詰め替えソープなどで手を洗うほど「手が大幅に細菌で汚染される」ことを示した論文
「石鹸で手を洗うと、手の細菌が26倍に増えた」
石鹸というのは一般的に、手を殺菌するために使うものですが、少なくとも学校や家庭では殺菌が機能していない可能性があります。
新しい論文ではないですが、液体ハンドソープなど石けんを容器へ直接補充するディスペンサータイプの「細菌汚染の状況」を調査したものがありました。
2011年の論文より
PMC
ある小学校での調査で、石けんを容器へ補充するディスペンサー 14台を調べたところ、すべてが細菌に汚染されていたことがわかりました。
この論文によると、簡単にいえば、
「手を洗うと、手の菌が 26倍に増えた」
ことが明らかになっています。
殺菌ではなく、「増菌」ということになってしまったようです。
調査したハンドソープで手を洗うと、手のグラム陰性菌は平均 26倍に増加。62回の手洗いのうち 55回で、洗う前より菌が増加したとあります。
要するに、「石鹸で手を洗わないほうが衛生的にはマシだった」ということにもなりますが、石鹸が細菌で汚染されるのは宿命でしょうね。
なお、「密封カートリッジ式」の場合、汚染は確認されず、手を洗った場合の菌は減少したともあります。
しかし、現実問題として、多くの家庭では、使用しているハンドソープや、あるいは他のボディソープなども含めて、「詰め替え」で使い続けている場合が多いと見られ、つまり、これらはまったく密封カートリッジ式ではないですので、私たちが日常で使っているハンドソープや液体石鹸というのは、「常に細菌で汚染されている」と考えていいのかもしれません。
とはいえ、それによって、何か深刻な健康上の問題が発生したということも聞かないですし(判明していないだけかもしれないですが)、気にすることでもないのかもしれません。
ただし、
「手を洗うことは、多くの場合は殺菌に結びついていない」
ということは言えそうです。
もしかすると、ただの水道水で手を洗ったほうが衛生的なのかもしれません。水道水は蛇口から出た時点では、殺菌されていますので。
ちなみに、福岡県薬剤師会には、「手洗い石鹸の細菌汚染は?」というページがあり、以下のように記されています。
福岡県薬剤師会 2013年6月
使用中の固形石鹸と液体石鹸の細菌汚染について調査した結果、固形石鹸の 92~ 96%、液体石鹸の 8%から細菌が分離された報告があり、固形石鹸は液体石鹸に比べて、使用中に細菌汚染する頻度が高い。
石鹸が細菌汚染を受ける要因は、容器の洗浄不足、濃厚原液を希釈調製する際の水の汚染、石鹸液の継ぎ足しおよび詰め替等がある。
細菌で汚染された石鹸を用いて手洗いしても手指に汚染細菌は移行しないという報告がある一方、細菌(セラチア・マルセッセンス)で汚染された石鹸液あるいは石鹸液ボトル(表面が汚染されたボトル)が医療関連感染のアウトブレークにつながった可能性を示唆する報告もある。
感染汚染を未然に防止するためには、特に医療施設で使用する手洗い石鹸は、希釈等の調製が必要ない原液タイプで、容器は再利用しないディスポーザブルの製品を選択することが勧められる。
また、容器やディスペンサーの表面が汚染されていることがあるため、手洗い後はそれらに触れないように注意が必要である。
「手洗い後はそれらに触れないように」等ありますが、ここまで気にすると、手も洗えませんので、
「あらゆる石鹸やハンドソープは細菌に汚染されている」
という認識でいいのだと思います。
それによって、何か深刻な感染が起きることも(身体が健康であれば)あまりないでしょうから。
結局、少なくとも学校や家庭での手洗いというのは、一種気休めの世界なのかもしれません。



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