私たちはコロナのパンデミックにより、かつてないほど病原体について深く理解するようになった
そして、エボラもハンタウイルスも決してパンデミックにはならない理由
人間は微生物と共生してきた
アメリカのブラウンストーン研究所の創設者であるジェフリー・A・タッカー氏の記事は、たまにご紹介させていただくことがあります。
わりと好きだったのは、タッカー氏の「大短縮」というタイトルの記事で、それを翻訳してご紹介したことがあります。「ソーシャルメディア社会が生み出す、あらゆるものの短縮化と無思考が作り出す「文明の衰退局面」 (2025/04/26)」という記事にあります。ソーシャルメディアの普及で、「何もかも早く短く」という行動や認識が一般化して、多くの人々が物事を深く考えないようになっていることに対しての懸念を述べたものでした。
そのジェフリー・A・タッカー氏が、エポックタイムズに最近、「誰でもわかるウイルス入門」という記事を寄稿していまして、それは、最近のエボラやハンタウイルスなどの騒動を見据えてのものでしたが、
「ウイルスとは何か」
ということを説明してくれています。
タッカー氏は経済学者であり、生物学とは無関係の人ですが、だからこそ、学習により冷静にウイルスや病気やパンデミックについて語る資格がある、というようなことを書いています。
記事にある以下のようなフレーズはとても良い響きに感じます。
> 私たちが生き延びてきたのは、微生物界と共存し、その一部として適応してきたからだ。微生物は敵ではなく、私たちの生存に不可欠な存在なのだ。
そして、つくづく自分自身のことも思わせてくれたのは、以下のフレーズでした。
> 6年前は病原体についてほとんど知識がなかったのだが、COVID-19 の流行をきっかけに文献を深く読み込み、急速に知識を習得することになった…
「私自身もそうだったなあ」と、2020年からの数年を思い出します。
あの混乱が多くの人を覚醒に導いたことも事実
コロナのパンデミックまでは、私は「 RNA 」という概念さえ持たなかった人間でした。完全なウイルス無知だった私は、パンデミックが始まった頃から、取り憑かれたように毎日コロナウイルス、あるいはウイルス全般について調べる日々が始まりました。
その中で、新型コロナウイルスの研究の歴史、あるいはこれが人工物であるということも知っていきました。
・21世紀という時代は「ウイルスの機能獲得学」を巡ってウイルス学者たちとゲイツ財団が共に進んだ人類統制のためのパンデミックへの道だった(かもしれない)
In Deep 2020年5月24日
そして、マスク社会に絶望し、社会的距離が守られている社会に絶望し、その後には、変異株に対して何の効果も考えられない予防措置にも絶望したりしていましたけれど、いずれにしても、個人的には、確かに、
「パンデミックを境に私は変わった」
のでした。
コロナのパンデミックは私を大きく成長させてくれました(体重じゃないですよ)。
そして、同じような人たちがたくさんいたと思われます。
あのパンデミックは一部の人たちを覚醒させた期間でしかなかったとも思います。そして、将来への危うさから「準備」を始める人たちが出始めるキッカケであったとも思います。
その「準備」は、エネルギー危機の今後、役に立つはずです。
なお、タッカー氏は、「エボラやハンタウイルスがパンデミックになる可能性はない」と述べていますが、新型コロナの流行が始まった頃(WHO のパンデミック宣言はまだ出ていなかった頃)、
「社会を混乱に導くのは、致死率の低い軽い風邪のような病気」
だということを知ったこともあります。以下にあります。
・人類を破滅に導くパンデミックは、エボラやSARSのような凶悪な病原体ではなく「発症しづらく致死率の低い軽い風邪のような病原体」だと2年前にジョンス・ホプキンスの科学者が警告していた
In Deep 2020年3月9日
これを知った時に「これから先(2020年の3月より先という意味)、社会はちょっと厄介になるのかも」と思っていましたが、予想以上の混乱に地球は陥ってしまったのでした。
ともかく、ジェフリー・A・タッカー氏の寄稿文をご紹介します。
