オミクロン変異考察

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オミクロン オミクロン

オミクロン変異考察

遺伝子配列の検査の結果人工的に作製された可能性が高い

荒川央 (あらかわ ひろし)
 

新型コロナウィルス-オミクロン株 (SARS-CoV-2 Omicron variant、系統B.1.1.529) は2021年11月24日に南アフリカから世界保健機関 (WHO) に初めて報告されました。オミクロン変異株は多数の変異をスパイクタンパク上に持ち、しかも変異の多くは他の変異株には見られない新規のものです。この変異の多さのために、武漢型をベースとした現行のコロナワクチンによる免疫を回避する懸念にも繋がっています。

検出されるそれぞれのウィルスは変異し続けるウィルスのスナップショットの様なもので、それを固定できるのがクローニングです。生物学において「株」とは培養によって維持される同一系統の微生物などです。通常は単離してクローニングしたものを株と呼びます。本当は単離されていなければオミクロン「株」とも呼べませんが、ここでは便宜的に「変異株」と呼ぶ事にします。

このオミクロンは本当に自然に発生した変異株なのか?興味がありましたので、私自身で遺伝子配列を解析してみました。結果、これが突然変異と自然淘汰による通常のウィルス進化でできたとするにはあまりに不自然であり、私はオミクロンは人工的に作成されたウィルスではないかと強く疑うに至りました。その根拠について書いていこうと思います。

オミクロンの変異はどういったものか。コロナウィルスの異なる変異株の塩基配列を比べた論文が発表されています (Kandeel et al. (2021) Omicron variant genome evolution and phylogenetics. J Med Virol)。読んでみましたが、私が一番気になる点は解析されていませんでした。そこで、論文中にそれぞれの変異株のアクセション番号 (遺伝子データバンクの登録番号) が記述されていましたので、GISAIDデータバンク (https://www.gisaid.org) からオミクロン株を含めたコロナウィルスの変異株の配列情報をダウンロードして、私自身でも解析してみました。ここで使ったオミクロンのアクセション番号は「EPI_ISL_6640916」です。

その前に突然変異とは何か、突然変異はなぜ起こるのか、自然に起こる突然変異とはどのようなものかについて説明します。コロナウィルスのゲノムはRNAですが、まずは動植物で一般的なDNAゲノムの話から始めます。DNAの塩基をRNAのものに置き換えれば、以下の理論はRNAゲノムを持つウィルスにも適用できます。ただし、RNA複製には修復機構が無いので、RNAゲノムの進化はさらに速くなります。

動植物の遺伝情報はDNA配列に暗号化されており、いわば4つの文字(A、G、C、T)で書かれたデジタル情報です。DNAの根本的な問題は「デジタル情報をアナログ的に作り上げる仕組み」にあります。一般的な例として製造業を考えてみてください。品物を大量に生産する場合、不良品を一切出さない事は不可能に近いでしょう。同様にDNAの複製機構は、細胞分裂の際に母細胞から娘細胞へDNA配列を正確にコピーする事を意図していますが、DNA分子への活性酸素などによる微小環境の揺らぎにより、DNA鋳型の損傷やDNA配列のミスコピーなどが起こります。このミスコピーが突然変異です。30億塩基からなるヒトゲノムの膨大な情報量は、精度の高いDNA複製装置をもってしても、そう簡単に完全にコピーできるものではありません。コピー機でコピーする際のように、繰り返す度にノイズが入るのです。

生命の情報は変化します。DNAの塩基配列の変化は、遺伝情報の誤りを引き起こし、時に多細胞生物に癌のような危機をもたらす事があります。突然変異と淘汰が進化の原動力であるように、DNA配列の変化に関連する第二の現象は進化です。既知のすべての動植物の遺伝情報はDNAゲノムに記述されており、進化の過程で何十億年も積み重なった突然変異の歴史が種の多様性に反映されています。ちなみに、突然変異は英語でmutation (ミューテーション) で、遺伝子の変異といった意味です。突然変異と言っても日本語の「突然」のニュアンスは英語のmutationにはありません。

核酸の塩基配列は生体内でタンパク質を構成するアミノ酸配列に「翻訳」されます。この翻訳のルールを決めるのが遺伝暗号 (コドン) です。アミノ酸の一文字表記のアルファベットも併記します。

codon table (1文字表記)を拡大表示

mRNAはタンパク質の設計図として機能し、mRNAの配列に対応したタンパクが作られます。mRNA中の塩基3個の組み合わせがコドンであり、それぞれがアミノ酸1個に対応します。アミノ酸はレゴブロックの1つずつのピースの様なもので、順に組み立てる事により様々な構造や酵素活性を持つタンパクが出来上がります。翻訳のルールでは最初に来るのは開始コドンAUGです。AUGはメチオニンのコドンなので、メチオニンがいつもタンパクのアミノ酸配列の始まりに来ます。続けてmRNAの3文字ずつの「読み枠」を対象となるアミノ酸に翻訳していき、終止コドンが出るとそこで翻訳は終わりです。

