飲食店経営者が青ざめる「コロナ協力金」強制回収が始まった!(2)1300万円全てに課税

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ワクチンマネー コロナウイルス

飲食店経営者が青ざめる「コロナ協力金」強制回収が始まった!(2)1300万円全てに課税

1000万円支給されてもそのうち税金や社会保障費で600万円回収された

●協力金をもらったはいいが・・・

 異例の酷暑を迎えた日本列島。その熱波にかき消されるかのように、猛威を振るった新型コロナウイルスへの関心が薄れているように見える。しかし現実は真逆で、今、夜の街は国税局が課す莫大な「税金」というコロナの爪痕に戦々恐々としているというのだ。

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は6月30日、「新規感染者数が全国的に上昇傾向に転じた」として感染拡大局面にある、と発表した。もっとも、度重なる「感染拡大」「感染爆発」などの言葉に慣れてしまった国民には届きにくいのか、昼間はもちろん、いわゆる〝夜の街〟への人流も止まる気配は見られない。

 

 もちろん、景気回復という意味では効果があり、コロナ禍が直撃した夜の街にとっては一安心‥‥といった状況かもしれない。しかし、彼らはコロナ禍とは別の重大問題に頭を悩ませていた。東京・新宿で飲食店を経営する男性がこう溜め息をつく。

「今年の課税金額がハンパな額じゃない。具体的に言えば、住民税や国民健康保険料。昨年までと比べて、倍増とかいうレベルじゃなく増えている。うちの場合、国保の支払いは4〜5倍になってしまった」

 健康保険料がいきなり5倍とは尋常な上がり幅ではないが、むろん、これには理由がある。それはコロナ禍で行われた飲食店に対する「協力金」の性質だ。

●支給された協力金の内容

 その前に、まず協力金の内容と経緯について簡単に振り返っておこう。

 2020年の3月30日、東京都の小池百合子知事は厚労省新型コロナ対策本部クラスター対策班・西浦博北海道大学大学院教授(当時)とともに緊急記者会見を開き、「感染爆発重大局面」として都民に注意を喚起。特に夜の街への警戒を呼びかけた。

 そして、安倍晋三内閣(当時)が東京をはじめ、神奈川や大阪など7都府県に新型コロナ特措法に基づく初めての緊急事態宣言を発出したのが4月7日のことだ。

 特に小池都知事の会見で「感染源疑惑」として印象づけられた夜の街のダメージは大きかった。その穴埋め的に、事業者に対して支援金名目で東京都が支払ったのを手始めに、その後、断続的に続く休業要請、時短要請などに合わせて各自治体は「協力金」という名目で事業者支援を始めたのである。ざっとその目安を記すと、安倍内閣から菅義偉内閣へと変わったコロナ禍期間中、1店舗あたり1日3万〜6万円(時期によって異なる)の協力金が支払われていた時期があった。

 これには国民、事業者双方から賛否が起き、事業者からは「店舗規模などによっては支給額が売り上げには遠く及ばない」、また事業者以外の国民からは「個人事業者には多すぎではないか?」という疑問も投げかけられるなど、侃々諤々の騒動となったのは記憶に新しいところだ。

●大幅な増税に驚く飲食店経営者

 そして目下、大幅な増税に悩まされているのは、当時は批判的な声にすら晒された夜の街を中心とする飲食店だ。中でも、個人事業主の経営者は四苦八苦のありさまで、新宿・歌舞伎町でバーを経営する女性からは悲痛な嘆きばかりが聞こえる。

「去年の話をするなら、私がいただいた協力金は約1300万円ほどです。もちろん、税金なのでありがたいとは思っていますよ。ただ、それで普段より儲けたなどと言われると抵抗がありますね。今年の国保や住民税などは、いただいた額からざっくり4割強ほど。国保に関して言えば、普段の5倍です。もちろん、支払いました。つまり、世間様が言うように協力金で丸儲けというのはないのです。はっきり言えば、通常営業に比べれば儲け分がないだけ、収入減なんです」

 

 東京の城南地区で小料理屋を経営する店主も、6月に税金の通知が来て愕然とした一人だ。

「昨年は緊急事態宣言とまん防ばかりで、店を開けても軒並み時短要請。協力金は1000万円ぐらいもらったよ。その協力金が収入として加算されて税金が高くなるとは聞いていたけど、まさかここまでとは。昨年は年間10万円程度だった保険料が102万円! 10倍だよ。都民税も月1万円強だったものが通年98万円だって。その上、8月、11月と年2回納める事業税が2回分で年70万円‥‥。昨年の年収をもとに確定申告ですでに300万円近く取られてる。協力金から600万円は回収されちゃったってわけだよ」

 先の新宿の経営者らもそうだったが、べらぼうな国保課税の上がり幅だ。しかし、これにはからくりがある。女性バー経営者が言う。

●営業停止時は経費もゼロ。協力金の経費もゼロ。すべて収入となる

「普段だと、売り上げに対して相応の経費がかかります。うちの場合、その中心は酒類になりますね。その他にも、氷やお通しやアルバイトへの支払い‥‥。でも、コロナで休業していた時はそれがかからない。だから、いただいた協力金はみな〝売上金〟ということになってしまう。つまり、税制上認められる必要経費がなく、1300万円全てに課税されてしまう。何もしなければ、グンと税金が上がってしまうというわけなんです」