なお、タイトルは「誰でもわかるウイルス入門」としたのですが、原題は Viruses for Dummies なんですね。ダミーとは、馬鹿とか間抜けを意味します。
「これじゃ、馬鹿のためのウイルス入門になっちゃうじゃないか」
と調べてみましたら、アメリカでは、初心者向けの「〜の教科書」や「誰でもわかる〜」というような本のタイトルに、この for Dummies というのがよく使われるらしいです。
誰でもわかるウイルス入門
Viruses for Dummies
Epoch Times 2026/05/27

2026年5月23日、コンゴ共和国ブニアで、エボラ出血熱の流行の中で行われたエボラ出血熱啓発キャンペーン。
この1週間、パンデミックの警告が立て続けに飛び交っている。鳥インフルエンザ、ノロウイルス、サル痘、ハンタウイルス、リンゴ病(これは見逃しただろうか?)、そしてエボラ出血熱。
つい先日、CDC の元所長が、今回のエボラ出血熱の流行がパンデミックになる可能性があると警告していた (※ その投稿)。
恐ろしく聞こえるかもしれないが、これから説明する理由から、それ(※ エボラがパンデミックになること)は文字通り不可能だ。
この記事を通して、皆さんもそのことを理解していただければ幸いだ。私が伝えたいのは、祖母の世代では誰もが知っていた感染症に関する基本的な知識を復活させることだ。戦後、学校教育においてこの分野は特に重視されるようになった。当時は公衆衛生と呼ばれていた。彼らは、今日の認定専門家よりもはるかに多くの知識を持っていた。
確かに、私の専門は経済学であって、ウイルス学でも免疫学でも疫学でもない。だからこそ、病原体を理解する方法を語るのに最適な人物と言えるだろう。
なぜなら、6年前は病原体についてほとんど知識がなかったのだが、COVID-19 の流行をきっかけに文献を深く読み込み、急速に知識を習得することになったからだ。
驚くべきことに、私は今や多くの自称専門家よりも多くのことを知っていることに気づいた。なぜそうなるのだろうか?
経済学であれ疫学であれ、現代のあらゆる専門分野は認識の囚われに陥っている。どの分野も、産業界の力によって形作られた閉鎖的な世界を作り出しているのだ。問題の本質を真に理解するには、しばしば完全な部外者が必要となる。
3つの原則に分けて説明しよう。私の話についてきてくれれば、感染症に関するあらゆるメディアの騒ぎを見抜くための解読リングを手に入れることができるだろう。
一つは、病原体への軽度の曝露によって、より強い曝露に対する広範かつ持続的な免疫が獲得されるという点だ。これはもちろんワクチン接種の原理でもあるが、ファウチ氏自身もかつて説明したように、自然感染によって得られる免疫に勝るものはない。この原理は何千年も前から知られており、トゥキュディデス (紀元前のギリシアの歴史家)の『ペロポネソス戦争史』にも記録されている。
私は子供の頃、水疱瘡にかかって生涯免疫を獲得したことでそれを知った。ワクチンができる前は、幼い子供たちが水疱瘡にかかることで大人が帯状疱疹から身を守るための免疫を獲得していたのだ。
ジョージ・ワシントンが、部下たちがしばしば受けていた天然痘の種痘(初期のワクチン接種法)を受けなかったのは、彼自身が若い頃に天然痘にかかっていたからだ。
何世紀も前の伝説的な乳搾り女性たちの肌がきれいだったのも、牛痘にかかったことで天然痘に対する免疫がついたからだ。鶏肉加工工場の労働者が鳥インフルエンザにかかりやすいのも、そのためだ。そして、最近の流行とは裏腹に、子供たちを無菌環境に閉じ込めてはいけないのも、そのためなのだ。
1918年のインフルエンザパンデミックで多くの死者が出た理由はまさにこれだ。戦争や旅行によって、多くの人々が問題の病原体に曝露されていなかった。それ以前の数シーズンは、インフルエンザの毒性や感染リスクが低かった。帰還兵たちは、免疫的に未熟な人々と対峙することになったのだ。
社会秩序における自然な感染パターンを乱すことは、常に危険を伴う。1年間のロックダウンを経て、人々がこれまで以上に病気にかかりやすくなったのは当然のことだ。
蔓延し変異する病原体から身を隠すことは、後々、より脆弱になるだけなのだ。何世紀にもわたる経験が示すように、感染から隔離された集団ほど病弱な集団は存在しない。
