移民に対する感染症対策が重要になる
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結核新規患者1万人下回る 外国出身2割超で増加傾向
2026年08月25日(火) 09:00 配信 共同通信社
厚生労働省は24日、2025年に結核と診断された患者は9899人で、1951年の集計開始以来初めて1万人を割ったと発表した。
人口10万人当たり8人で、世界保健機関(WHO)が定める「低まん延国」の水準を5年連続で維持した。
外国出身者は新規患者の23.8%、20代患者の91.1%を占めた。
留学や就業目的での入国者増加が影響したとみている。
厚労省は25年6月から一部の国を対象として、中長期の在留予定者に結核を発症していないとの証明を求めているが、25年の外国出身患者は前年に比べ18.8%増えた。
分析した結核予防会結核研究所の加藤誠也所長は厚労省で記者会見し「患者は減少したが、国内最大級の感染症であることに変わりはない」と強調。
外国出身者への啓発強化や患者の早期発見が重要だと述べた。
集計では、70歳以上が全体の6割近くを占めた。
過去の流行時に感染したとみられる。
都道府県別で10万人当たりの新規患者数が最も多かったのは大阪(13.4人)。徳島(10.5人)、岐阜(10.4人)が続いた。
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結核患者は過去最少。でも20代の9割が外国生まれという現実
日本では結核はもう「昔の病気」だと思っていませんか?
厚生労働省から、非常に興味深いデータが発表されました。
2025年に新たに結核と診断された患者は9,899人。
1951年に統計を取り始めて以来、初めて1万人を下回りました。
人口10万人当たりの患者数も8.0人となり、日本はWHOが定める「結核低まん延国」の水準を5年連続で維持しています。
ここだけを見ると、
「日本の結核は順調に減っている」
という、とても良いニュースです。
ところが、その中身を詳しく見ると、気になる数字があります。
新規結核患者の約4人に1人が「外国生まれ」
2025年に新たに登録された結核患者9,899人のうち、外国生まれの患者は2,352人。
全体の23.8%を占めています。
しかも前年より372人、18.8%増加しました。
日本生まれの新規患者が前年より6.5%減っている一方で、外国生まれの患者は増えているのです。
さらに驚いたのが若い世代です。
20~29歳の新規結核患者では、
91.1%が外国生まれ
でした。
つまり日本の20代で発生している結核について見ると、10人中9人以上が外国生まれということになります。
15~19歳でも86.1%、30~39歳でも73.3%が外国生まれでした。
日本の若年層における結核の状況が、以前とは大きく変わってきていることが分かります。
「入国して間もない人」が多い
もう一つ重要な数字があります。
外国生まれの新規結核患者2,352人のうち、入国から5年以内の人が1,470人、62.5%を占めていました。
20代では1,133人が入国5年以内でした。
もちろん、この数字だけから
「日本に入国した時点ですでに発症していた」
とは言えません。
結核は少し特殊な感染症だからです。
結核菌に感染しても、すぐに発病するとは限りません。
体内に結核菌を持ったまま症状がない「潜在性結核感染」の状態が何年も続き、その後、免疫力の低下などをきっかけに発病することがあります。
ですから、
海外で感染 → 日本に入国 → 数年後に日本国内で発病
ということも十分あり得ます。
つまり重要なのは、単純に「空港で症状がなければ大丈夫」という感染症ではないということです。
移民政策を考える時、感染症対策を抜きにはできない
私は今回のニュースを読んで、これは単なる結核のニュースではなく、これから日本が外国人労働者や留学生、移民をどのように受け入れていくのかを考える上でも重要な問題だと思いました。
人が国境を越えて移動すれば、当然ながら病原体も国境を越えて移動します。
これは外国人を差別するという話ではありません。
感染症対策として当たり前の話です。
国によって結核をはじめとする感染症の流行状況は大きく異なります。
世界との人の往来を増やすのであれば、それに合わせて感染症の監視体制や検査体制も強化する。
これはセットで考えなければならない問題だと思います。
「外国人をたくさん受け入れます」
という政策だけ進めて、
「感染症については従来通り」
では困ります。
受け入れる人数が増えれば、当然、それに対応した公衆衛生政策が必要になります。
日本でも入国前結核スクリーニングが始まった
実際、日本政府も対策を始めています。
厚生労働省は、結核患者が比較的多い国から中長期で日本に滞在する人を対象に、入国前結核スクリーニング(JPETS)を導入しました。
対象として挙げられているのは、
フィリピン
ネパール
ベトナム
インドネシア
ミャンマー
中国
の6か国です。
フィリピンとネパールについては2025年6月23日から結核非発病証明書の提出が義務化され、ベトナムについても同年9月1日から義務化されました。
一方、インドネシア、ミャンマー、中国については、厚労省の公表資料では開始に向けた調整が進められています。
ここで注意したいのは、今回発表された数字が2025年1年間の統計だということ。
入国前スクリーニングが本格的に始まったのは2025年の途中です。
したがって今回の数字だけを見て、
「入国前検査を始めたのに効果がない」
と判断することはできません。
むしろ今後、この制度によって外国生まれの結核患者がどう変化していくのか、数年間しっかり追う必要があると思います。
入国前検査だけでは不十分
そして私は、入国前の検査だけですべて解決するとは思っていません。
先ほど書いたように、結核は感染していても発病していなければ、入国時には分からない場合があります。
だからこそ、
入国前のスクリーニング
+入国後の健康管理
+学校や職場での健診
+症状が出た際の早期受診
+必要に応じた潜在性結核感染の評価
まで含めて考える必要があります。
特に日本語学校や外国人労働者が多い職場など、多くの人が集団生活をする環境では重要でしょう。
結核は空気感染する感染症です。
発見が遅れれば、本人だけの問題では済みません。
周囲への感染拡大につながる可能性があります。
だからこそ早期発見が非常に重要なのです。
日本人高齢者の結核も忘れてはいけない
一方で、「今の日本の結核は外国人だけの問題」という理解も間違っています。
2025年の結核患者全体では、70歳以上が約6割を占めています。
日本では戦後まで結核が非常に多かったため、若い頃に感染し、何十年も経って高齢になってから免疫力が低下して発病する人が今も大勢います。
つまり現在の日本では、
高齢者の潜在感染からの発病
と
外国生まれの若年者の結核
という二つの問題が同時に存在しているわけです。
「患者が減ったから安心」ではありません
日本の新規結核患者が1万人を下回ったこと自体は、大きな成果だと思います。
しかし、
外国生まれの患者は前年より18.8%増加。
そして、
20代患者の91.1%が外国生まれ。
この数字は無視できません。
外国人労働者や留学生を今後さらに受け入れていくのであれば、それによって生じ得る感染症リスクについても正面から議論する必要があります。
これは外国人を排除するためではありません。
日本に住む日本人を守るためでもあり、日本に来た外国人自身の健康を守るためでもあります。
人の国際移動が増える時代だからこそ、
「受け入れ政策」と「感染症対策」は必ずセットで。
私はそこを曖昧にしてはいけないと思っています。
結核は決して「過去の感染症」ではありません。
患者数が減っている今だからこそ、次に何が起きているのか。
数字の「中身」を見ることが大切だと思います。




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