ナフサ代用にコメ? 備蓄米を活用「新プラスチック」 驚き加工技術「米ぬかインク」
新たな使途拡大でコメ余りの救世主に・・・。
ナフサの供給不安が高まる中で今期待されているのが、なんと「コメ」。石油依存から脱却する知られざる「コメパワー」に迫ります。
石油依存減らす主役は「コメ」
緊迫が続く中東情勢。今、各メーカーがナフサの供給不安の対応に追われる中、その解決の糸口として注目されているのが、なんとコメです。
佐々木亮太アナウンサー
「これですか?」
「はい、コメぬかになります」

なんと、コメぬかがナフサの代役に。おコメから印刷インクやプラスチック製品を生み出す「まさか」の技術に迫ります。
佐々木アナが向かったのは、和歌山県にある築野グループ。1947年に創業し、この地で80年、食用の油を作り続けてきた会社です。その原材料がコメぬかです。
佐々木アナ
「かなり細かい。きな粉を触っているような感じですね」
「かなりサラサラです」

コメぬかは、玄米を精米して白米を取り出したときに残る、皮などの部分。実は、コメぬかの約20%が油分で、そこからしぼり出して作るのがコメ油です。その精製過程で出てくるのが…。
佐々木アナ
「黄色い液体がドロドロ出てますね」

「これがコメ油にする過程で食べられないものになります」
この食用に適さない油分は、工業用機械の潤滑油などに使われていましたが、それを10年ほど前から潤滑油だけでなく、ナフサの代わりとなる印刷用インクの原材料へと生まれ変わらせたのです。

築野グループ 山本弥さん
「(非食用の油を加工して)ポリアミド樹脂を作る。このポリアミド樹脂をインク成分(顔料)に配合するとインクになる」
非食用油から作ったこの樹脂を溶かし、顔料を混ぜると、今価格が高騰している印刷用のインクとなるのです。従来の印刷インクはナフサ由来の樹脂を使っていますが、このコメぬか由来の樹脂を使うことで、ナフサの使用量を約50%減らすことができるのです。
「米ぬかに夢を」
そんなコメぬかインクは、すでに我々の身近なところにあるといいます。

佐々木アナ
「コンビニエンスストアで売っているおにぎりのここ(包装フィルム)に、すでにもう使われているというのが分かるんです。我々の身近なところに、こうやって広がってきているんです」
築野グループが製造するコメ油のパッケージラベルにも、コメぬか由来の成分を使ったインクが使用されています。

山本さん
「実はこのコメ油のパッケージのラベルには、コメぬか由来の成分を使ったインクを使っています」
佐々木アナ
「『食用(こめ油)』と『非食用(インクの原材料油)』が、ここでまた一緒になった」

山本さん
「私たちは『米ぬかに夢を』というスローガンでやっているので、コメぬかで何ができるかということをとことんやっていきます」
地元農家の雇用促進も
おコメが秘めるポテンシャルは、福島県でも。工場の中で作られているのは…。

「こちらが、おコメを原材料にしたバイオマスプラスチックのライスレジンです」
一般的なプラスチックの原材料となる樹脂は、ほとんどがナフサから作られていますが、ライスレジンの原材料は、その名のとおりおコメです。

今津取締役
「この機械全体が巨大な炊飯器だと思って下さい。ここでおコメとプラスチックの炊き込みご飯を作っているようなイメージ」
おコメとプラスチックの樹脂を混ぜ合わせることでできるライスレジン。その割合は最大でおコメが7、プラスチックが3と、ナフサへの依存度を減らしています。

でき上がった素材から生まれるのは、3割がおコメでできたスプーンや、半分以上がおコメでできたおもちゃ。さらには、消耗品のごみ袋とさまざま。特にごみ袋はナフサの影響を受け、問い合わせが増えているといいます。

今津取締役
「我々が原材料として製造しているライスレジンが、徐々にいろいろな形で広がって、いろいろな物への使用を(各企業が)目指している」
こちらの工場では、ライスレジンの製造量が年々伸び続け、今は年間500トンを製造。主に使用しているおコメは、古くなった備蓄米や規格外の小さなおコメなど。おコメの需要を高めることで、地元農家の雇用促進などにもつながると期待されています。

今津取締役
「原材料に国産のおコメを使っているのがポイント。使用している化石燃料の割合が減るので、価格や材料調達への影響が少ない」
おコメに秘められたパワー。石油だけに頼らない新たな選択肢として注目です!



コメント