何度も繰り返されるトランプの「和平まじか宣言」は実現しない
[ドバイ/ワシントン 13日 ロイター] – トランプ米大統領とパキスタンは13日、米国とイランの戦闘停止に向けた覚書署名が14日に行われると明らかにした。ただイランは14日の署名観測を否定している。
パキスタンのシャリフ首相は、米国とイランが戦闘停止に向けた合意の枠組みで合意し、14日の電子署名に向けて準備を進めていると述べた。来週には実務者協議が行われると説明した。
トランプ氏も、14日に覚書の署名が行われる予定だと自身のSNS(交流サイト)に投稿。イランが封鎖している石油輸送の要衝ホルムズ海峡は、署名後ただちに「全てに対して開かれる」とした。
一方、国営メディアによると、イラン外務省のバガイ報道官は、「覚書署名の正確な日程については様子を見る必要があるが、明日にはならない」と発言。「数日中に実現する可能性は排除できない。しかし、相手側の躊躇(ちゅうちょ)を考慮すると、このプロセスに関していかなる発言も慎重でなければならない」と述べた。
その後、米当局者は記者団に対し、署名の時期について明言を避けたが、「素晴らしい合意であり、非常に強力な合意だ」と語った。合意が成立すれば、米国はホルムズ海峡の機雷除去に取りかかる予定だとし、主要7カ国(G7)も参加する可能性があると述べた。
米当局者は「イランはホルムズ海峡を開放する。それが要件だ。通航料なしでの開放となる可能性がある。それが行われれば、われわれはイランへの海上封鎖を解除する」と述べた。
<焦点は凍結資産の扱い>
米国とイランは12日、戦闘終結に向けた合意が近いことを示唆していた。
米政権高官は双方が文書に合意し、米側は数日以内に初期合意に署名する見通しだと述べていた。イランのアラグチ外相は同日、合意内容にはなお変更の余地があるとしながらも、暫定合意は同国が紛争でより強くなったことを示していると国営テレビで語った。「イランは対米戦争の勝者だ」と述べた。
協議に関わる複数の関係者が明らかにした草案によると、米国は数十億ドルのイラン資産の凍結解除を開始する。イランがホルムズ海峡を開放する見返りに、同国の原油輸出への制裁を取りやめる。
イラン通信社ファルスによると、バガイ報道官は、凍結資産の解除は合意の不可欠な要素であり、イランはホルムズ海峡でのサービスに対して料金を徴収する必要があると述べた。ファルスはまた、同報道官が域内の外国軍基地を撤去すべきだと述べたと伝えたが、詳細は明らかにしなかった。
イランの核開発計画については、60日間の協議の中で扱う。米当局者によると、最終的にはイランの核開発計画の解体につながり、高濃縮ウランの備蓄は廃棄・撤去されることになる。しかし、複数の関係筋によると、イラン側は核計画の中止を受け入れていない。アラグチ外相は、ウランを希釈した形で保持する意向を示している。
草案にはイランへの戦争賠償の可能性に関する協議や、イランのミサイル計画に対する制限の要求を米国が撤回することが含まれているという。米政府関係者はこの内容を認めていない。
米国とイランの戦争は2月28日、米国とイスラエルによるイランへの攻撃で始まった。イランは中東の湾岸諸国にある米軍基地を攻撃。レバノンの親イラン武装組織ヒズボラなど、イランを支援する勢力とイスラエルの戦闘も激化していた。
<イランで合意反対のデモ>
イラン全土では政府を支持する集会が100日以上続いており、住民や通信社の報道によると、米国との合意に反対するスローガンが叫ばれているという。
北東部マシュハドの住民はロイターに対し、一部のデモ参加者が「妥協者に死を」「妥協者は辞任しろ」などと叫んだと語った。アラグチ外相を指しているとみられる。
トランプ氏は、英国のスターマー首相と電話会談し、イラン紛争終結に向けた取り組みについて協議した。英首相官邸が13日に明らかにした。
<イスラエル「覚書の当事者ではない」>
イスラエルのネタニヤフ首相は、自国は覚書の当事者ではないと述べた。トランプ氏は、イランとの合意に向けてイスラエルにレバノンでの軍事行動を抑制するよう求め、ネタニヤフ氏は反発していた。
アラグチ外相は、合意はレバノンでの戦争を終結させるとし、イスラエルの占領地域からの撤退を示唆した。
一方、イスラエル国防相は撤退しないと表明。別の高官は、脅威に対して行動する自由を維持すると語った。
イラン国営メディアは13日、攻撃初日に死亡した前最高指導者アリ・ハメネイ師の葬儀が7月4日にテヘランで始まり、9日に故郷である北東部の聖地マシュハドに埋葬されて終了すると報じた。



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