PR

地球の大部分が「大陸の乾燥」というパンデミックに見舞われている

スポンサーリンク
干ばつ 食糧問題

地球の大部分が「大陸の乾燥」というパンデミックに見舞われている

肥料不足に加えて、干ばつの時代も平行して進んでいる飢餓の時代

世界全体の75%が干ばつの影響を受けている

米メディアの記事で「大陸の乾燥というパンデミックに見舞われている」という表現を見ました。地球の大陸全体が著しい乾燥に陥っていることが示された論文を紹介しているものです。

これを読みまして、「ちょっとあれだなあ」と思いましたのは、今はホルムズ海峡閉鎖の影響で、世界的な肥料不足と肥料の高騰が継続していて、それと比例して農作の土壌の状況も悪くなり続けているということになります。

以下は 5月はじめのホルムズ海峡を経由した肥料のグラフですが、ほとんど輸出されていません。状況は今も変わっていないと見られます。

過去半年のホルムズ海峡を経由した肥料輸出の推移

Chris Martenson

アメリカでさえ、多くの農家が肥料を入手できないまま春のシーズンがスタートしたのですけれど、それに加えて、アメリカは、416年前の「飢餓の時代」と呼ばれるようになった干ばつが続いた時代と状況が似てきていることが伝えられています。

アメリカの干ばつが416年前の「飢餓の時代」と呼ばれたときと酷似してきた模様
地球の記録 2026年4月19日

 

アメリカの干ばつは、現在進行していて、たとえば今年 3月の干ばつ状況と最近(5月26日)の干ばつマップを比較しますと、明らかに進行しています。

2026年3月17日時点の干ばつマップ

2026年5月26日時点の干ばつマップ (上の約2カ月後)

droughtmonitor.unl.edu

改善している地域もありますが、濃い赤(極度の干ばつ〜異常な干ばつ)の地域が拡大しています。

土壌がこのような状態で、しかも肥料が足りないという中、アメリカの農作状況も作物によっては厳しくなるかもしれません。

そして現在、「世界中にこのような乾燥地帯が広がっている」ということになっているようで、場合によっては、時間の経過と共に食糧危機が世界的なものにならないとも限りません。

以下はそれに関しての研究についての記事です。最近の記事ではなく、2025年7月の記事ですが、上のような肥料などの問題を抱える今、乾燥の進行はなかなか影響も大きそうです。

その後、少し補足させていただきます。



地球の急速な乾燥と地下水の枯渇に関する新たな研究について知っておくべき8つのこと

8 Things to Know About New Research on Earth’s Rapid Drying and the Loss of Its Groundwater
propublica.org 2025/07/28

NASAの数十年にわたる衛星データは、地球の地下に蓄えられた淡水がどれほど急速に枯渇してきたか、そしてその利用が海面上昇にどのように影響しているかを明らかにしている。以下にその要点をまとめる。

最近発表された NASA の 20年以上にわたる衛星データに基づく研究によると、それぞれの大陸は急速に乾燥化しており、地球の膨大な淡水資源が脅威にさらされている。以下に、この報告書の主な調査結果と、それが人類に及ぼす影響について述べる。

新たな研究によると、地球の大部分が「大陸乾燥」というパンデミックに見舞われており、世界の人口の75%が居住する国々に影響が出ていることが明らかになった。

科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載されたこの研究は、地球全体の淡水供給量の変化を調査し、約 60億人が水供給量の純減に直面している 101カ国に居住しており、これは「人類にとって深刻かつ新たな脅威」となっていることを明らかにした。

 

地下淡水帯水層の採掘が、水資源の損失の大きな原因となっている

この研究によると、世界中の農家、都市、企業による無制限な地下水汲み上げは、現在、大多数の人々が居住する緯度における淡水の総損失量の 68%を占めている。

帯水層から汲み上げられた水の多くは最終的に海に流れ込み、海面上昇の一因となっている。

採掘された地下水が、汲み上げられた帯水層に再び浸透することは稀である。むしろ、その大部分は小川、そして川へと流れ込み、最終的には海へと流れ込む。研究者らによると、蒸発や干ばつによって失われる水分に加え、汲み上げられた地下水からの流出水は、現在では南極やグリーンランドの氷河や氷床の融解量を上回り、海洋への水の供給源として最大となっている。

