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カニの配達で、宅配員「軽いな…?」代金引換で配達すると、現場で感じた“違和感”とは…?

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カニの通販 社会問題

カニの配達で、宅配員「軽いな…?」代金引換で配達すると、現場で感じた“違和感”とは…?

心当たりはないけれど受取人の名前は私で合っているから・・・。

皆さまこんにちは。元宅配員のmiakoです。

届いた荷物を受け取るとき、差出人に見覚えがなくて戸惑ったことはありませんか?

住所も名前も合っているのに、どこから来たのかがわからない。
そんなとき、受け取っていいものかどうか、少し不安になりますよね。

今回は、代金引換(コレクト便)で届いた荷物をめぐって、配達の現場で起きた出来事をお話しします。

「心当たりがない」というたった一言が、思わぬトラブルを防いだ、そんなエピソードです。

心当たりがないのに、お金を払おうとしていた

ある日、コレクト便の荷物を届けに行く前に、お届け先へお電話をしました。

宛名を見ると、女性のお名前でした。
日中にご在宅の可能性があると思い、訪問前にご連絡を入れることにしました。

電話に出てくださったのは、お声からご年配と思われる女性の方でした。

「宅配便です。○○A子様に代金引換のお届け物が届いておりまして、この後お届けに行きたいと思うのですが」
「え?代金引換?それはどこから?」
「差出人様は▲▲商店様で、1万円のお品物です」
「▲▲商店?うーん、心当たりがないけどねぇ。でも○○A子は私だから、持ってきてくれる?」

名前と住所は合っている。ご本人も受け取る気でいらっしゃる。

しかし、「心当たりがない」という言葉が、どうしても気になりました。
以前、よく指導してくれた先輩が教えてくれた言葉があります。

「お年寄りを相手に、コレクトで騙す会社があるから気を付けて。はっきり『自分が頼んだ』って言ってくれる人以外は、すぐには配達しないで一回持ち戻ってくること。特に代引きは、ご家族に立ち会ってもらった方がお客さんも自分たちも安心だから」

その言葉が頭をよぎり、すんなり届けていいものかという気持ちが残ったまま、お客様の家へ向かいました。

両手で抱える箱なのに、片手で持てるほど軽かった

お客様の家に到着し、冷凍保管庫から○○様の荷物を取り出しました。

発泡スチロールの箱で、40cm四方・高さ10cmほどのサイズです。
両手でしっかり抱えて持つくらいの幅があります。伝票の商品名欄には「カニ」と記載されていました。

ところが、持ち上げた瞬間、違和感だらけでした。

驚くほど軽いのです。
両手で抱えるサイズなのに、片手でも十分持てるほど軽い。

さらに、箱を少し傾けると、中でゴロゴロと何かが転がる音がしました。
それほど大きな箱なのに、あまりに重さがなさすぎます。

テープでしっかり封がされているため、中を確認することはできません。
その違和感に追い打ちをかけるのが、伝票に記された「一万円」という金額と、添えられた領収書。

実物を見なければ、価値は分かりません。
しかし、違和感の多さに「これは本当にカニが入っているのだろうか」という疑念は、拭えないままでした。

「ご家族がいる時間帯に、もう一度来ます」

お届け先に到着すると、チャイムに応じて出てきてくださったのは、80代くらいの女性の方でした。
おうちの中は静かで、他のご家族の方の気配はないように思えました。

「今日は他にご家族の方はいらっしゃいませんか?」
「夕方に娘たちが仕事から帰ってくるけど、それまでは私一人で留守番だよ」
「先ほどのお電話でも、▲▲商店様にはお心当たりがないとおっしゃっていましたが、お心当たりはないということでよろしいですか?」
「ないと思うよ。最近何か頼んで無いしね。でも私の名前になってるんでしょう?お金払うわよ」

そう言って、お財布から1万円を取り出そうとなさっていました。

「いえ、こちらはご家族とご一緒に受け取っていただいた方が確実だと思いますので、一旦持ち戻りますね。夜の時間帯にもう一度お伺いします」
「でも、せっかく来てくれたのに悪いわよ」

お客様は少し不安げな様子でした。

「もしここでお金を払った後に、やっぱり頼んでいなかったと判明しては遅いので、ここは一度お預かりしますね。別のお客様で、心当たりがないのに受け取ったら、ご家族に怒られてしまったという方もいらっしゃいますので、夜、ご家族とご一緒にご確認された方が、皆さんも安心なさいますよ」

