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ナフサも重油も不足する日本で農家が厳しい状況にある中、アメリカで歴史的な干ばつが起きており、今年の収穫量が壊滅的になることで飢餓を加速させるおそれ

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干ばつ 食糧問題

ナフサも重油も不足する日本で農家が厳しい状況にある中、アメリカで歴史的な干ばつが起きており、今年の収穫量が壊滅的になることで飢餓を加速させるおそれ

アメリカの収穫量が減れば日本の輸入量が減り、食糧不足を招く

ナフサと重油

前回の記事では、今後の食料危機の原因の要素として、

・ナフサ由来の梱包資材の不足

などについて少し書かせていただきました。

これはもう、その記事で引用した防災アドバイザーの方の、

「米はあっても米袋がなくなる、お茶があってもペットボトルがなくなる、といった事態が想定されるのだ」

という言葉に凝縮されていますが、まあしかし、ここにある「お茶があってもペットボトルがなくなる」に関しては、どうやら、

「そのうちお茶自体が流通しなくなる」

という可能性さえもなくはない感じのようです。

こちらで、狭山茶の製造現場の取材をしていた報道記事をご紹介していますが、重油(茶葉を蒸したり、乾燥させる工程に使う機械を動かす)が不足していて、生産現場が止まってしまうおそれがあるそう。

生産現場の方は、残っている重油との兼ね合いで、

「あと 10日ぐらいは作れると思うんですけど」

とおっしゃっていまして、その後のことはわからないとのことでした。重油を確保できるかどうかもまったく不透明のようです。

重油は、いろいろな食品や飲料生産に使われるものですので、他の食品や飲料の生産現場でも同じような状況になっているところもあるのかもしれません。

なお、日本は、「アメリカからの原油」に期待しているようなのですが、重油に焦点を絞れば、結論的に、

「アメリカの原油は、その性質から重油の生産割合がきわめて低い」

ということが、フォーブスなどに書かれています。

なので、アメリカは世界一の石油産出国であるにも関わらず、重油を輸入に依存しているのだそう。

> 米国のメキシコ湾岸地域は長年、重質原油を輸入に依存してきた。だが、供給は劇的に逼迫している。メキシコでは、国内の原油生産量が減少した一方で精製能力が拡大したため、輸出は縮小した。ロシアへの制裁により、同国産の中重質油は米市場からほぼ姿を消した。 forbesjapan.com

そして、日本が長く依存してきた(そして、入ってこなくなった)中東の石油は、重油を生産しやすいのです。

> 中東の原油は、アメリカの原油など他の主要産油地帯の原油と比べて、一般的に「重質(重油)で高硫黄」な特性を持つため、重油や燃料油を生産しやすい。 minkabu.jp

やはり、中東の原油の代替というのは、ほぼ考えられない感じのようで、「さて、じゃあどうする」かといえば、今のままの状態ですと、「どうにもならない」わけです。

そのうち、お茶も作れなくなる。

前回の記事では、「プリンの容器(ナフサから作る)」が不足していて、プリンの販売を停止するメーカーの話にふれました。そのうち、コメや小麦粉の梱包もできなくなっていくかもしれません。

日常的な食べ物や飲み物がどんどん消えていく。

 

このあたりは、容器や梱包の材料、そして燃料としての石油由来の材料の話でしたが、

「食料そのものはどうなっていくのか」

というと、多くの食料を輸入に頼っている日本は厳しい感じです。

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アメリカの収穫量が壊滅的になった場合、日本は

例えば、「小麦」。

日本の小麦の調達割合は、年により変わるとはいえ、おおむね輸入が 9割です。

日本の小麦消費量割合 (2011年)

shimabara-soumen.com

その輸入先は、これも年により数字は多少変わるとはいえ、圧倒的に「アメリカからの輸入」となっています。

主要な輸入国の割合

shimabara-soumen.com

また、日本での動物用の飼料などとして使われるトウモロコシは、ほぼ 100%が輸入で、輸入先は、やはり圧倒的にアメリカです。


日本経済新聞

以下の記事では、そのアメリカのトウモロコシ農家の 40%が春の時点で、肥料を確保していないことを取りあげました。

アメリカのトウモロコシ農家の40%がいまだに肥料を確保できていない。日本のトウモロコシ輸入先の7割強はアメリカ
地球の記録 2026年4月16日

 

 

そして、それだけではなく、現在のアメリカは、過去にあまりないような歴史的な「干ばつ」に見舞われています。

アメリカの干ばつが416年前の「飢餓の時代」と呼ばれたときと酷似してきた模様
地球の記録 2026年4月19日

 

干ばつ状態は日に日に悪化していて、最新のアメリカ干ばつマップでは、非常に多くの地域が深刻な干ばつの渦中にあることがわかります。

おおむね、オレンジ以上が深刻な干ばつと考えてよく、赤や茶色の地域では、農作自体が難しくなるほどの干ばつ状態ともいえます。

2026年4月21日の時点のアメリカの干ばつマップ

droughtmonitor.unl.edu

まだ 4月でこの状況では、夏までにどうなるのかはよくわかりません。

もちろん、この先、大雨などにより状況が改善する可能性はあるかもしれないですが、仮にそれがなかった場合、農作全体にダメージが加わる可能性があります。

このアメリカの干ばつと今年の、特に冬小麦の収穫状況の予測について、米ブルームバーグが記事にしていまして、それをご紹介したいと思います。

 

先ほどの輸入率を見てもわかるように、アメリカの農作が大きくダメージを受けた場合、日本も影響を受けることになります。

AI (Gemini)によれば、「小麦やトウモロコシなどの収穫量が減少した場合、日本は非常に大きな影響を受ける可能性が高い」としていて、理由としては、以下のようなことになりそうです。

> 収穫量が減ると、当然供給不足となり、国際価格が高騰します。これにより、パン、麺類、食用油、加工食品、さらには畜産物(肉・牛乳)の価格に転嫁され、私たちの生活費に直接影響します。 Gemini

そして、

> 干ばつでトウモロコシが不作になると、飼料価格が高騰し、日本国内の畜産農家の経営を圧迫するため、豚肉や鶏肉、牛乳の供給不安定や価格上昇につながります。Gemini

とのことで、今年のアメリカの「大干ばつ」は、秋以降の日本への強い影響となって現れる可能性があります。

容器も作ることができない、梱包材もない、燃料(重油)もない、輸送も不安定な中で、それに加えて、「食料そのものの高騰や不足」の可能性もかなり出てきています。

米ブルームバーグの記事をご紹介して締めさせていただきます。

 


春の干ばつが深刻化し、米国の小麦作物は枯れ、家畜の数は減少している

US Wheat Crops Wither, Herds Thin as Spring Drought Deepens
Lauren Rosenthal, Erin Ailworth, and Ilena Peng 2026/04/25


オクラホマ州コーンの冬小麦。

グレートプレーンズ (北アメリカ大平原)一帯の農家は、冬小麦の収穫を脅かす深刻な干ばつに直面しており、畜産農家は高額な飼料の購入を余儀なくされ、一部の農家は牛群の拡大計画を断念している。

数週間にわたる少雨と晩冬の猛暑により、全米の穀倉地帯で大規模な牧草地火災が発生したため、干ばつは春まで続くと予想されている。

現在、ネブラスカ州とオクラホマ州のほぼ 90%が干ばつに見舞われておりネブラスカ州の半分以上が「極度の」干ばつ状態にある。こうした状況は、歴史的に畜産農家が家畜を売却したり、河川が干上がるため農家が新たな灌漑井戸を掘削したりすることを余儀なくさせてきた。

平原の農家にとって、これから数週間は重要な時期となる。

夏の収穫に先立ち、冬小麦が他の作物の植え付け前に成熟し始めるからだ。降雨や灌漑による十分な水分がなければ、小麦の芽は十分に成長せず、穀物の生産も困難になる。一部の農家は、穀物の収穫を試みる代わりに、牛を畑で放牧させるだろう。

「春の生育期に向けて、このような非常に厳しい状況の現代的な前例はたくさんあるが、これは間違いなくこれまで見てきた中で最悪の部類に入る」と、アメリカ農務省の気象学者ブラッド・リッピー氏は語った。

今春、平原の一部では断続的に雨が降ったものの、ラニーニャ現象による冬の降雪量の少なさと記録的な高温によって土壌から水分が奪われた後、地域全体としては異常なほど乾燥した状態が続いている。

その影響はすでに現れている。アメリカ農務省(USDA)のデータによると、日曜日 (4月19日)時点で米国の冬小麦の作柄で良好から優良と評価されたのは、わずか 30%で、これは 2023年以来の最低水準だ。

リッピー氏によると、この地域最大の生産地であるコロラド州、ネブラスカ州、オクラホマ州、テキサス州では、作柄の約半分が不良から非常に不良と分類されており、収穫量減少のリスクが高いことを示しているという

干ばつは、投入コストの上昇とも重なっている。米国とイスラエルによるイラン攻撃後、肥料価格が高騰し、一部の農家は施肥量を削減せざるを得なくなっている。オクラホマ州選出の共和党下院議員フランク・ルーカス氏は、州西部の小麦畑に窒素肥料を購入しないことにしたと述べた。

「水分が足りなかったのです。(肥料を与えても)効果はなかったでしょう」とルーカス氏は言った。「それに、費用がどれくらいかかるのかも分かりません」

干ばつが収穫量を脅かす前から、農家は経済的圧力にさらされていた。

それでも、世界の他の地域では穀物の供給が豊富なので、価格の上昇は限定的になる可能性がある。リッピー氏は、平原では「水分が切実に必要だ」と述べ、今後数週間の降雨量が 2026年の冬小麦の作柄を左右する可能性が高いと付け加えた。干ばつは食肉価格に影響を与える可能性は低いものの、米国の牛群の再建を遅らせると、記録的な牛肉価格の上昇を緩和する効果はほとんどないだろう。

救済策はすぐには訪れないかもしれない。乾燥をもたらすラニーニャ現象は終息したが、米国中部では、その対極にある温暖化をもたらすエルニーニョ現象が今夏後半に発生するまで、大雨は戻ってこない可能性がある。その頃には、冬小麦の収穫と種まきの時期は 終わりを迎えているかもしれない。

 

主要な小麦生産州にとって、2026年はここ数十年で最も暑く、最も乾燥した年となるだろう

アメリカ気候予測センターの予測によると、現在から 7月下旬にかけて、コロラド州東部とカンザス州西部で干ばつが拡大し、一部地域では降雨量が平年を下回り、気温が季節外れに高くなる見込みだ。

ネブラスカ大学リンカーン校の農業気象学者エリック・ハント氏は、この暖かさによって「大気中の水分需要が増加する」と述べている。 「蒸発散量が増えるため、地中からより多くの水分が失われる可能性があります」

シュタイナー・コンサルティング社の主任エコノミスト、アルティン・カロ氏によると、年初には、まだ出産経験のない若い雌牛(未経産牛)の競売による食肉供給網への供給量が減少傾向にあったという。カロ氏は、このデータは今後の繁殖計画の指標となり得ると付け加えたが、ここ数週間で干ばつが深刻化するにつれ、競売量は過去 2年間の水準まで回復した。

干ばつはあらゆることを後退させてしまいます」と、非営利団体ファーム・レスキューの現場運営マネージャー、ベン・スミス氏は語る。

「飼料を買う余裕がなかったり、代替飼料が見つからなかったりすると、農家は家畜の一部を処分するという厳しい決断を迫られることになるのです」

ファーム・レスキューは、オクラホマ州、カンザス州、ネブラスカ州で発生した火災で失われた飼料を補うため、寄付された干し草を届けたとスミス氏は述べた。ネブラスカ州畜産協会とオクラホマ州畜産協会という二つの主要な業界団体も、被災した牧場主を支援するための相互扶助基金を設立した。

「囲いや柵の再建には、時間とお金がかかります」とネブラスカ州畜産協会会長のクレイグ・ユーデン氏は述べ、数千マイルに及ぶ牧草地の柵が火災で焼失したことを指摘した。

交換費用は通常 1マイル (1.6km)あたり 1万ドル (約 160万円)を超え、消費者価格には反映されなくても牧場主の収入を圧迫する。

「人々が本当に必要としているのは、種子、干し草、耕うん機、そして牛の移動を助けるための機材です。なぜなら、多くの牛が夏の間、新しい住処を探さなければならないからです」


 

ここまでです。なお、アメリカでも日本同様、農家の倒産が増加していることが報じられています。

今年の厳しい状況では、さらに増加するのかもしれません。

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