 ちなみに、厚労省が課している単身世帯への国民健康保険科は収入1140万円〜で年102万円となっている。1300万円まるまるの収入で算出すれば、上限はMAX、月にして8万5000円の保険料となる計算だ。これが、一個人にとってどれくらいベラボーな額かは容易に想像がつくだろう。

「私の場合、(コロナ禍の)早い段階から同業の方などから話を聞いて、対策を取っていました。知り合いのバー店主が『後で税金がっぽり持っていかれるからね』と注意してくれたので、協力金のうち500万円は税金対策としてストックしていた。それでなんとか支払いをした、という感じですね」(女性バー経営者)

 言うまでもないが、コロナ休業中も固定の出費はある。店の家賃はその最たるものだろう。また、通常2年に1度ほどある更新料などの支払いも固定費であり、普段売り上げがある店であればあるほど、やはり、協力金でプラスになる――が、実はそんなことはありえなかったようなのだ。

 さて、思い出してほしいのは、飲食店、特に夜の街に協力金が出たことについての世論の反応である。

 ネットを中心に「協力金バブルで大儲けしている」「〇〇という近所の店はベンツを買った」などという、出所不明の話が数多く出回った。中には、実際そのようなことを行った事業主もいるのかもしれないが‥‥。別の飲食店経営者はこう明かす。

 

「少なくとも、僕の周りではそんな行動をとった自営業者はいません。世間様がどう思っているのかは知りませんが、個人で店をやる以上、税を含めた利益配分に関してはみな敏感だし、そのための情報は集めてます。もし本当に高級車や遊びで協力金を使ってしまった人がいたとしたら、この春にはみな青ざめたはずですよ。400万〜500万円単位の税金が請求されるわけですから。いったい、どうするのでしょうね」

●一部では課税対策を進めていた個人事業主もいた

 準備万端、税金対策を進めていた個人事業主も多かったようで、

「酒代などの経費が計上できなくとも、これを機に店内のメンテナンスを行った人はいると思いますよ。古くなったエアコンや、汚れてしまった壁紙の交換、イスなどの備品の新調。どうせ税金で持っていかれるなら、経費として使って店をよくしようと」(飲食店経営者)

 都内繁華街のスナック経営者も言う。

「お酒やコースターなどの備品を大量買いし、店のグッズまで作って経費にしました。とにかく時間があったから、情報収集として飲み歩いた支払いも接待交際費として100万円ぐらい計上した。その他、ふるさと納税をしたり、ありとあらゆる対策を講じました」

 こんな涙ぐましい努力をしながら、夜の街の住人たちは総じて、第三者からやっかみ交じりの誹謗中傷を浴びせられても現実を直視。「協力金」が決して利益を生むものではないと、早い段階から理解していたのである。

 ところで、これが複数店舗などを経営する事業主の場合はどうだったのだろうか。都内に3店舗を持つ飲食店経営者に聞いてみた。

「うちの場合はもともと法人で、アルバイトは別として、10人弱のスタッフを従業員として雇っている。それだけに、家賃以外に給与など固定の経費は変わらず払っているわけで、個人のお店とは様相が違ってくる。(新型コロナ特例)雇用調整助成金やコロナ持続化給付金などはもちろん、コロナ予防のための店内整備(抗ウイルスなど)補償など、できる限りの申請は全てした。それでもコロナ禍中、2回、私個人の貯蓄を切り崩して店舗を維持しました。従業員の年金負担などもあるわけだしね。はっきり言って儲かっていた店なので、休業要請は本当に厳しかった。もっとも、固定経費がかかったおかげで個人の店ほど課税額が上がるということはなかった。不幸中の幸いと言えばそのくらいかな」

 結論を言えば、国が飲食店などに支払った協力金は生かさず殺さず程度。ちょうどいい塩梅の額と言えたのかもしれない。もっとも、業績がよかった事業者ほどダメージが大きいことに変わりはない。要するに世間が思うほど、国は飲食店に甘くはなかった。事業主たちが愚痴をこぼすのも理解できよう。

*「週刊アサヒ芸能」7月14日号より

マイコメント

何ともはや協力金はただの見せ金だったのか?
と思うくらいです。

確かに現行の税法や社会保障費においては今回の記事の通りだが、それにしてもこれほど
後から取られると協力金はいったい何だったのか?と思います。

協力金が支払われた当時ネットではかなりうらやむ声が多かったと思いますが、後から
これだけ回収されるとは羨んだ人にも予想できなかっただろう。

と言うより、政府は最初からこれだけ回収できると見ていた節があり、それならばいっそ
協力金や補助金ではなく全額上げる形の方がよかっただろうと思います。
最も財務省からすればとんでもないという言い分になるだろうが、そもそもコロナ課を
演出したのは政府だから当然上げるべき筋合いのお金だったと思います。

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