PR

イランが掌の上で転がす形でのアメリカとの停戦合意ではあるけれど、実際にはほとんど何も解決していない

スポンサーリンク
石油備蓄が枯渇に向かう エネルギー

イランが掌の上で転がす形でのアメリカとの停戦合意ではあるけれど、実際にはほとんど何も解決していない

戦争終結の覚書に著名された後60日間かけて内容を討議し最終合意に至るものであり、60日間の停戦とホルムズ海峡解放は約束されるが、合意に至らない場合は再戦の可能性が残る

40回目のTACOなのか、単に石油の枯渇に焦りだしたのか

イランと米国が、停戦に合意したということに関して、まるで「全面的な完全停戦が決定した」かのように報じられています。

しかし、イランが合意したのは、60日間の停戦延長と、イランの核開発計画に関する 60日間の交渉期間の開始というだけです。

 

基本的には、イランは合意に対しての最終決定を下していない報じられていて、また、イランは以下のすべての合意が守られないと最終決定を下さない可能性があります。

イラン合意の詳細

– すべての戦線で戦争が終結
– 米国の封鎖が解除
– 米軍の撤退
– ホルムズ海峡の開放
– 制裁の一時停止
– 3000億ドル (約48兆円)のイラン再建計画
– 240億ドル (約3兆8000億円)のイラン資産の解放(半分は前払い)
– 60日間の核協議
– 「ミサイルと抵抗勢力は議題から除外」

これだけの資産を受け取ることができて、60日の猶予があるなら、イランもヒズボラも軍備をさらに拡大することができるでしょうが、それはともかく、これらの条件が 60日間の停戦期間の間に守られなかった場合、また微妙な様相となってていきそうです。

そもそも、最初の項目の「すべての戦線で戦争が終結」に関しては、イスラエルは相変わらずレバノンへの攻撃を続けています。6月13日には、イスラエル国防軍は、レバノン南部でヒズボラの拠点70カ所以上を攻撃したと発表しています。

2026年6月13日、レバノン南部のクファル・ティブニット村へのイスラエル軍の空爆現場

timesofisrael.com

翌日の 6月14日(イランとアメリカの停戦合意の日)にも、イスラエルはベイルートのヒズボラ司令部を攻撃したとイスラエル国防軍が発表しています。

ちなみに、この攻撃に対して、トランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相に対して不満を表明していましたが、記者に対して、以下のように述べたことがデイリーメール紙などが報じています。

あえて、オリジナルの原語で書くと以下です。ビビ (Bibi)というのは、ネタニヤフ首相の愛称です。

Why did Bibi have to do a fucking attack?
(なぜビビはあんなファッキンな攻撃をしなければならなかったんだ?)

さすが世界一の大国の大統領といえます。

石油も兵器も枯渇しつつある米国

ともかく、これらの攻撃がただちに終わると思うことには無理があります。

また、トランプ大統領は

「金曜日 (6月19日)にホルムズ海峡が再開される」

と述べています。

この日にホルムズ海峡の再開が実際にあるかどうかもまた何ともいえないにしても、アメリカがここまで折れて(実質的な敗戦)合意を急いだのは、結局、以下で書いた

「アメリカの石油の枯渇が近づいている」

という問題はあるのでしょうね。

アメリカの原油指標である「クッシング在庫」が枯渇寸前になっている事実…
In Deep 2026年6月13日

 

この記事では、クッシング石油在庫というアメリカの代表的な原油指標となる石油備蓄の話が主流でしたが、「戦略石油備蓄 (SPR)」も、かなり厳しい減り方となっています。

過去1年間の米国戦略石油備蓄の推移

Jack Prandelli

最近2カ月では過去最大の放出量となっています。

1982年〜2026年の戦略石油備蓄の8週間単位での放出速度の推移

Jeff Weniger

本当に石油が枯渇してしまった場合、何をどうしても石油価格やガソリン価格の高騰は避けられない上に、産業への影響も甚大でしょうから、トランプ政権は折れるしかなかったのではないですかね。

何しろ、トランプ大統領の支持率は下がり続けるばかりで、調査媒体によって差はありますが、30%代が続いています。これ以上、下がると危険な領域です。

トランプ大統領の支持率の推移

Trump Approval Polling Average

あるいは、「トランプはパンドラの箱を開けてしまったのか」という記事で、米国の著名シンクタンクの上級研究員の文章を載せましたけれど、

「米軍はミサイルなどの兵器が事実上枯渇している」

ということも関係あるかもしれません。

兵器の数を元の状態に戻すには数年かかります。

いずれしても、イランが完全な胴元となっています。

なお、本当にホルムズ海峡が再開されても、完全に元に戻る可能性はなく、「大方以前のように戻る」までにしても数ヶ月以上はかかると見られます。

この件について、アメリカの作家マイケル・スナイダー氏が記事を書いていましたので、それをご紹介して締めさせていただきます。

œ""