2つ目は、ほとんどの病原体において、重症度と蔓延率の間には負の相関関係(逆相関)があるということだ。一方が増加すると、もう一方は減少する。
重症度とは、病原体の毒性、つまり症例、入院、死亡に至る傾向を指す。これは症例致死率(CFR)によって測定される。病原体には、コンピューターアルゴリズムのように、あらかじめ CFR が組み込まれているわけではない。それは先ほど書いたように、集団免疫のレベルに依存する。
致死率(CFR)は、感染の蔓延状況、つまり病原体の感染がどの程度広がっているかを示す感染致死率(IFR)とは異なる。
感染は軽症の場合もあれば、無症状の場合もある。IFR は通常、CFR よりも低くなる。IFR が高いということは、病原体が感染時に宿主を死に至らしめる確率が高いことを意味する。CFR が高い場合は、重篤で明らかな疾患で確定診断に至ることが多いが、必ずしも病原体が蔓延していないことを意味するわけではない。
COVID-19 の流行期、マスメディアが症例数、感染者数、感染リスクを混同していた時点で、私は何かおかしいと感じていた。
私たちが目にした「症例数」に関するグラフは、実際には症例数ではなく、ウイルスの存在を捉えるためだけに設計された技術を用いた陽性検査結果であり、その医学的な意義を示すものではなかった。すべてがひどく誤解を招くものだった。
COVID-19 は致死率が非常に低いものの、重症度は中程度だった。これは、COVID-19 が知能の高い病原体であったためだ。
能力の低いウイルスは宿主をすぐに死に至らしめるため、拡散しない。
エボラ出血熱はその典型的な例だ。宿主を殺すことは、ウイルスにとって必ずしも望ましい結果ではない。「生態学的に言えば、それは生息地の破壊の一形態である」とスネトラ・グプタ博士 (※ オックスフォード大学教授で感染症疫学者。2020年にロックダウンに反対するグレートバリントン宣言を出した主導者として知られる / 記事)は述べている。
「病原体は宿主を殺すと自らも死滅する。そして、その子孫がすでに別の宿主に感染していない限り、これは大惨事となる」と彼女は述べた。
COVID-19 のような巧妙なウイルスは、症状の重症度を最小限に抑えることで、より広範囲に感染を広げることができる。風邪はその良い例だ。「病原体の破壊力が低いことで、感染拡大の可能性が高まることもある」とグプタ博士は説明する。
3つ目は、重症度と罹患率のトレードオフは、潜伏期間と呼ばれる条件に左右されるということだ。潜伏期間とは、感染者が症状を示さず、その間に病気を広める可能性がある期間のことで、一般的な風邪やインフルエンザの場合、この期間は数日間で、その間は感染力があるにもかかわらず、それに気づかない。症状は数日間続き、その後も他人に感染させる可能性がある。
潜伏期間が長いウイルスも存在し、その中にはエイズの原因とされるウイルスも含まれる。そのため、エイズは脆弱な人々にとって非常に致命的なウイルスとなった。
ハンタウイルスのような特異なウイルスはネズミから感染するが、通常は人から人へは感染せず、潜伏期間が長い。症状が現れるまで 8週間かかることもある。また、潜伏期間が長ければ長いほど、ウイルスが日常的な接触で広がるのは難しくなる傾向がある。
COVID-19 が流行した際、デボラ・バークス氏 (米国の医師)は SARS-CoV-2 には 2週間の潜伏期間があるという説を唱え、それが無症状感染の蔓延につながったと主張した。しかし、実際には彼女の説は誤りだった。コロナウイルスに共通する潜伏期間は数日だ。
パンデミックを題材にした映画は、ほぼ例外なく、ドラマチックな効果を狙ってこの点を巧みに利用している。必ずと言っていいほど、致死性の病原体が蔓延し、突然感染した人が死亡する。すると、その人が過去 1ヶ月間に接触した人々も次々と死亡し始める。そして、至る所に死体があふれかえるのだ。
これはすべて作り話だ。記録に残る限り、非常に重篤で、広範囲に蔓延し、急速に変異し、数ヶ月もの長い潜伏期間を持つ病原体はこれまで存在しなかった。これは偶然ではなく、生物学的な必然だ。これが、私たち人間が、私たちが属する微生物界と共進化してきた方法なのだ。
