タイタニック号、驚きの3Dスキャン技術で鮮明によみがえる。残された謎の解明に期待

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タイタニック おまけ

タイタニック号、驚きの3Dスキャン技術で鮮明によみがえる。残された謎の解明に期待

 1912年4月に、北大西洋の海底に沈没したイギリスの豪華客船「タイタニック号」。その沈没の謎は、いまだ正確には解明されていない。

 だが、111年の年月を経た今、初の実物大3Dスキャンが作成された。

 深海マッピングを使用して作成されたフルサイズのデジタルスキャンは、水を抜いた状態のタイタニック号を鮮明に見ることができる。

 今後の調査において、世界で最も有名な難破船の謎を解明する手がかりになることが大きく期待されているという。

タイタニックの実物大を3Dスキャンで作成

 イギリス・サウサンプトンからアメリカのニューヨークへの処女航海中だったタイタニック号は、1912年4月14日に北大西洋上で氷山に座礁して海底に沈没し、乗船していた船員と乗客1,500人以上が死亡したと伝えられている。

 1985 年に難破船が発見されて以来、多くの専門家が広範囲にわたり調査をしてきた。

 しかし、船があまりにも巨大なため、深海の暗闇の中でカメラによって撮影しようとしても、朽ち果てた船の魅惑的なスナップショットになるだけで、その全体を映すことは不可能だった。

 去年、ある調査チームは船の高画質映像を公開し注目を集めたが、今回、別の調査チームは初めての実物大3Dスキャンを作成した。

 この新しいスキャンで、難破船の全体像が捉えられ全貌が明らかになった。
 大西洋の深さ 3,800 メートルに沈むタイタニック号は、深海マッピングを使用して作成されていて、まるで水を抜いたかのように見える。

 タイタニック号の分析調査をしているパークス・スティーブンソン氏は次のように語っている。
この船に関しては、まだ答えるべき疑問や基本的な疑問が残っています。

このモデルはタイタニック号の物語を憶測ではなく、証拠に基づいた研究に向けて推進するための最初の大きなステップの一つとなります。
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2022年にプロジェクトを開始

 この3Dスキャンは、深海マッピング作成会社マゼラン社と、このプロジェクトに関するドキュメンタリーを制作しているアトランティック・プロダクションズによって、2022年夏に実施された。

 専門船のチームによって遠隔操作された潜水艇が、沈没船の長さと幅の調査に200時間以上を費やし、あらゆる角度から70万枚以上の画像を撮影して、正確な 3D 再構成を作成した。

 この遠征計画の主導者でマゼラン社のゲルハルト・ザイフェルト氏は、「今までで最大の水中スキャンプロジェクト」だと述べている。
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現場には、潮流もありますし、深さ約4,000メートルでの調査は困難を伴うものでした。

私たちは、沈没船に損傷を与えないよう、触れることを一切禁じられていたので、十分気を付けなければなりませんでした。

また、1 平方センチメートルごとにマッピングしなければならないことは、もう1つの大変な課題でした。
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非常に詳細な3Dスキャンが作成された

 実物大というサイズ以外に、チーム一同が苦戦して撮影した画像スキャンには、プロペラのシリアル番号といった非常に細かな詳細も表示されている。

 船首と船尾は約 800 メートル離れ、2 つの部分に分かれている。壊れた船の周囲には、巨大な瓦礫が広がっている。

 現在、船首は錆びた鍾乳石で覆われているが、沈没してから111年経った今でも、すぐにそれと認識できるようだ。

 頂上にはボートのデッキがあり、ぽっかりと空いた穴から、かつて大階段があった場所の空洞を垣間見ることができる。
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 だが、船尾は船が海底に突き刺さった際に、崩壊していて金属がむき出しになってめちゃくちゃな状態になっているという。
 
