アメリカで、笑気ガスを娯楽用として使う若者たちの死亡者数が「578%」急増
笑気ガスによる死亡者数が578%急増。規制されていない「ホイップ」が喫煙店に並び、10代の若者たちをターゲットに
かつては無名のパーティードラッグだった笑気ガス (亜酸化窒素)が、今や驚くべき割合でアメリカ人を殺しており、死亡者数はわずか 10年余りで 578%も急増している。そして、キャンディ味のこの毒物を売りつける売人たちにより犠牲者になる若者が増えている。
JAMA誌 (米医師会雑誌)に掲載された新たな研究によると、ガソリンスタンドや喫煙具店で「ホイップ (whipp-its)」として販売されている亜酸化窒素による死亡者数は、2010年のわずか 23人から 2023年には 156人に増加していることが明らかになった。
年齢制限なく合法的に販売されているこの無色のガスは、「バブルガム」や「マンゴー」といったフレーバーで販売されており、手遅れになるまでその危険性を無視する 10代の若者たちを虜にしている。
静かな伝染病
もともと医療用の歯科麻酔薬として使用されている亜酸化窒素が、今では娯楽用の時限爆弾と化している。
処方薬とは異なり、ホイップは連邦政府の規制を受けない。販売業者は使い捨ての缶や 2kg入りの巨大なタンクに入れて堂々と販売しており、エナジードリンクを彷彿とさせる漫画風のデザインが描かれていることが多い。
購入に年齢制限はなく、オンラインや全国のガソリンスタンドで入手可能だ。専門家は「これらのデザインを見ると、子ども向けではないと言えるでしょうか?」と疑問を呈する
数字は嘘をつかない。2023年の連邦調査では、1300万人以上のアメリカ人が生涯にわたる誤用を認めており、中学2年生(8年生)は最も頻繁に喫煙する学年の 1つとなっている。
ソーシャルメディアはこのトレンドを美化し、「ストロベリー&クリーム」ガスを吸入するインフルエンサーの動画は 4000万回再生されている。
しかし、娯楽用の亜酸化窒素は、その愛称から想像されるような無害で楽しいものではない。酸素を混ぜた医療用とは異なり、純粋なガスを吸入すると脳が酸素不足に陥り、発作、精神病、心不全を引き起こす。
慢性的に使用するとビタミン B12が枯渇し、重度の神経損傷を引き起こし、麻痺や失禁に至る人もいる。故メグ・コールドウェルさんの妹は、過剰摂取で一時的に足が動かなくなったにもかかわらず、亜酸化窒素の購入を続け、時には1日に数百ドルも費やすこともあったと語っている。
解決策は複雑ではない。まずは小売販売を禁止することだ。
亜酸化窒素を安全に投与するには医療訓練が必要なのに、なぜガソリンスタンドでスリムジムと並んで売られているのだろうか。
死者数が急増する中、アメリカは選択を迫られている。子どもたちを守るか、笑気ガスを缶詰で売りつける業界を守るか。笑い声はとっくに止まっている。
マイコメント
日本でも昭和40~50年代に流行したシンナー遊びに近いものです。
当時、多くの若者がシンナー遊びに夢中になり、多くの死者や中毒患者を出しました。
とりわけ、若い人はこうした魔力に捕らわれやすい傾向があるのだと思います。
日頃の不満のはけ口としてハイとなることでその不満を忘れようとするのです。
麻薬や合成ドラッグなどもその類です。
こうした薬物やエーテル、稀薄ガスの利用は健康を損ねますので絶対に使用
しないことです。
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