今の状態が続けば国家備蓄の原油に頼っても7・8月が限界!
今回は、イラン戦争を見ていて私が気になった話題を3つほど述べたいと思います。
○成功体験がもたらすもの……
日露戦争末期、日本海軍はロシアのバルチック艦隊を完膚無きまでに叩きのめし、日本側の勝利が決定しました。
当時は、重装甲で巨大な戦艦に大口径の主砲を搭載した方が有利といった大艦巨砲主義の時代でした。
その成功体験を引きずった日本海軍が太平洋戦争において、戦争資源を集中して造ったのが巨大戦艦である大和であり武蔵です。この時期には、戦闘の趨勢は戦闘機が空中で戦うドッグファイトに移っており、すでに大艦巨砲は時代遅れとなっていました。
しかし悲しいかな、日本海海戦の成功体験が日本海軍の判断を狂わせてしまったのでしょう。
同じことが、今回のイラン戦争で起きているように見えます。
戦闘機のドッグファイトが雌雄を決した第二次世界大戦では、その戦闘機を戦地で運用する巨大空母が有利でした。イラン戦争前、アメリカは原子力空母11隻を中核とする11個の空母打撃群を保有・運用する断トツで世界一の軍事国家と見られていました。
それゆえ、イラン戦争が始まる前までは、アメリカがベネズエラで成し遂げたように、容易にイランを屈服させると予想する向きもあったようです。
しかしいざ戦争が始まってみると、戦闘の主役は戦闘機から超音速のミサイルとドローンに移っていました。
巨大空母はドローンの恰好の標的でしかなく、現在のアメリカの空母打撃群はイラン周辺の戦闘海域に近づくことすらできていません。
レーダーから見えないはずのF-35戦闘機は、イランのミサイルによって撃ち落されました。
鉄壁を誇ったはずのイスラエルのアイアンドームは、ドローンの波状攻撃と、マッハ10を超える超音速ミサイルの前では無力でした。
アメリカは、自分達の主力兵器がすでに時代遅れとなっていることの認識が無かったのだろうと思います。これも第二次世界対戦での成功体験のせいだったのかもしれません。
イラン戦争のこれまでの経過を、吉田繁治さんのメルマガから抜粋して紹介させていただきます。
・・・<「吉田繁治さんのメルマガ」、Vol1624から抜粋開始>・・・
■1.イラン側には戦争の準備があった
イランは、長距離の弾道ミサイル数千機と、数万の長距離・近距離のドローン爆弾を製造して準備していた。イスラエルと米軍の想定を、はるかに超えるものだった。山脈の地下工場で作っていた。空撮では見えなかった。
弾道ミサイルには、音速の13倍~20倍で飛ぶ、イスラエルや米軍のミサイル防衛網を突破するものもあった(ファッターハ)。小型のドローン爆弾は一機400万円くらいで製造ができる。月産の製造能力は1万機、1年では12万機という。
ミサイル防衛網は1対1で迎撃する。10機のドローン爆弾が襲うと防御できない。米軍のミサイルは1機約4億円とドローン爆弾の100倍高い。イスラエル・米軍とイランは、「非対称戦争」を戦っている。
米軍が世界1を誇る空母は超音速ミサイルとドローン爆弾には無力であるから、ミサイル到達の圏外にいる。戦闘が長期化すれば、100%イランが勝つ。
イスラエルと米軍は、使えるミサイル在庫が枯渇している(26年4月12日)。
地上戦は米軍の犠牲者数が大きくなるから戦えない。
米軍の中東で使えるミサイル在庫は枯渇し、NATOやアジア(日本・韓国)の基地から運んでいる。アジアから中東までは、戦艦や空母で直行しても2、3週間かかる。トランプが「停戦2週間」と言っているのは、東アジアの軍とミサイルの到着を待つためだろう。戦争は、兵器のロジスティクスが決める。
・・・<抜粋終了>・・・
吉田さんは、イランが戦争の準備をしていたと述べていますが、それに関して「Cocomi Channel」さんの動画で面白いことを言っていました。
オトリの兵器をデコイと言いますが、イランはアメリカに爆撃されることを想定して、巧妙なデコイを軍の基地に配置していたといいます。