 


これまでの出来事を踏まえると、イランとの関係は振り出しに進んでいる

So After Everything That Has Transpired, Now We Go All The Way Back To Square One With Iran
End Of The American Dream June 14, 2026

何が起こったのかについて、非常に大きな混乱が生じているようだ。

米国とイランは恒久的な和平協定に合意したわけではない。米国とイランが合意したのは、60日間の停戦延長と、イランの核開発計画に関する 60日間の交渉期間の開始ということだ。この「覚書」は、基本的に戦争開始直前と非常によく似た状況に我々を戻すものだ。

戦争が始まる前は、ホルムズ海峡の航行は正常で、米国の海上封鎖はなく、我々はイランの核開発計画に関する複雑な交渉を行っていた。この「覚書」は我々をその時点に戻すものだが、同時にイラン側には凍結されていた 250億ドル (4兆円)の資産が解放されるという恩恵も与えている。

つまり、我々はイランとの関係において完全に振り出しに戻ったことになるが、唯一の違いは、イラン政権が今やはるかに多くの資金にアクセスできるようになったということだろう。

イランの核開発計画は我々が戦争に踏み切った主な理由であり、その点に関しては何も解決されていない。

本当に厄介な問題はすべて依然として残っている。

だから、みんながなぜそんなに興奮しているのか理解できない。

結局のところ、イランはアメリカとイスラエルが望むような行動には決して同意しないだろう。

そして今、イランは 250億ドルもの資金を自由に使えるようになるため、妥協する動機ははるかに少なくなるだろう。

しかし、少なくとも今日は、世界は歓喜に沸いている。

つい先ほど、イラン側は覚書の最終版に同意したことを確認した。

イラン・インターナショナルの報道より

イランのカゼム・グリババディ外務次官は、レバノンを含む複数の戦線における戦争と軍事作戦の即時かつ恒久的な終結が今夜から発表されると述べた。

彼は、テヘランとワシントン間の最終合意に向けた交渉は 60日間かけて行われるだろうと付け加えた。

「覚書の本文は間もなく公表され、国民はイランの成果と約束を知ることができるだろう」と彼は述べた。「我々の約束は、得られた成果とは比べ物にならないほど大きい」

みんなこのことに大喜びしている。

しかし、当初の停戦協定で戦闘が止まらなかったのなら、その停戦協定を 60日間延長すれば戦闘が止まるとどうして信じられるだろうか?

誰もが当初の停戦協定を何度も繰り返し破っている。

例えば、ここ数日、ヒズボラはイスラエル北部に向けてロケット弾を撃ち続けている。これに対し、イスラエル国防軍は土曜日 (6月13日)、レバノン国内のヒズボラの標的 70カ所以上を攻撃した。

タイムズオブイスラエル紙の報道より

イスラエル国防軍は土曜日、レバノン南部にあるヒズボラの拠点70カ所以上を攻撃したと発表した。攻撃の標的は、同テロ組織が攻撃を進めるために使用しているとされるロケットランチャーや建物だった。軍は20カ所以上の地域に避難勧告を出していた。

軍は、部隊が作戦行動を行っていたレバノン南部地域で、ヒズボラの工作員数名を殺害したと付け加えた。

レバノンの国営通信社(NNA)は、避難勧告の対象となっている複数の地域で空爆があったと報じた。その中には、ヒズボラの拠点とされるナバティエ市からほど近いリハン村とスジュード村も含まれている。

そして日曜日、イスラエル国防軍はベイルート南部で空爆を実施した。

CBSニュースより

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相は共同声明で、イスラエル国防軍が日曜日 (6月14日)にベイルートを攻撃したと発表した。

イスラエル国防軍は声明で、「ベイルートのダヒエにあるヒズボラのインフラ施設を正確に攻撃した」と述べた。

軍はその後、この施設を「ヒズボラのテロリストが、イスラエル国民とレバノン南部で活動するイスラエル国防軍兵士に対するテロ攻撃を推進するために使用していた司令部」と説明した。

イスラエル国防軍は、民間人への被害を軽減するための取り組みの一環として、精密誘導兵器と航空偵察を使用したと述べた。

ベイルート南部でのイスラエル国防軍による空爆の後、トランプ大統領は極めて憤慨していた。

デイリーメール紙より

トランプ大統領は、今夜ホワイトハウスで自身の誕生日を祝う準備をする中で、アメリカの最も緊密な同盟国の一つであるイスラエルの指導者に対する強い不満を改めて表明した。

アクシオス紙の記者バラク・ラヴィッド氏が X で公開した日曜日の大統領との会話の一部によると、大統領はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相には「全く判断力がない」と主張したという。

ラヴィッド氏はまた、Xでトランプ大統領が彼に「なぜビビはあんなクソみたいな攻撃をしなければならなかったんだ? 私は本当に腹が立った。彼にそう伝えた。彼は全く判断力がない。そう伝えたんだ」と言ったと主張した。

トランプ氏は、汚い言葉を使うことでイスラエルとヒズボラの戦闘が止まると本気で信じているのだろうか?