陸からの水が海面上昇の主要な要因となっている

世界中で、淡水の 70%は農作物の栽培に使われており、干ばつが深刻化するにつれて、その多くが地下水から供給されている。

その水のうち、帯水層に浸透するのはごくわずかだ。気候変動による猛暑と干ばつが最悪の状況になると、人々が地下水をより多く汲み上げることは、長年の研究で明らかになっている。

 

近年、地球の乾燥化は加速している

世界で最も深刻な乾燥に見舞われている地域は相互に繋がり合い、研究著者らが「メガ地域」と呼ぶ巨大な地域を形成しつつある。そのような地域の一つは、ヨーロッパ、中東、北アフリカのほぼ全域とアジアの一部を包含している。

この研究は、地球の質量の変化を測定し、その水分量を推定するために用いられてきた NASA の重力回復気候実験(GRACE)衛星による 22年間の観測データを分析したものだ。

2002年以降、これらのセンサーは地球全体で水分の減少が急速に進んでいることを検知してきた。2014年頃、乾燥のペースが加速していることが判明した。現在、乾燥面積は毎年カリフォルニア州の 2倍の広さで拡大している。

2003-2013年と2014-2024年の水分損失量

帯水層から汲み上げた水は、たとえ可能だとしても、容易に補充できるものではない。

地球のおよそ3分の1、アフリカ、ヨーロッパ、南アメリカの約半分を含む地域には、主要な地下水盆が存在する。これらの帯水層の多くは形成に数百万年を要し、再び満たされるには数千年かかる可能性がある。

研究者たちは、現在では「人間の時間スケールで」水の減少を食い止めることはほぼ不可能だと警告している

 

大陸が乾燥し、沿岸地域が洪水に見舞われるにつれて、紛争や不安定化のリスクが高まる

研究者らは、乾燥の加速と沿岸都市や食料生産地である低地の洪水が重なることで、世界秩序にとって「潜在的に甚大な」連鎖的なリスクが生じる可能性があると警告している。

彼らの調査結果はすべて、広範囲にわたる飢饉、より安定した環境を求める多数の人々の移住、そして地政学的混乱の継続的影響の可能性を示唆している。


 

ここまでです。

œ""

 

現在、小麦作況が好調なのは…

アメリカの小麦の状況が良くない中、周辺国や関係国を見ますと、

「中国の小麦の作況が大変に良い」

ことが伝えられています。

また、中国では、

「2026年の肥料生産量(尿素)は過去最高の 7650万トンになる」

見積もられています。

中国には肥料は豊富にあるようなのです。

もっとも、中国も干ばつの問題は拡大しているようで、干ばつモニターを見ますと、「中国のかなりの範囲で深刻な干ばつが起きている」こともわかります。

中国の干ばつ指数マップ(赤くなるほど度合いが高い)

tokyo.ac.jp

それでも今のところは、豊富な肥料もあり、小麦に関しては作況は悪くないようです。

ヨーロッパなども季節外れの猛暑と季節外れの寒さが繰り返しやってきていまして、今年の農作状況は難しい面もありそうです。

あと、かなり多くの国で、ホルムズ海峡が今のままの状態ですと、夏くらいから「燃料の枯渇」という重大な局面に入る可能性が高まります

燃料がなければ輸送も止まるわけで、作況がどうあろうが、人々に食べ物は届きません

そして、世界がそのようになった場合、主要国で最も弱い食糧危機システムを持つ日本は、ある程度覚悟しなければならないと思われます。

飢餓の時代の始まり。そして、世界で最も脆弱な食糧システムを持つ国のひとつである日本
In Deep 2026年3月16日

食料の問題は最初は価格高騰や流通形態の変化(現在食品パッケージの問題が出ています)、そして、来年に進むにつれて、入手そのものが難しくなるという段階に入る可能性もあります。

正確な予測はできないですが、そういう可能性が常にあります。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました