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「今後数ヶ月以内に深刻な食糧危機が発生する可能性がある」という警告を今のこの状況で、どのように受け止めるか

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ウクライナの小麦農場 食糧問題

「今後数ヶ月以内に深刻な食糧危機が発生する可能性がある」という警告を今のこの状況で、どのように受け止めるか

「今後数ヶ月で起きる可能性?」

以前、「英国政府が国民に食料備蓄の徹底と戦争の準備を呼びかける」ということをご紹介したことがありました。

これはどちらかというと、「戦争」に重点が置かれたものでしたけれど、最近、インドの外務大臣が、

「今後、数ヶ月以内に深刻な食糧危機が起きる」

と発言したことが伝えられています。

これは「インドで起きる」ということではなく、国際的なイベントでの講演で発言されたものであり、対象は「世界」ということになると思われます。

食糧危機に関しては、これまでも何度も取り上げていますし、特段、海外の政治家から言われなくとも、現在の燃料やエネルギー事情や世界的な天候不順を考えると、深刻なものかどうかはともかく、食糧問題は確実にやってきます。

最も穏やかな形としては「食料品が次々と尋常ではなく値上げしていく」というようなことでしょうが(あまり穏やかなことでもないですが)、本格的な危機ともなりますと、ディーゼル燃料の高騰や不足による農業運営とサプライチェーンの混乱により、

「食料品が市場に出回りにくくなる」

という状態も考えられないことではないです。

現在、ディーゼルに関しては、

・中国
・ロシア

が共に輸出を禁止していて、インドも輸出に強い制限をかけています。

そこに加えて、アメリカもディーゼルの輸出停止を検討しているとは報じられています(決定はしていません)。

アメリカでは、ディーゼル燃料価格の高騰を受け、アメリカのトラック運送会社16社が破産を申請した、ということがあったりと、ガソリンやディーゼル価格の高騰には、かなり批判も高まっているようですので、輸出停止の可能性はありそうです。

この段階ですと、もう原油価格そのものはあまり関係ないことになりそうで、トラックも農業機材も原油で動くのではなく、ディーゼルで動くわけですから、ディーゼルなどの石油精製製品の問題となっています。

日本はまあ…年内とかは全然大丈夫でしょうけれど、来年までの戦争(中東もロシアもどちらも)の状況次第では、影響を受ける可能性がかなり高いです。

 

イランの現実を照らし合わせる

渦中のイランは、戦争に関して敗北を認めることはないですが、現実には人々の生活は非常に大変なようで、インフレが激しいものとなっています。

生物科学

中東フォーラムの「イランで食料価格が高騰、生活必需品が手の届かない価格に」という記事には、以下のようにあります。

食料品の中でも、食用油は最も急激な値上がりを記録した。公式データによると、直近の月の価格は前年同月比で431%上昇した。卵の価格は343%、鶏肉の価格は287%上昇した。

肉類も種類によって113%から278%の値上がりを記録した。米、乳製品、その他の必需食料品も大幅な値上がりを見せている。

meforum.org

これが夏前の話で、それから事態が改善したとも思えず、人々はかなり厳しい日々を送っていると思われます。

しかし、今後同じような状況が、さまざまな国に出てくる可能性は十分にあり得ます。

もちろん、すべての燃料問題や肥料問題、サプライチェーンの問題が「夢のように」解決するのであれば、そんな問題は起きないでしょう。

でも、どうでしょうか?

ロシアとウクライナの戦争は、数年経っても膠着状態(ロシアもウクライナも黒海経由での農作物の輸出ができない状態となっている)で、イランとアメリカに関しては…8カ月目くらい? になっている。

ともかく、サプライチェーンは部分的にムチャクチャに壊れたままで、今すぐ改善するとも思いにくい。

日本は日本で、コメ農家の廃業が過去最多で進んでいます。

以下は 8月までの推移ですが、今年の天候不順と異様なコメ価格の安さなどを考えますと、今年は年間で最多の廃業となると見られています。


帝国データバンク

このまま、同じような状態で進んだ場合、国内のコメ供給そのものが安定しなくなる可能性さえあるような状況でもあります。

今後予測される危機を逃れることができるのかどうかは何ともいえないですが、私たちは、食糧安全保障の面では、世界でもかなりリスキーな位置にある日本に住んでいる以上、ある程度の心構えは必要かと思います。

インドの外相の発言についての英ガーディアンの報道です。



インドは、エルニーニョ現象と世界的な紛争の影響で、今後数ヶ月以内に深刻な「食糧危機」が発生する可能性があると警告している

India warns of major ‘food crisis’ in coming months amid El Nino and global conflicts
independent.co.uk 2026/09/30


インドのジャイシャンカル外務大臣。

インドのS・ジャイシャンカル外相は、ウクライナと中東での戦争が超大型エルニーニョ現象の影響を悪化させているため、世界は今後数ヶ月で「深刻な食糧危機」に直面すると警告した。

ニューヨークのアジア・ソサエティが主催したイベントで講演したジャイシャンカル氏は、二つの紛争はグローバル・サウスの経済に「壊滅的な影響」を与え、エネルギー、食料、肥料、そして金融のすべてが同時に逼迫していると述べた。

「エネルギー問題が大きな危機であり、それに加えて食料や肥料、そして金融問題も重なると、紛争が起こるたびに資金が安全な港へと流れ、グローバル・サウスから遠ざかるため、結果として非常に大きなストレスが生じることになる」と彼は述べた。

ジャイシャンカル外相は、世界のエネルギー市場の逼迫状況は、各国が石油供給をめぐって「政治的な駆け引き」を行っていることで悪化しており、価格が安定するはずの時期に価格を押し上げていると述べた。

「その一因は石油供給の安全保障であり、もう一つは石油供給をめぐる政治問題であり、これらが互いに影響し合い、危機を悪化させている」と彼は述べた。

彼の警告は、今月原油価格が急騰した中で発せられた。

トランプ米大統領がイランとサウジアラビアの東西パイプラインに対する制裁緩和を否定したことを受け、ブレント原油は月間約14%の上昇となり、7月以来最大の伸びとなる見込みだ。

サウジアラビアの石油輸出にとって重要な輸送ルートは、今月初めにドローン攻撃によって機能停止に陥った。リヤドはこの攻撃を、イラク国内のイラン系民兵組織の仕業だと非難している。その後、パイプラインはほぼ完全に稼働を再開した。

ロイターによると、ロシアの製油所への攻撃とロシアによるディーゼル油輸出禁止措置により、欧州のディーゼル油先物価格はそれぞれ過去最高の1バレル210ドルまで上昇し、米国の小売ディーゼル油価格も高騰した。また、ロシアと湾岸諸国からのディーゼル油輸出量は、昨年の水準から約3分の2減少した。

食料問題に関して、ジャイシャンカル外相は、世界の主要な穀物輸出国の一部、特に黒海沿岸地域からの出荷が困難になるだろうと述べた。同地域は世界最大級の小麦・穀物生産地の一つであり、ロシアによるウクライナ侵攻によって輸出が繰り返し阻害されている。

「それに加えて、超大型エルニーニョ現象が予想されているため、今後数ヶ月のうちに深刻な食糧危機が発生する可能性が高い」と彼は述べた。

エルニーニョ現象は、太平洋の一部を温暖化させ、世界中の降雨量や食料生産を阻害する、自然発生的な気候パターンだ。

今年のエルニーニョ現象は、例年よりも強力になると予想され、すでに記録を更新している。

シカゴ大学の研究グループである気候影響研究所は今月、今年の現象により、 2月までに世界中で熱中症による死者が約50万人増加する可能性があり、その被害は南半球で最も深刻になるとの見通しを示した。また、現象発生期間中の世界の陸上気温は、平年より約1.2℃高くなる可能性があるとしている。

「意図的だったかどうかという問題ではないと思う。政策立案者は、それが意図的ではなかったとは言えない」と、ジャイシャンカル氏は特定の国名を挙げずに述べた。

生物科学

「各国には、他国の状況にも目を向け、自国の決定が世界の他の国々にどのような影響を与えるかを理解しようとする責任がある。自国だけの世界に閉じこもり、決定を下して『あなた方の生活を困難にするつもりはなかった』などと言うような自己中心的な態度は許されない」

責任他国の状況にも目を向け、自国の決定が世界の他の国々にどのような影響を与えるかを理解しようと努めるべきだ。各国はあまりにも自己中心的になりすぎて、自分たちの世界に閉じこもり、「あなた方の生活を困難にするつもりはなかった」などと言っていてはならない。

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