 また、周囲の瓦礫地帯には、船の装飾的な金属細工、彫像、未開封のシャンパンボトルなどの物品が散乱している。

 堆積物の上には、数十足の靴を含む個人所有物もあるそうだ。

沈没の謎の解明に期待

 タイタニック号を長年研究してきたパークス・スティーブンソン氏は、最初にスキャン画像を見たとき「衝撃を受けた」と語った。
潜水艇からは決して見ることのできない沈没船の全体像を見ることができるということは、状況や視点を全体的に見ることができます。

3Dスキャン画像は、沈没船の本当の状態を目にすることができるのです。
 同氏は、このスキャン画像を研究することで、1912 年の運命の夜にタイタニック号に何が起こったのかについて、新たな洞察が得られる可能性があると述べた。
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私たちは、氷山との衝突の特徴を本当に理解していません。これまで上映された映画で示されているように、氷山に船の右舷側が衝突したかどうかさえわかりません。

ですが、船尾を研究すれば、船が海底に衝突した仕組みが明らかになる可能性があるでしょう。(スティーブンソン氏)
 現在、沈没したままの難破船は、海水や微生物によって損害を受け、部品は崩壊しつつあるため、歴史家はこの海難事故を完全に理解するには、時間があまりないと口にしている。

 だが、今回のスキャンにより、沈没船の細部まで精査できるようになる。

 タイタニック号の沈没の秘密が解明される日は、もしかしたらもうすぐそこまで来ているかもしれない。

マイコメント

先日の報道で知られているタイタニックの見学ツアーで5人が死亡した事件が記憶に新しい
と思いますが、潜水艇は水圧で押しつぶされぺしゃんこになっていたことは発見後の映像で
おわかりかと思います。

乗っていた5人は超富裕層と言う人たちでこうした危ない冒険を死を顧みず行うようでした。

タイタニック号の残骸がある場所まで潜水艇タイタンで向かうツアーをOceanGateが提供し
始めたのは、21年のことである。不幸な結果に終わった直近のツアーの場合、座席は1人
あたり25万ドル(約3,500万円)だった。

OceanGateの場合は、両方の側面があったようだ。OceanGateはタイタニック号を見学す
るツアーを単独で提供する旅行業者であり、しかもタイタンは水深12,500フィート
(約3,810m)に到達できる数少ない有人潜水艇のひとつだったので、チケットは安くは
ない。

これに対して潜水艇の内部は豪華とはほど遠く、沈没したタイタニック号の残骸までの潜水には相当なリスクが存在した。OceanGateの権利放棄条項の1ページ目には、「死亡」について3回にわたって言及されている。それにタイタンは外側から施錠される構造だったので、浮上した後も内部の人間は限られた量の酸素で生き延び、潜水艇から出るには外部の人間に頼らなければならない。しかも操縦には改造されたゲームコントローラーを使っていた。

「安全だなんていう幻想は、どの乗客も抱いてなかったでしょうね」と、マウンテンは言う。「それが魅力のひとつなんです。タイタニックの残骸への道のりは非常に困難で、訪れる行為は危険であり、そして謎に包まれています。しかも、そこにたどり着いた者はほんのわずかなのですから」

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの准教授で行動科学を専門とするグレース・ローダンは、危険な探検はスリルを求める実業家にとって贅沢品に取って代わる存在なのだと指摘する。「幸福を決めるのは往々にして『喜び』と『目的』なんです。かつては物品の購入と慈善活動がそれらをもたらしてくれました。長い年月が経ちましたが、富の再分配はいまだに『目的』を与えてくれます。一方で、『喜び』を獲得することは難しくなっているのです」

以上→なぜ富裕層は“危険”を求めるのか? より

いずれにしても無謀な挑戦だったと言えます。

船の耐圧を十分検証しておらず、今回は乗船前に大きな値引き条件を提示されて乗船を許諾
したようです。

果たして潜水艇の提供した会社に損害賠償の話が出ているのか?
今のところそうした話が出てきていないので、これも計画のうちなのだろうか?

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