例えば、飛行場の地面に航空機の絵を描くといったことです。アメリカの軍事衛星から見ると本物の航空機に見えてしまい、そこを精密誘導ミサイルで攻撃させたといいます。ただし最新の軍事衛星では、厚みまでの識別できる能力があるので、中国から輸入した戦車や装甲車を模した風船なども配置していたといいます。
アメリカとイスラエルは、初日に圧倒的な量の爆撃を行い、イランの兵器の大半を無力化したと信じていたかもしれません。ところがそれは巧妙に擬装されたデコイであって、イランの本当の武器は空爆を逃れるべく、地下深くに収められていたようなのです(注1)。
ですからトランプ大統領は、初回の空爆後、イラン兵器の大半を破壊したと思い込んで、イランの制空権を得たと発表したのかもしれません。
ところがその後、イラン上空を飛んでいたF-15、ステルスのはずのF-35、さらにC-130輸送機などが次々と撃ち落される事態に慌てるハメになったようです。
ところで、吉田さんはアメリカは地上戦ができないと言っていますが、私は地上戦を行う可能性はゼロではないと思っています。
それに関しては後述します。
(注1)
ただしイランがロシアから輸入した地対空ミサイルのS-300、S-400は、戦争初期のイスラエルとアメリカの爆撃によって、大半が無力化されたという情報もあります。イランが地下深く温存していたのは、自国製の地対空ミサイルだったのかもしれません。
○日本のXデーは8月中旬!?
高市首相は4月7日の記者会見で、年を越えて原油の供給を確保できるめどがついたと説明しました。
また、木原官房長官は、ナフサ(石油製品の原料)に対し、「少なくとも4ヶ月分は確保している」と述べました。
本当にそうでしょうか。
産業界の現場では、ナフサが足りないと悲鳴が上がっているという話が聞こえてきます。
私は、政府の発表は、かなり盛っているのではないかという気がしています。
・・・<「吉田繁治さんのメルマガ」、Vol1624から抜粋開始>・・・
■6.日本の原油備蓄の罠
日本の政府は「200日以上の備蓄がある」と強調している。200日以上の備蓄があるから、備蓄の取り崩しで「年を越せる」と政府は言う。
ところが・・・実態としては「原油の全在庫」と「石油化学原料(ナフサ)の可用在庫」には決定的な乖離がある。
▼(1)備蓄統計の「数字の罠」
政府が発表している「232日分(2026年4月3日時点)」という数字は、日本国内に存在する原油・製品の総量である。
・国家備蓄: 146日分(地下岩盤タンク等にあり、取り出しに時間がかかる)
・民間備蓄: 80日分(製油所のタンクやタンカー内にある)
・産油国との共同備蓄: 6日分
限界: 民間備蓄の80日のうち、約半分は「タンクの底」や「配管内」に常に残さなければならない死蔵在庫(デッドストック)である。市場へ供給できるのは40~50日分程度しかない。備蓄タンクや配管はカラにはできない。
4月に備蓄放出を開始したとしても、米国等からの代替調達が遅れれば、「8月」には実質的な稼働在庫が底を突く。「政府は日数200日以上を誇示するが、『死蔵在庫』を含んでいる。石油化学の心臓部であるナフサの血管は、120日分(4ヶ月)の血流しか持たず、およそ8月には鼓動が止まる。
▼(2)ナフサの「4ヶ月(120日)の壁」
原油より、ナフサが先に限界を迎える。
i)輸入依存度: 日本のナフサ消費量の約7割は輸入である。
多くが中東に依存しており、ホルムズ海峡封鎖の直撃を受ける。
ii)国内生産の限界: 残り3割は、国内の製油所で原油を精製する際に出るが、原油の輸入が止まればこの3割も消える。
iii)在庫状況: 石油化学業界の「稼働在庫」は通常1~2ヶ月分。国家備蓄の原油を精製してナフサを取り出すには、全国のコンビナートをフル稼働させる必要がある。物流や電力不足が重なれば精製効率は落ちる。
▼(3)中東の肥料も途絶
世界の35%くらいを輸出する中東肥料の途絶も、世界の食糧問題を大きくする。世界の肥料は、価格が50%上がった(26年4月)。
農業収穫量が減り、農産物の価格が全部高騰する。世界的な飢餓の問題にもなる。
ナフサや肥料の価格が上がるだけならまだいい。払えば輸入できる。
しかし中東からの輸入が途絶すれば、原料が不足し生産が停止する。
