英国議会が安楽死法案を承認

英国議会は、末期患者の安楽死を合法化する法案を僅差で可決した。これは同国史上の社会改革の画期的な瞬間となる。

この法案は金曜日に下院で 314対 291の投票で可決され、議会での最大のハードルを乗り越え、今後は英国の上院である貴族院で数カ月に渡る精査を受けることになる。

このプロセスにより、貴族院に送られる際にさらなる修正が行われる可能性もあるが、上院は通常、下院で選出された国会議員によって可決された法案を阻止することには消極的である。

金曜日の採決は、個人的な体験談に言及するなど、議会で長時間にわたる感情的な議論の末に行われた。この法案は 11月に原則承認された採決に続くものだった。

安楽死法案の内容

「末期患者（終末期）法案」は、イングランドとウェールズの、精神的に問題がなく余命が 6か月以内の末期患者に、医療支援を受けて自らの人生を終わらせる選択権を与えるものだ。

患者は医師、ソーシャルワーカー、上級法律家、精神科医を含む委員会から許可を得た後、自分で致死性の薬物を服用できる必要がある。

自殺ほう助は、医療従事者やその他の人が患者の要請に応じて致死注射を施す安楽死とは異なる。

現行法では、末期患者の命を絶つ手助けをした者は警察の捜査、起訴、そして最長 14年の懲役刑に処せられる可能性がある。

新法案の当初の草案には、学習障害、自閉症、精神疾患を持つ人々を支援する独立した支援者の任命や、障害諮問委員会の設置などが含まれるよう変更が加えられた。

世論調査によると、英国民の大多数が安楽死を支持している。英国を拠点とする「尊厳死」キャンペーンの最高責任者サラ・ウートン氏は、この投票結果は「明確なメッセージ」であり、「議会は国民と共にあり、変化は起こりつつある」と述べた。

法案の実施時期は未定だが、法律の規定により、法案可決後 4年以内に開始する必要がある。