アミノ酸によっては複数のコドンが1つのアミノ酸に対応します。例えばフェニルアラニンに対応するコドンは2つ、ロイシンに対応するコドンは6つあります。これを同義コドンと呼びます。それぞれのコドンは同じアミノ酸に対応するのですが、全く同じというわけではなく、コドンによって翻訳量に影響を受けたりします。

このようにほとんどのアミノ酸は複数のコドンによって特定されるため、塩基配列が変化しても、アミノ酸の配列に影響しない場合があります。こうした変異を同義置換 (Synonymous substitution) (またはサイレント変異 (Silent mutation)) と呼びます。ここではS変異と呼ぶ事にします。S変異はアミノ酸配列が同じでも集団内に遺伝的多様性を生み出します。S変異に対して、アミノ酸配列を変化させる変異は非同義置換 (Nonsynonymous substitution) (または置換型変異 (Replacement mutation)) です。ここではN変異と呼ぶ事にします。

進化は変異と自然選択の組み合わせで決まりますので、遺伝子の変異がそのまま定着するわけではありません。遺伝子に変異が入る時点では、その遺伝子がコードするタンパクの機能は分かりません。タンパクに翻訳して、機能を試して初めて、問題があるかないか、より有用かどうかが分かります。遺伝子の配列は、言わばコンピュータのプログラムの様なものです。プログラムの文字をランダムに書き換えれば、コンピュータは作動しなくなる事が多いでしょう。同様に、アミノ酸配列を変化させるN変異は遺伝子の機能を低下させる事が多く、N変異の大部分は捨てられる運命にあります。タンパクの機能を向上させる変異が入った場合競争で有利になりますが、そういった有用な変異は稀です。N変異のほとんどは生き残る事が出来ず、自然選択の競争で負けて消えてしまうのです。S変異はアミノ酸配列を変えないので、基本的に中立です。そのために S変異は放置され、ランダムに固定されて生き残ります。

意外に思われるかもしれませんが、実際の進化の過程でゲノムに残る突然変異の多くは遺伝子の性能を向上させたり、あるいは低下させたりしない、中立な変異です。分子進化中立説は1968年に日本の生物学者木村資生が提唱しました。分子進化中立説では、進化上の変化の大部分は中立なものであり、それがランダムな遺伝的ドリフトにより定着する事によります。この理論は分子レベルの進化にのみ適用され、ダーウィンが提唱した自然淘汰による表現型の進化と両立させる事ができます。

SARSコロナウイルス2-オミクロン株
https://ja.wikipedia.org/wiki/SARSコロナウイルス2-オミクロン株

画像1を拡大表示


さて、オミクロンにおける変異を見てみましょう。上の図はWikipediaのものです。

まずはこの図中にあるスパイクタンパク上のアミノ酸配列の変化を整理してみます。
1) 欠失が3つ:Δ69-70、Δ143-145、Δ212
2) 挿入が1つ:215EPEins
3) 突然変異が30:A67V、T95I、G142D、N211I、G339D、S371L、S373P、S375F、K417N、N440K、G446S、S477N、T478K、E484A、Q493R、G496S、Q498R、N501Y、Y505H、T547K、D614G、H655Y、N679K、P681H、N764K、D796Y、N856K、Q954H、N969K、L981F

数字はスパイクタンパクの中のアミノ酸の位置、アルファベットはアミノ酸の一文字表記です。例えば、A67Vは67番目のアミノ酸がA (アラニン) からV (バリン) に変化しているという意味です。

挿入が1つありますが、この挿入も不思議な挿入です。通常、短い挿入が入る時は近傍の配列が重複する短い繰り返し配列になる事が多いのですが、オミクロンの場合はそうではありません。ヒトの遺伝子の短い配列が挿入しています。これは査読が済んでいない論文で報告されているのですが、とても興味深い奇妙な現象です。

上でも書きましたが、データバンクからオミクロン株を含めたコロナウィルスの変異株の配列情報をダウンロードして、私自身で解析してみました。ここで使ったオミクロンのアクセション番号は「EPI_ISL_6640916」です。

ここではスパイクタンパク上の突然変異に注目してみます。アミノ酸配列の変化は30箇所。ここで大事な点はアミノ酸を変えない突然変異がどれくらいあるかです。ウィルス進化の過程で自然に起こった変異かどうかを判断する単純な方法があるのです。

塩基配列レベルで比較すると、オミクロンのスパイクタンパク遺伝子3813塩基 (1271アミノ酸) 中、突然変異は32 (欠失や挿入を除く)。そのうち2つの変異は同一のコドンに入っているので、対応するアミノ酸は31。

オミクロン変異考察の図1を拡大表示

例としてS477N、T478K、E484Aを説明します。上記のようにアミノ酸配列を変える変異がN変異です。このようにしてアミノ酸配列を変える変異を数えてみると、N変異は合計30個あります (同一のコドンに入っている2つの変異は1つのN変異と数えました)。

