インドで、トマトインフルエンザに続き、抗生物質の効かない「薬剤耐性の赤痢菌感染症」が子どもたちに各地で発生。すでに十数名が死亡
先日、インドで小さな子どもたちを中心とした「赤い発疹ができる」病気が流行していることを以下の記事で取りあげました。病原菌は今のところ不明です。
[記事] インドで乳幼児たちに深刻な症状の「謎の発疹性感染症」が広がる。つけられた名称は「トマトインフルエンザ」
投稿日:2022年6月2日
それと時期的にほぼ同時に、インドで、「薬剤耐性の赤痢」が流行していることがインドの複数のメディアで報じられています。
赤痢というのは、日本ではあまり聞かないものですが、それでも国立衛生研究所のページによりますと、
> わが国の赤痢患者数は、戦後しばらくは10万人を超え、2万人近くもの死者をみたが、1965 年半ば頃から激減し、1974 年には2,000人を割り、以降1,000人前後で推移している。 (国立衛生研究所)
ということで、一定数の症例は日本でも出ているもののようです。
治療には、脱水等に対する対症療法と、あとは抗生物質の投与ということになりますが、現在のインドで流行している赤痢菌は、
「いかなる抗生物質も効かない薬剤耐性菌」
の赤痢菌のようです。
インドのケララ州では、子どもや若い人たちを中心に 200人以上がこの赤痢を発症し、少なくとも 13人が亡くなったと報じられています。
現在は、世界中で小さな子どもたちに、かつてはなかった病気が拡大しています。
[記事] ブラジルでの小さな子どもたちの「単なる風邪による重症呼吸器症候群」が加速。感染が確認された子どもの数が2300%増加した病院も
投稿日:2022年5月27日
[記事] 小児の「原因不明の重症肝炎」の報告が世界十数カ国に拡大…
投稿日:2022年4月25日
これからの数年などで、どのようになっていくのかは今はわからないですが、とにかく子どもの病気が多くなっています。
この赤痢が日本で流行するとは考えにくいですが、現在、長く続く過剰な殺菌生活の中で、多くの子どもたちの免疫が下がっていることは否めません。
本当なら、小さな子どもたちは、体内の常在細菌や腸内細菌環境などを成長させていく中で、人間本来の免疫を獲得していく時期なのですが、この2年半は「それが剥奪されてしまった」ということがあります。小さな子どもに対しての過剰な消毒は「一種の殺人」だと私はずっと考えています。
[記事] カナダの微生物学者たちが「パンデミックでの過剰衛生や社会的距離が特に子どもたちの腸内細菌環境に影響を与えており、長期間の重大な健康上の影響を残す」とした警告を発表
In Deep 2021年2月4日
[記事] 過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくか
In Deep 2021年10月21日
それはともかくとして、インドの薬剤耐性赤痢菌についての報道をご紹介します。
2022年4月下旬以降、インドで広範囲に薬剤耐性の赤痢菌感染症が発生している
Extensively Drug-Resistant (XDR) Shigella Sonnei Infections Breaking Out In India Since Late April 2022
thailandmedical.news 2022/06/05
インドで今年最初に、この赤痢が報告されたのは、ケララ州の地元の医師が、2022年4月下旬に、2人の子供が関与する赤痢菌の症例を最初に特定した時だ。
この 2人の子供は、既存のさまざまな抗菌薬に反応しなかったために死亡した。
地元の医師たちは、広範囲にわたる薬剤耐性赤痢菌が流行していると保健当局に報告した。この子どもの死は、奇妙なことにインドのメディアで報道されることはなかった。
2022年5月初旬になり、58人がケララ州でこの病気にかかり、1人の少女がこの病気で亡くなったと報じられた。
ケララ州の保健当局は、より多くの監視が実施され、予防措置が課されると主張したが、実際には何も行われなかった。
その結果、それから 23人以上の学生たちがこの病気にかかり、少なくとも 3人がこの病気で亡くなった。
これらの症例でも、既存の抗菌剤ではこの病気を治療することができなかった。
今日まで、広範囲に薬剤耐性(XDR)または多剤耐性(MDR)の赤痢がインドで蔓延しているという多くの地元の医師や専門家たちによる警告にもかかわらず、当局は対応していない。
その後、これまでにケララ州全体で 206件以上の感染が報告され、13人が死亡し、カルナタカ州とタミルナードゥ州でも新たな症例が発生している。
多くの病院や診療所がそのような症例を適切に報告していないため、地元の保健当局は、これよりはるかに多くの症例がある可能性があると考えていると述べる。
これまでの症例では、そのほぼ 68%で患者は重篤な状態で、入院が必要だった。
中等度から重度の赤痢の症例では治療の選択肢が非常に限られているため、広範囲の薬剤耐性および多剤耐性の赤痢菌感染症は公衆衛生上の懸念事項だと WHO は述べている。
赤痢は赤痢菌によって引き起こされる病気であり、胃腸の感染症だ。症状には腹部のけいれん、吐き気、嘔吐、および発熱、そして、血を含む下痢が含まれる。
赤痢菌の感染ウイルス量は非常に低く、感染は人から人へ、または汚染された物体、食品、水を介して広がる可能性がある。
症状は通常、感染後 1〜2日で始まり、7日間程度続く。ほとんどの場合は抗生物質を必要とせずに回復する。
ただし、中等度から重度の場合は、抗生物質による治療が唯一の解決法だ。
WHOは、臨床的に診断された赤痢菌の症例を一次治療としてシプロフロキサシンで治療し、二次治療としてピブメシリナム、セフトリアキソン、またはアジスロマイシンで治療することを推奨しており、他の抗生物質は無効としている。
ただし、抗生物質による治療が失敗した場合は、通常、広範囲に薬剤耐性および多剤耐性の菌株が関与している可能性があると想定され、そのような発生は WHO に報告する必要がある。
しかし、これまでのところ、インドの保健当局は、症例がまだ発生している間、そのような報告を行っていない。
マイコメント
こうした様々な感染症が実はコロナワクチン接種後に起こる自己免疫力の大きな低下に
よるものではないかと思われます。
自己免疫力が低下してしまうと、どんな抗生物質も効果をもたらさないからです。
日本での症例はまだ公表されていませんが、すでに感染症例があるかもしれません。
また、日本では韓国に続きクロイツェル・ヤコブ病(ブリオン病)が何例か見られて
いて、コロナワクチン後遺症が顕在化してきています。
今年の年末以降、こうした症例が増えるのではないかと懸念されます。
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