ホルムズ海峡封鎖とエネルギーコストの影響は、食糧、衣料、住まいの建材から、機械、車、電子機器まで全商品に及ぶ。物流コスト、電気、ガス代も上昇する。
世界の貿易財であるコモディティ(エネルギー・金属資源・食糧)の価格指数は、4月で、2月比20%上がっている。
■7.「8月」の根拠
2026年の3月下旬から、中東から日本に来るタンカーは途絶えている。
海上にあったタンカー在庫が着くのが、4月中旬である。
そこから国内在庫を食いつぶすと、「4ヶ月(120日)」が経過する8月に、化学プラントの稼働を維持するための最低ラインを下回るという予測が、市場関係者(SMBC日興証券など)から出ている。
【ナフサのマージンの急騰】
2026年3月末時点で、アジアのナフサ価格は、原油価格との差(スプレッド)が1トンあたり400ドルを突破するという異常事態を見せている。
仮に「原油1バーレル150ドル(海峡の封鎖が長期化したとき)」が現実となれば、ナフサ価格は連動して跳ね上がり、プラスチック製品のコストは数倍になる。
単なるインフレではなく、製造すればするほど、赤字になる「逆ザヤ」状態を招き、8月を待たずに、企業が自主的に生産を止めるリスクも示唆する。
・・・<抜粋終了>・・・
「Cocomi Channel」のショウさんは吉田さんより詳しく原油の在庫を調べていて、そのショウさんの予測では、5月中旬頃からスーパーでポツポツと欠品が目立つようになり、8月中旬からは日本各地で計画停電が実施されるようになるといいます。
もちろん日本の中枢である東京や大阪のような大都市では計画停電は極力避けられるでしょうが、私が住む長野のような田舎では、先駆けて行われるかもしれません。
日本政府は、人々がパニックにならないように安心させるような発表ばかりをして、本当の危機を伝えていないのです。
ショウさんは、日本政府には裏の思惑があるといいます。
それはショック・ドクトリンと言われる手法で、突然、電気、水道などのインフラが途絶えて人々をパニックに陥れて、精神的なマヒ状態を作り出します。そうして国民を思考停止状態にもっていき、そのスキに憲法を改正して緊急事態条項を盛り込むといったことを企んでいるといいます。
その可能性は否定できません。
本来であれば、韓国のように国民に本当のことを伝え、国民一丸となってエネルギーの節約に励むのが本筋です。
ところが日本では、ガソリンに補助金を出し、「備蓄があるので、今まで通り使って下さい」という態度を通しています。これでは、ある日突然エネルギーが無くなり、国民をパニックに陥れる算段だと疑われても仕方ありません。
参考までに、日本で本当に何が起こっているかを示す動画を貼っておきます。
積水化学建材製品30%値上げ・・・一日一日状況が確実に悪化している令和のオイルショックに関する口コミを20件紹介します[ナフサ不足]
政府の発表のおかげで人々はのんびりムードですが、すでに企業は追い詰められています。
こんな状態なのに、日本政府は「大丈夫です」と言い続けているのです。何か裏があると思うのが自然でしょう。
○気になるシナリオ
欧米の専門家に多い見方らしいのですが、トランプ大統領は認知症を患っており、それが背後で操るDSに上手く利用されているのではないかといいます。
確かに、10分前に言ったことと真逆のことを堂々と述べたり、(以前は無かったのですが)世界一の超大国の大統領に相応しくない過激すぎる発言や、品性下劣な発言が目立ってきました。
そうしたトランプ大統領を見ていると、錯乱しているとか、認知症を患っているという話はリアルに聞こえてきます。
私の理解ですが、認知症によって正常な判断ができなくなったというより、去年(2025年)の6月から闇堕ちし、DSによる大イスラエル計画に捕り込まれてしまったと思っています。
しかし、「そうではない。トランプ大統領はアメリカのドル覇権を守る為に戦っている」という見方があるといいます。
「ヤスの備忘録」のヤスさんの動画で、興味深いシナリオが紹介されていました。ヤスさんは、「びっくりシナリオ」と表現されていますが、以下の動画で「シナリオ4」として紹介されています(12分あたりから)。
