「非致死性」の武器といわれていますが、実際には多くの死者が出ています。
ダミー人形にゴム弾を当てる実験。額の部分が窪んでいます
2017年の論文「群衆制御環境における運動衝撃投射物による死亡、負傷および障害」によれば、1990年から 2017年にゴム弾・プラスチック弾などのキネティックインパクト弾で負傷した 1984人を分析した結果、
・死亡:53人(約3%)
・永続的な障害:生存者の約15%(約300人)。失明や腹部臓器の損傷による手術などが多い
となっていて、特に至近距離で頭部などに命中すると、障害が残ったり、あるいは死亡することがあります。死亡(約半数)や重篤な障害(ほとんど)の多くは頭部・首への命中が原因となっています。
弾丸の種類によっては「貫通する」こともあり、多用されると負傷者あるいは死者が発生する確率は上がります。
スタン手榴弾
スタン手榴弾は、スタングレネード、閃光手榴弾とも呼ばれ、強烈な閃光と大音量により対象を一時的に目が見えない状態や耳鳴り、平衡感覚の喪失、眩暈、ショック状態などに陥らせるための非致死性兵器とされるものです。
「方向感覚を失わせる装置」とも呼ばれ、暴動鎮圧などに使われますが、しかし、これも「非致死性」と呼ばれながらも、専門サイトには、以下のように書かれています。
健康への影響
方向感覚を奪うための爆発物は非常に高温で燃焼する。爆発が人のすぐ近くで発生した場合、生命を脅かすほどの重度の火傷を負う可能性がある。スタン手弾が発する強烈な音と圧力は、中耳の損傷や永久的な難聴を引き起こす危険性がある。
ケース入りの爆発装置は破片を発生させ、鈍的外傷や貫通性外傷を引き起こす可能性がある。
爆燃ではなく爆発する手榴弾は、より大きな圧力を発生させ、破片による危険性も高くなる。手榴弾を頭の高さかそれより高い位置に投げるオーバーハンドスローは、上半身や頭部付近で爆発する危険性があり、その結果生じる負傷は生命を脅かす可能性がある。
手榴弾が建物内や群衆の中など「無差別に投げられたり発射されたりした場合」、重傷を負うケースがより多く発生するようだ。
対する抗議者側は、一部、火炎瓶(モトロフ・カクテルと呼ばれます)を警察隊に投げつけており、警察隊にも負傷者が出ています。
あと、動画などを見ていますと、抗議者側が「何だかよくわからないけど、火が連続で噴出される道具」を使っていて、火炎放射器ではないですし、何かわからないのですが、戦場じみています。火炎瓶の発展形なのでしょうかね。
7日間も途切れなく暴動(抗議運動ではなく暴力的な応酬)が続いているのは、今のところアルバニアだけで、この暴動は「何か違う」と感じさせてくれるところです。
そして、フランスでの暴動と違って、今のところ写真や動画を見る限り、そして報道を読む限り、アルバニアの暴徒は、一般人への略奪は行っておらず、破壊・放火・侵入した建物も政府ビルや裁判所関係などの公共の建物だけです(細かいところまではわかりませんが)。
また、別の動画では、デモ参加者と思われる人々が「拳銃を手にしている」様子が撮影されているのですね。
調べてみますと、アルバニアも、日本同様、比較的厳格な「銃器法」があり、警察による許可・登録制の下で管理されていて、自由な所持や無許可での持ち歩きは認められていない国です。なので、どういうことになっているのかなとも思いますが。
ともかく、ここまで暴力性が拡大したデモが急速に沈静化していくのかどうかは今のところわかりません。そして、このエスカレートが続けば、死者や重傷者は必ず出ます。もう出ているかもしれません。もちろん、警察側の負傷者も出ていると思われます。
この件の先行きはとても気になります。








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