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ナフサ不足、意外な物資に余波 バナナ、アイス、チョコレート… 予防接種の注射器も

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バナナ エネルギー

ナフサ不足、意外な物資に余波 バナナ、アイス、チョコレート… 予防接種の注射器も

バナナの熟成に使われるエチレン、アイスクリームのバニラも石油由来製品で枯渇すれば商品が店頭に並ばなくなる

 原油の供給不安は意外なものにも波及している。例えば、「物価の優等生」の一つであるバナナ。国内消費の99・9%が外国産で、害虫の侵入を防ぐため、まだ青い状態で輸入される。加工室にガスを充満させて黄色く熟成させた上で店頭に並べられるが、そのガスがナフサ由来のエチレンガスだ。

 日本バナナ輸入組合の明石英次事務局長は「ナフサが不足すれば、出荷が困難になる」と危機感を募らせる。熟成の工程は輸入が多いキウイフルーツやアボカドにも共通しており、食卓への影響は避けられない。

 市販のアイスクリームやチョコレートに使われるバニラフレーバーの原料であるバニリンも、ナフサ由来のベンゼンなどを基に化学合成されている。天然香料との価格差は大きく、安価な商品の供給に陰りが出そうだ。

 医療の分野にも不安が広がる。はしか(麻疹)の感染者数が昨年同期の3倍超のペースで増加し、17日には日本ワクチン学会が子供へのワクチン接種を確実に行うように呼びかけた。

 予防接種に使われているプラスチックの注射器も原料はナフサで、調達に支障が出ないか懸念される。医療用手袋、カテーテル、透析器具の調達にも不安が生じており、16日には、政府が備蓄の医療用手袋5千万枚を5月から放出すると表明した。(永礼もも香)

備蓄100日割ると不安拡大 小嶌正稔・桃山学院大教授(石油流通産業史)

イランの石油施設は空爆によって甚大な被害を受けており、回復には時間を要す。米国とイランの和平合意が実現しても原油価格の高騰は1、2年続くと考えられる。

供給不足への不安が広がる一つの目安は、石油備蓄が100日分を割ることだ。資源エネルギー庁によると、日本の備蓄は221日分(13日時点)。状況が変わらなければ、年末にはこの数値に達する。パニック需要により流通各層で在庫の囲い込みが発生し、混乱が広がるだろう。

必要となるのは、石油利用の節約だ。ガソリンの利用を控えたり、プラスチック製品をリサイクルに回したりとできることは多い。こうした動きは長い目で見れば、脱石油につながり、中東依存からの脱却やエネルギーの安定供給をもたらす。石油に依存することは安全保障における大きなリスクとなる。暮らしを見返す契機として考えるべきだ。(聞き手 長谷川毬子)

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