私たちが生き延びてきたのは、微生物界と共存し、その一部として適応してきたからだ。微生物は敵ではなく、私たちの生存に不可欠な存在なのだ。これとは異なるシナリオを描いた映画はすべて、でっち上げに過ぎない。
ちなみに、これは COVID-19 のような人工的に作られたウイルスにも当てはまる。不快で、不安で、イライラさせられ、時には恐ろしいと感じることもあるだろう。
しかし、人工的に作られたウイルスでさえ、自然界に適応していくことは、これまで見てきた通りだ。アルファウイルスはデルタウイルスになり、オミクロンウイルスになり、最終的には私たちの生活の季節的な風景の一部へと溶け込んでいった。だからこそ、あらゆるパンデミックは自然消滅するのだ。それは、感染によって獲得された免疫と突然変異が組み合わさった結果だ。
突然変異や変異体を理解する最良の方法は、衣服や変装のワードローブに例えることだ。病原体の中には、膨大な数の変種や変異体を持つものがある。マラリアはその一例だ。
マラリアは常に変異と変化を繰り返しているため、ワクチンで根絶するのは非常に困難だ。科学者たちは何十年もの間、マラリアを制御できると考えていたが、それは実現しなかった。
インフルエンザウイルスも同様で、季節ごとに姿を変える。そのため、インフルエンザワクチンは必ずしも効果的ではなく、場合によっては逆効果になることもある。
一方、あまり特徴のないウイルスの例としては麻疹(はしか)が挙げられる。麻疹は一つのウイルスしか持たないため、特定が可能となり、最終的にはワクチンによってほぼ完璧に制御できるようになった。しかし、ワクチンが自然感染(一度感染すれば生涯免疫が得られる)よりも優れているというわけではない。なぜなら、あらゆる医薬品には、しばしば予期せぬ副作用があるからだ。
適応性の高い他のウイルスについては、理論上もワクチン接種は不可能だ。何十年にもわたり、多くの人々が試みてきたが、非常に特殊な疫学的理由から、ワクチン接種は到底不可能なのだ。これに反論する者は、今も昔も、詐欺師といえると私は断言する。この教訓を心に留め、後悔のないようにしてほしい。
人類の身体が耐えられないような、制御不能な感染拡大によって広範囲の人類を死滅させるような致死性の病原体が出現する可能性はどれくらいあるだろうか? その可能性は実はほぼゼロに近い。
これらの観察結果に基づいて、これをゲームのように考えてみよう。
・麻疹:重症度は低い、罹患率は高い、潜伏期間は短い、変異率は低い
・インフルエンザ:重症度は低い、罹患率は高い、潜伏期間は短い、変異性は高い
・エボラ出血熱:重症度高、有病率低、潜伏期間短、変異率中~高
・ハンタウイルス:重症度は高い、有病率は低い、潜伏期間は長い、変異率は低い
・COVID:重症度中~低、有病率高、潜伏期間短、変異率高
・狂犬病:重症度極めて高い、有病率極めて低い、潜伏期間が短い、変異率が低い
・ノロウイルス:重症度は非常に低い、有病率は高い、潜伏期間は短い、変異性が高い
・マラリア:重症度は高い、有病率は高い、潜伏期間は短い、変異率は高い
挙げられた病気の中で、ウイルスの数学的論理から外れているように見えるのはマラリアだけだ。マラリアは年間 60万人以上もの命を奪う恐ろしい病気だが、厳密にはウイルスではない。蚊を介して感染する寄生虫であり、そのためパンデミックのリスクではなく、地域的なリスクに過ぎない。したがって、実際はマラリアはこのリストには含まれない。
これらすべてに論理的な根拠があることがお分かりだろうか?
なぜ、すべての人が上記の基本的な理解を持つことが重要なのだろうか? それは、病原体に対するパニックではなく、むしろ冷静な知恵をもたらすためだ。私たちは病原体と共に進化してした。そして、かつてないほど病原体について深く理解している。
私たちの人生経験は、驚くべき回復力を私たちに与えてくれた。いいねやクリック数を稼ぐために仕組まれた、メディアの狂乱の風に、私たちはいつまでも翻弄されるべきではない。
21世紀に入り、なぜこれほど多くの人々が 20世紀に学んだことを忘れてしまったのかは、まさに謎だ。この記事が、人々の知識向上の一助となれば幸いだ。




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