ヨーロッパに数十年ぶりの寒波が迫る中、「ロシアから欧州への最後の天然ガスパイプライン」が完全に停止する見込み

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送電線 エネルギー

ヨーロッパに数十年ぶりの寒波が迫る中、「ロシアから欧州への最後の天然ガスパイプライン」が完全に停止する見込み

完全に停止したら凍え死ぬ人が続出するだろう

最後のパイプライン

ヨーロッパの産業と生活は、長くロシアからもたらされる天然ガスなどのエネルギーに依存して繁栄してきていましたが、対ロシア制裁以降、その状況は変わりました。

4月に、ロシアからポーランド経由でドイツに天然ガスを供給していたヤマルパイプラインでの供給が停止。その後、ロシアからヨーロッパへ天然ガスが送られていた最大のパイプラインであったノルドストリームが何者かに破壊され(ロシアは英国の行為だと指摘しています)供給が止まりました。

現在、ロシアからヨーロッパに天然ガスが供給されているのは、ウクライナとモルドバを経由してのパイプラインだけでした。


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米ブルームバーグは、この最後のパイプラインの供給を「ロシア側が停止する」可能性を報じていました。このパイプラインが停止されれば、ヨーロッパはロシアからの天然ガス供給の正常な供給のルートがすべて断たれます(正常ではない中国経由のルートは生きていると思いますが)。

ヨーロッパ各国は、春以来、天然ガスの備蓄を急いで行い、11月21日の時点で、天然ガスの備蓄レベルは 95%に達したと報じられています。

しかし、それでも、たとえば、ドイツの経済相は、

「ドイツのガス貯蔵施設は現在 90% 近く埋まっているが、冬が過ぎると枯渇する」

と述べたことが報じられています。

(報道) ドイツの天然ガス貯蔵量は、冬の2ヶ月半分しかないと経済相が述べる (2022/09/20)

 

国際エネルギー機関も、今年 7月、ヨーロッパの天然ガス貯蔵率が 90%に達しても、

「来年 3月までに枯渇する」

と予測を述べています。

ロシアからの天然ガス供給が再開しない場合の欧州のガス貯蔵レベルの予測

国際エネルギー機関(IEA)

[記事] 終末の始まり : ロシアのガスプロムが「不可抗力により、ドイツへのガス供給を無期限に停止する可能性」を通告。国際エネルギー機関の見通しでは、来年3月までにヨーロッパのガス貯蔵量はゼロに
 In Deep 2022年7月19日

モルドバ経由の最後のパイプラインの供給停止がおこなわれた場合、ロシアからのガスはほぼ完全に遮断されることになります。

 

なお、この冬は、今のところ日本も暖かいですけれど、ヨーロッパもとても暖かかったのです。

しかし、暖かい冬が終わるようです。

ヨーロッパに 12月初旬頃から相次いで「大寒波」がやってくることが予測されていることが報じられています。

平年の気温を大幅に下回る日々が続くと予測されているようです。

また、12月初旬の寒波は、ヨーロッパ全体から北アフリカにまで広がるもので、専門家の中には、「過去数十年、見たことがない」という人もいました。

12月6日の予想気温

Heinrich Leopold

この予想を見ますと、欧州全域がかなり低い気温に見舞われるようです。

ロシアもかなり気温が下がるようですが、隣国ウクライナも氷点下の厳しい寒さが続くことが示されています。

ウクライナは国土の半分のエネルギーインフラが停止していると報じられていまして、暖房供給も難しい地域がありそうです。

その中での天然ガスの供給の完全な停止となる見込みです。

報道をご紹介します。



西側への完全なガス封鎖の前触れ:モルドバへの供給を制限するガスプロムの警告に関するブルームバーグの報道

Предвестник полной блокады Запада: Bloomberg о предупреждении «Газпрома» ограничить поставки в Молдавию
InoTV 2022/11/22

ロシアの天然ガス大手ガスプロムは、モルドバに送られたガスをウクライナが持ち去ったと非難した。したがって、ロシアは現在、この方向への供給を減らすだろうとブルームバーグは指摘する。これが、ガスのヨーロッパへの最後の供給ルートであることを考えると、ヨーロッパへの天然ガス供給が完全に停止する恐れがある。

ブルームバーグの報道によると、ガスプロムはウクライナ経由のヨーロッパへのガス供給を削減すると述べている。これは、寒波がヨーロッパの人たちに備蓄されているガスの使用を余儀なくさせている、まさにその瞬間に起こっていることだ。

ウクライナを経由したルートは、ロシアのガスを西ヨーロッパに届ける最後のパイプラインだ。専門家たちは、この供給量も制限されるという予測を長い間持っており、そのためにガスを準備してきたため、このニュースの後でも、天然ガスの先物価格はわずか 2%しか上昇しなかった。

ガスプロムは、モルドバ向けのガスについて、11月28日からガスの輸送量を制限すると警告した。

しかし、特にロシアと西側諸国の間で協定に関する論争が続いていることから、この状況が、「制限」にとどまらず、このルートを通るガス輸送の完全な停止につながる可能性があることをヨーロッパ諸国は恐れている。

専門家たちによると、ヨーロッパのガス貯蔵施設は現在通常よりも多く備蓄されているが、ロシアからの天然ガスの供給が完全に止まった場合、この冬はヨーロッパの人たちにとって困難になると予測されている。

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