米軍地上侵攻、第4のシナリオ
この「第4のシナリオ」を端的にいうと、アメリカは今後西半球を支配下におき、世界のエネルギー供給の多くを担い、石油をドルで売ることでドルの基軸通貨体制を守るというものです。
その為に、中東の石油施設を壊滅的に破壊する必要があるというのです。
イランに戦争を仕掛ければ、イランはホルムズ海峡を封鎖すると伴に、中東湾岸諸国の石油関連施設を攻撃することは目に見えていました。
それをあえてやらせたというのです。
石油関連施設が破壊されてしまえば、今後何年にも渡って、中東の石油は世界に供給できなくなります。
そうなると、石油の産出量で世界一のアメリカは、世界の石油供給大国として君臨することになります。その決済代金はドルのままですから、ドルの基軸通貨体制を続けることができます。
すでに中東ではイランだけでなく、サウジアラビアもドル離れを起こしていて、いずれドルで決済をしなくなることは目に見えていました。そうであるなら、いっそのこと中東諸国の石油関連施設を丸ごと破壊してしまえ、というわけです。
私は、「なるほどなあ。そんな考え方があるのか……」と感心してしまいました。
もしこのシナリオが本当なら、中東諸国の石油関連施設を完全に破壊するべく、アメリカはイランに地上戦を仕掛けることになります。
アメリカはその地上戦で勝利する必要はありません。
地上戦の報復としてイランが中東諸国の石油関連施設を100%破壊してくれれば、目的を達成することになります。
ところが一方で、アメリカ国内にトランプ大統領の暴走を止めようとする動きがあるようです。
ベンジャミン・フルフォード氏の最新のメルマガから抜粋させていただきます。
・・・<「ベンジャミン・フルフォード氏のメルマガ」、VOL842から抜粋開始>・・・
先週、複数の筋から「アメリカで軍主導のクーデターが発生した」との情報が寄せられた。直接の発端は、トランプ政権がイラン上陸作戦を軍に命じたことだったという。しかもトランプは暴言や嘘の発言を繰り返し、最近では「全面核戦争の勃発」や「イラン殲滅」などを示唆する過激な言動も目立っていた。そのため「トランプが正気を失った…」と判断して合衆国憲法修正第25条が発動されたのだという。
合衆国憲法修正第25条というのは、大統領が死亡や免職、辞職、心身の障害…などの理由で職務上の義務や権限を遂行することが出来なくなった時に備え、副大統領が大統領職を継承もしくは代行するための手続きを定めた条項だ。
その後にアメリカはイラン側の提案書を受け入れて2週間の停戦合意を結んでいる。
・・・<抜粋終了>・・・
合衆国憲法修正第25条は、副大統領と政権内の閣僚達の大半の同意がなければ発動しません。
ところが閣僚には、J・D・バンス副大統領、スコット・ベッセント財務長官、ピート・ヘグセス国防長官など、錚々たるDSと思われるのメンバーが揃っています(注2)。
そうしたDSの閣僚達は、イラン戦争を今後も継続したいと願っているはずです。
はたして、合衆国憲法修正第25条が発議されたとしても成立するのかという疑問も残ります。
合衆国憲法修正第25条が成立したのであれば、
・イランとの地上戦は行われず、トランプ大統領は病気(または死亡)という形で退くことになる。
成立しないのであれば、
・イランとの地上戦が始まり、アメリカ軍は大損害を受けると伴に、中東湾岸諸国の石油関連施設は完膚無きまでに破壊される。
と思います。
今後に注目です。
(注2)
アメリカの予言者ジョセフ・ティテル氏は、J・D・バンス副大統領はDSだと言っています。
ところが、「越境3.0」の石田和靖さんによると、バンス副大統領はパキスタンで行われたイランとの和平協議において、本気で戦闘終結を目指して努力していたといいます。あと一歩まで行っていた協議をぶち壊したのが、イスラエルのネタニヤフ首相の意向を受けたトランプ大統領の娘婿であるクシュナー氏とウィトコフ特使だったと言っていました。
(2026年4月17日)



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