オミクロン変異考察の図2を拡大表示

アミノ酸配列を変えない変異はたった1つ。つまり、S変異は1つしかありません。この1つのS変異はD1146D [GAC -> GAU] の変異です。(DNA解析用のソフトウェアを使用したので、ここではRNAの配列のU (ウラシル) がT (チミン) として表記されています。)

ワクチンによる免疫を回避するためだけならば、スパイクタンパクにアミノ酸置換が増えるほどウィルスには有利になりますが、話はそう単純ではありません。コロナウィルスのスパイクタンパクはウィルスの細胞への感染を媒介します。そのためには細胞の受容体ACE2へ結合する能力と、膜を融合させるフソゲンとしての機能が必須になります。フソゲンの働きは繊細で、任意のアミノ酸置換を許容するわけではありません。ウィルスの感染能を向上させるためには無数の突然変異によるトライ&エラーが必要であり、その過程はS変異の蓄積として残るはずなのです。オミクロンの変異はたくさんありますが、それぞれの変異が一度に入るわけではありません。通常は1つの突然変異が競争に勝って固定し、2つ目の突然変異がまた競争に勝って固定し、といった過程で繰り返し蓄積されていくものです。30のアミノ酸置換、3つの欠失、1つの挿入をほとんど失敗も試行錯誤も無しに成し遂げたという事になり、分子進化の中立説に従わない驚くべきウィルス進化という事になります。

これがどういう事を意味するか、例え話をします。遺伝子の配列は文字列の様なものです。タンパクを構成するアミノ酸の種類は20。日本語だと仮名と漢字を合わせて文字の種類が多いので、ニュアンスは英語のアルファベットに近いでしょう。N変異は異なるアルファベットで置き換えるような変異と考えてください。英語として成立している文章があるとします。英語を知らない幼児にキーボードを触らせて、英文の文字を任意に置き換えさせたとします。同じアルファベットでの置き換え (見かけ上変化しない) が中立変異です。中立変異ならもう一度チャレンジでき、変なアルファベットで置き換えて文章を壊せば最初からやり直しです。たまたま元より良い英文になれば成功です。少しのスペルミスがあっても何とか理解可能だとしても、意味の通る英文になる確率はどのくらいでしょう。まして、最終的にもっと上手な名文になる確率はどのくらいでしょう。N変異が生き残るのは文章として成立している場合 (以前と価値は同等)、あるいは前より良い文章になった場合 (以前よりも価値が上がる) です。ほとんどの置換はそうはなりません。

別の例えで言えば、遺伝子の配列は生命のプログラムのようなものです。コンピュータのプログラムを書く事を想像してみてください。文字列を複数ランダムに置換して、プログラムとして成立する確率がどのくらいあるのか。以前よりプログラムが改善される確率がどのくらいあるのか。確率は0ではありませんが、それは天文学的な低さでしょう。実際の遺伝子のプログラムはオールオアナッシングではなくてもう少し融通が効くのですが、遺伝子の進化とはそのようなものです。

分子レベルでの遺伝子の進化は単純な弱肉強食「強ければ生き、弱ければ死ぬ」ではありません。S変異はアミノ酸配列を変えません。実際の進化の過程の遺伝子の変異で観察される現象なのですが、結果に影響するN変異の大半は淘汰されて排除されるのに対し、結果にほとんど影響しないS変異は生き残る事が多いのです。S変異の蓄積は進化の試行錯誤を繰り返した結果を意味します。S変異がほとんどないのはトライ&エラーを経ていないという事。つまり、オミクロン株は人工的に作成されたウィルスではないかと強く疑われるという事です。

コロナワクチン接種による抗体依存性感染増強 (ADE)、抗原原罪、免疫低下が起こればコロナウィルス感染時に重症化しやすい事などこれまで書いてきました。コロナワクチン接種者が増えれば、ワクチンによる免疫を逃れやすい変異株が自然選択による競争で有利になります。そのため、多くの変異株が生まれ、流行の波を繰り返す。実際に起こっていると思われます。しかし本当にそれだけなのか。それも確証が持てないのです。

このブログの本来の趣旨は「コロナワクチン」が危険な理由を伝える事です。私がこれまで「コロナウィルス自体」についてあまり話してこなかった理由の一つは、このウィルスにまつわる事に不自然な点が多すぎるからです。そもそもPCRによる検査法自体や運用にも大きな問題があるため、コロナウィルスが実際にどれくらい流行していて、どの程度危険なものなのかは簡単には判断できません。しかしながら、自分で実際に解析してみたところ、看過できない結果が出ましたので、やはり一度お話ししておこうと思った次第です。

もしもこのウィルスが本当に人工のものならば、そもそも各国におけるコロナウィルスの流行すらも自然なものなのかどうかを考えてしまいます。その場合はもはや性善説に基づく常識的な科学や医学の判断だけでは対応できないでしょう。

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