「日本人の血税」にトランプが狙いを定めた…ヤバすぎる10兆円巨大プロジェクト「アラスカの悪夢」で、日本がカモにされる「最悪のシナリオ」

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「日本人の血税」にトランプが狙いを定めた…ヤバすぎる10兆円巨大プロジェクト「アラスカの悪夢」で、日本がカモにされる「最悪のシナリオ」

採算が取れないアラスカ州の液化天然ガス田の開発を検討する日本政府。消費税を下げればこの問題はすぐに解決するはずなのに、全くそのことを言わない日本政府とマスコミ。

莫大すぎる建設コスト

「自動車や鉄鋼のために我々が人身御供にされては、たまらない」

 

エネルギー業界関係者からこんな嘆き節が漏れている。日米関税交渉が難航する中、石破茂政権が「本丸」と位置付ける自動車や鉄鋼の追加関税の撤廃を、米トランプ政権から引き出す有力な交渉材料として、アラスカ州での液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトへの日本企業の参画が俎上にのぼっているからだ。

このプロジェクトは、開発に400億ドル(約6兆3800億円)以上もの莫大な投資が必要とされ、米欧の資源メジャーが過去に「採算が合わない」として手を引いた「いわく付きの案件」(大手商社幹部)。

業界事情を熟知する資源エネルギー庁は「経済性が乏しく、開発できてもLNGの高値掴みになりかねない」と慎重だ。一方、「日本経済の屋台骨である、自動車や鉄鋼などの基幹産業を守るには、背に腹は代えられない」と思い詰める経済産業省通商政策局は、交渉の切り札として活用する構えで、省内を二分する騒動となっている。

アラスカLNG開発は、北部の永久凍土層にあるガス田から、南部の太平洋岸に建設するLNG出荷基地まで、全長約800マイル(約1300キロメートル)をパイプラインで結ぶ巨大プロジェクト。2030年代初頭に、日本の需要の3割に相当する年間2000万トンの生産を計画する。

最大のネックは、北米最高峰のデナリ(マッキンリー)を含む3つの山脈や、800を超える河川を通す難工事となるため、建設コストが莫大なことだ。

実際、2012年には米エクソンモービルや米コノコフィリップス、英BP、トランスカナダの資源メジャー4社が、パイプライン建設の検討でアラスカ州と合意しながら、頓挫している。

2015年にはトランスカナダが、2016年にはエクソンモービルが相次ぎ撤退。BPは2019年に石油を含むアラスカ事業を全て売却し、開発構想は雲散霧消した。当時、エクソンから委託を受けた英調査会社が、レポートで「世界中で最も競争力の低いプロジェクトのひとつ」と酷評した代物である。

日本はまさに「格好のカモ」

自国の豊富な化石燃料資源を活かして、世界で影響力を振るう「エネルギードミナンス」を掲げるトランプ政権は、メジャーが見捨てたアラスカLNG構想を、関税交渉に絡めて外国マネーを引っ張り込むことで復活させようとしている。

中でも、安全保障を米国に依存する弱い立場の日本・韓国・台湾は「格好のカモ」だ。実際、中国の習近平政権による併合の脅威にさらされている台湾は、すでに公営ガス会社が、アラスカ開発に対する投資及び年600万トンのLNG購入に関する意向表明書に署名した。

それに伴って、日韓への参画圧力も高まっている。日本はLNG輸入の約10%をロシアのサハリン2プロジェクトから購入しており、ウクライナ侵攻に伴う先進国の対露経済制裁後も「代替調達先を見つけるのが難しい」などと理屈をつけ、輸入継続を許されてきた。だが、ロシアとの調達契約は、アラスカLNGプロジェクト操業時期の直前に当たる2029年末ごろに切れる予定で、この面からもトランプ政権にとって、日本に参画を迫る好機となっている。

6月4日にアラスカ州で開かれた米政府主催の「アラスカ・サステナブルエネルギー・カンファレンス」には、経済産業省の通商トップ、松尾剛彦経済産業審議官(1988年旧通商産業省入省)が、韓国政府関係者らとともに参加。米エネルギー省幹部から、アラスカ開発投資とLNG購入が、対米貿易黒字削減やエネルギー安全保障につながる意義を嫌というほどレクチャーされた。