実のところ、イスラエルとヒズボラの間の戦闘を止めるものは何もないだろう。

そして、紛争が再燃するたびに、イラン側は覚書に基づく義務を履行しないことに対する都合の良い言い訳を得ることになるだろう。

当初の停戦が発表された際、トランプ氏はホルムズ海峡は直ちに再開されると大胆に宣言した。

言うまでもなく、そんなことは実際には起こらなかった。

彼はまたしても全く同じことを言っている…。

デイリーメール紙の報道より

ドナルド・トランプ米大統領は、米国とイランが約3か月半の期間を経て、紛争終結に向けた合意に達したと発表した。

「イラン・イスラム共和国との合意が完了した。関係者全員、おめでとう!」トランプ氏は日曜日の夜、自身のソーシャルメディアサイト「トゥルース・ソーシャル」にこう書き込んだ。

「私はここにホルムズ海峡の通行料無料化を全面的に承認し、同時に米国海軍による海上封鎖の即時解除を承認する。世界の船舶よ、エンジンを始動せよ。石油を流せ!」とトランプ氏は投稿に付け加えた。

私たちは、イラン人が今回本当に本気で言っていると信じなければならない。

どうなるか見てみよう。

イランは今後もイスラエルとヒズボラの戦闘を口実に、ホルムズ海峡の封鎖を続けるだろうという予感がする。

たとえホルムズ海峡が明日再開通したとしても、交通が完全に回復するには数ヶ月かかるだろう。

もちろん、この戦争の争点はホルムズ海峡の地位ではなかった。

この戦争の本来の目的はイランの核開発計画だったとされているが、イランの核開発計画に関する 60日間の交渉期間は、覚書が署名されるまで開始されない。

ロイター通信の報道より

・テヘランは核兵器の製造も取得も行わないことに同意する。

・最終合意が成立するまで、イランは核開発計画の現状を維持し、ウラン濃縮の継続や核施設の拡張を控える。

・米国は、将来の包括的合意に基づき、イランがイラン国内で高濃縮ウランの備蓄を希釈することを認めることに同意する。

・イランの核開発計画、ウラン濃縮活動、高濃縮ウランの備蓄の取り扱いメカニズムは、覚書発効後 60日以内に交渉され、最終合意で取り上げられる。

たとえイラン側が誠意をもって交渉する意思があったとしても、最終合意に至るまでには 60日以上かかることはほぼ確実だと伝えられている…。

個人的には、イランは時間を稼いでいるのだと思う。

彼らは、イスラエルとアメリカで今年中に選挙が行われることを知っており、それらの選挙結果が現状を自分たちに有利な方向に変えると確信している。

つまり、彼らは交渉をできるだけ長引かせようとしているのだ。

そして、トランプ政権はこの戦争から一刻も早く抜け出して、他のことに目を向けたいと切望しているのだと思う。

しかし、交渉担当者がどれほど努力しても、中東に平和は訪れないだろう。

トランプ氏は、当初の停戦合意が史上最も違反された停戦合意であったことを公に認めており、今回の停戦延長が何らかの奇跡的な解決策になると期待している人々は、深く失望することになるだろう。

マイコメント

今朝から戦争終結の見出しが世界中を駆け巡ったと思うが、実際のところ、戦争終結の
ための60日間の協議を設けるということであり、その60日間は一切の軍事行動が
なくなり、ホルムズ海峡の通過が可能になるというものです。

戦争終結が確約されたものではないことに注意すべきです。

19日のスイスでの著名までの間にイスラエルが何らかの軍事行動を起こした場合には
協定違反としてイランが著名を拒否する可能性が残ります。

さらに60日間の戦争終結に向けた協議が不調に終わった場合、双方ともに戦争を再開
させる可能性があります。

今回の戦争終結という言葉の狙いは世界的に枯渇しつつある石油備蓄をこれ以上減らさ
ないために原油の確保が2か月間だけ行いエネルギー危機の到来をひとまず止めること
が本当の目的ではないかと思います。

2か月間の間に石油備蓄がある程度回復すれば双方ともに再戦はあり得るかなと私は
見ています。当たって欲しくはないですが・・・。

コメント

タイトルとURLをコピーしました