その言葉に少し思い当たるところがあったのか、○○様はお財布をそっと閉じてくださいました。

「それでは、18時過ぎにまたお伺いします」

そうお伝えして、荷物を持ったまま○○様のお宅を後にしました。

夜、ご家族も受け取りを辞退した

夜の時間帯は、別の宅配員が担当します。

昼間の状況、荷物を持ったときの違和感、夜にご家族立ち会いで再確認をお願いしたいことを、しっかり引き継ぎました。

その後、担当した宅配員に確認したところ、ご家族も同様に不審に思われ、受け取りを辞退されたとのことでした。
荷物は「お客様心当たりなし」という理由をつけて、発送事業者へ返送となりました。

そして後日、この一件が「カニカニ詐欺」と呼ばれる、コレクト便を悪用した「送り付け商法」という悪質商法の可能性が高いことが判明しました。

代金引換便を扱うには、宅配会社との加盟店契約と審査が必要です。
その信頼の仕組みを逆手にとり、「審査を通った事業者からの荷物なら安心」という心理を利用した悪質な手口です。
宅配業者もまた、知らぬうちに利用されていたことになります。

▲▲商店のその後がどうなったのかまでは分かりません。
ただ、私自身はその後、その名前を見かけることはありませんでした。

送り付け商法から身を守るために知っておきたいこと

差出人や届いた品物に覚えのない荷物は、受け取らないのが一番です。
代引きであれば、財布を開ける前に一旦冷静に考えることができます。

しかし、送り付け商法の被害は、コレクト便だけではありません。
代引きではない荷物で届くケースもあり、この場合は、詐欺かどうかの判断が難しくなります。

元払いで届いた荷物を開封したら、心当たりのない商品と一緒に振込用紙が入っていた、というケースもあります。
また、荷物を受け取った時には振込用紙は同封されておらず、後になって振込用紙が送られてきた、というケースも少なくないようです。

受け取ってしまった以上、支払わなければいけない、返品するには手数料や送料がかかってしまうかもしれない。
そんなイメージが浮かんでしまうかもしれません。

もし、受け取ってしまった場合は、すぐに運送会社へ連絡し、「詐欺の疑いがある」と伝えてください。

伝票と箱は重要な証拠になりますので、絶対に捨てないようにしてください。
また、箱と中身が一緒に写った写真も撮っておくと安心です。

その後、中身は即処分しても問題ありません。

特定商取引法の改正

2021年の特定商取引法の改正により、注文していないのに一方的に送り付けられた商品は、届いた瞬間に処分しても問題がなくなりました。

以前は14日間の保管義務がありましたが、改正後はその縛りが完全になくなっています。
事業者からの返還請求権も消滅しているため、受け取った商品を使ったり処分したりしても、業者から代金や損害賠償を請求されることはありません。

万が一、誤って代金を支払ってしまった場合も、法律に基づき返還を請求できます。
これは海外からの荷物も対象です。

ただし、これらは「注文していないのに一方的に送り付けられた場合」に限られます。
注文したことを忘れていた場合には適用されません。

その場合、電話などで勧誘されてうっかり購入してしまったケースであれば、クーリングオフ制度が使えます。
契約書面を受け取ってから8日以内であれば無条件で解約できます。

ただしクーリングオフの場合は商品の返品が必要です。
返品は着払いで送れるため、お客様に送料の負担はありませんし、全額返金されます。

不安なときは、消費者ホットライン(局番なしの188)や警察相談専用電話(#9110)などの相談窓口へ相談してみてください。
また、業者から「商品を返せ」といった連絡が来ても、送り付け商法であれば一切応じる必要はありません。

安心して荷物を受け取れる日々のために

今回の荷物が確実に詐欺だったのかはわかりませんが、それでも狙われたのはご高齢の方でした。
ひとりでいることが、かえって判断を鈍らせ「名前があるから払わなければ」という心理につけ込む、悪質な手口です。

もし身近に、ご高齢の方が一人になる時間帯がある場合は、ぜひ気にかけてあげてください。
留守番電話や通話録音機能のある電話機へ交換したり、代金が発生する荷物はご家族や信頼できる第三者が立ち会って対応するといった工夫が、被害を防ぐ助けになります。

真面目で優しい方ほど、宅配員を気遣い、縁起物や高級食材が届くと「せっかくだから」と受け取ってしまいがちです。
そういった心理を利用する手口があることを、ぜひ頭の片隅に置いておいていただければと思います。

心当たりのない荷物には、「受け取らない」という選択肢があります。

これからも、安心して荷物を受け取っていただきたいので、不安を感じたらぜひご相談ください。
宅配便は、これからもお客様の安心に寄り添い続けるサービスを守り続けています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた”宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。

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