米政府が迫った、意向表明書への署名こそ日韓とも見合わせたようだが、松尾氏はカンファレンス後、記者団に「デジタル化の進展でエネルギー需要の増加が見込まれる中、日本としてLNGの調達先の多角化を図っていくことは重要。(日本に近いため)輸送コストが低く、安定供給の面からもメリットがあるアラスカプロジェクトは、ひとつの候補になりうる」と語るなど、押しまくられている様子をうかがわせた。

「1980年代以降、アラスカ州から再三売り込みがあったが、どう考えても採算が合わないと断り続けてきた」(大手ガス会社幹部)という業界の懸念の声をよそに、日本政府は着々と外堀を埋められているようだ。

経産省の「通商マフィア」の狙い

そもそもトランプ政権に「日本は脈あり」と動意づかせた責任は、日本側にもある。

官邸筋によると、今年2月に開かれた日米首脳会談の際、経済分野の事前調整を担当した経産省の荒井勝喜通商政策局長(1991年同)らが、トランプ大統領の歓心を買うためにアラスカLNGをテーマに盛り込んだという。トランプ氏が1月20日の大統領就任初日に「アラスカの埋蔵資源を解放する」と訴え、LNG開発推進の大統領令に署名するなど、熱を入れていたことが念頭にあったようだ。

東大卒が主流の経産省にあって、荒井氏は私大(早稲田大)卒ながら、政策立案能力や永田町での幅広い人脈が評価され、「将来の次官候補の一角」とも言われてきたやり手官僚。それだけに、自動車を巡る関税減免交渉が難航する事態もにらんで、トランプ政権に差し出す「アメ」を幅広く手元に確保しておきたかったようだ。

ただ荒井氏については、岸田文雄前政権時代にLGBT(性的少数者)への差別発言で首相秘書官を更迭されたことにも象徴されるように、自分の考えで突っ走る「独善」ぶりを批判する声もある。今回のアラスカLNGの件も、エネルギー業界を所管する資源エネルギー庁と十分な意見のすり合わせを行わないまま、日米関税交渉のテーブルに載せたため、省内や業界から異論が噴出しているわけだ。

トランプ氏は我が意を得たりとばかりに、3月の施政方針演説でアラスカLNG事業について「日本はパートナーになりたがっており、数兆ドルが投じられる」と発言。関税交渉の仕切り役であるベッセント財務長官も「アラスカで大きなエネルギー取引の話があり、日本は多くの資金を提供するだろう。そうすれば(米製品への市場開放などの)代わりになるかもしれない」と述べるなど、日本企業の参画が既成事実化される流れができている。

荒井氏ら経産省の通商マフィアからすれば、相手の手のひらに乗せられたとしても、自動車や鉄鋼に対する追加関税の減免が勝ち取れれば良しとの考えなのだろう。

日本人の血税が使われるのか…

問題は「資源メジャーでさえ二の足を踏んだハイリスク事業を、日本の大手商社や電力・ガス会社だけで進められるはずがない」(資源エネルギー庁幹部)ことだ。

実は、アラスカ州が提示している6兆円超の開発費は、2010年代にメジャー4社が見積もった額を援用した「腰だめの数字」(アナリスト)。近年のインフレによる資材費や人件費の高騰は全く織り込まれておらず、最終的なコストは10兆円レベルに膨らむとの見方もある。

また、LNGの需要は足元で強いものの、世界的なカーボンニュートラルの流れが続く中で10年後、15年後どうなっているかは見通せない。アンモニア水素や原発など脱炭素電源が伸長し、LNGの価値が大きく低下するようなことになれば、アラスカプロジェクトに参画した日本企業は大量の「座礁資産」を抱えた上、投資資金の回収もままならず、巨額損失を被るリスクがある。

専門家は「国策として進めるなら、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)や国際協力銀行(JBIC)などを通じた、大規模な公的支援が不可欠」と指摘するが、そうなれば血税投入にほかならず、巨額損失のリスクが国民に付け回される。

仮にプロジェクトが上手く進んだとしても、極寒の地で運営コストも嵩むため、産出されるLNGの価格は米国本土産やカタール産、豪州産などに比べて相当割高になるのは確実だ。

自動車や鉄鋼関税でトランプ大統領のお目こぼしを受けるために、高値掴みしたLNGが電気代高騰を招き、日本の国民が苦しめられるなら、悪夢というしかない。

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