岸田首相の失策で、アベノミクスは潰えた…ついに「失われた20年」が再来する予感

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岸田総理 政治・経済

岸田首相の失策で、アベノミクスは潰えた…ついに「失われた20年」が再来する予感

萩生田氏はまだ粘っているが…

先週の本コラムで、防衛増税はほぼ決まりかけており、一縷の望みは、財源確保にかかわる法案の扱いだと述べた。その法案について、政府(岸田政権・財務省)は次期通常国会に提出予定としている。

実施時期は確定しないが、この法案に増税措置が盛り込まれるはずだ。次期通常国会の提出が決まれば、防衛増税は確定する。

ただし、萩生田政調会長はまだ頑張っている。12月25日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」に出演し、防衛増税について「明確な方向性が出た時には、国民に判断してもらう必要も当然ある」と述べ、衆院の解散総選挙で信を問うべきだとの姿勢を示した。

5年後に1兆円超を増税でまかなう方針について、「必ずしも1兆円でなくてもいいわけだから、しっかり見れば、まだまだ使える金はあるのではないかと思うので、来年、深掘りしていく」と述べ、具体的には「歳出改革の努力、あるいは特別会計など」を挙げた。

この防衛増税は、アベノミクスの方向を大きく転換させることになる。安倍・菅政権では、民主党政権で決めた消費増税以外は、極力増税を回避してきた。本コラムにも書いたが、新型コロナ対策の100兆円予算も、政府・日銀の連合軍(安倍首相の言葉)により、増税せずに行った。

ここで、アベノミクス10年を振り返っておこう。

アベノミクスの最大の成果は、雇用の確保だった。筆者は安倍元首相と話す機会が多かったが、マクロ経済政策について、最低ラインは雇用の確保、その上に所得が高ければいいといつも説明した。そのために、財政政策と金融政策を使って、GDPギャップを解消しインフレを加速しない失業率(NAIRU)を目指すというシンプルなものだ。そうしたマクロ経済を表する筆者の基準もシンプルで、雇用の確保が出来れば60点、その上に所得の向上があれば40点を追加して100点満点とするものだ。

アベノミクスでいろいろなことを言う人がおり落第点という人も少なくないが、その評価基準について筆者にはさっぱり分からない。筆者は大学教授をしているが、学生の評価について、100満点でつける。その評価基準はどこの大学でも同じで予めシラバスで公開しているが、筆者の場合、授業点(出席点)が50点、定期試験が40点、レポート提出点が10点としている。この基準では、万が一定期試験が0点であっても、まじめに出席し正しいレポートを提出していれば、60点を取ることができ、及第(60点)となる。

アベノミクスの方向性が大転換

さて、アベノミクスを採点すると、安倍政権での雇用は歴代政権で最高である。雇用は失業率低下と就業者数で測れるが、安倍政権は400万人以上の就業者数増、1.3%の失業率低下だった。こうした点から見れば、雇用は60点満点だ。

所得の観点ではどうか。所得は実質GDP成長率で計るが、同時にインフレ率(名目GDPと実質GDPの比であるGDPデフレータ)をみておく。安倍政権は、実質GDPは0.4%、インフレ率は0.7%であり、高度成長期の歴代政権と比べると見劣りがする。戦後GDP統計のある鳩山政権以降の31政権において、安倍政権の実質GDP成長率は25位、インフレ率は2%から乖離でみると7位。

 

いずれにしても、戦後政権での安倍政権のGDPパフォーマンスはほぼ中位であるので、40点満点中20点である。

したがって、安倍政権の評価をすれば、雇用60点、GDP20点で、計80点だ。

なお、日本がデフレに陥った1995年以降の13政権の中では、安倍政権は実質GDP成長率で8番目、インフレ率では1位(安倍政権以外はすべてマイナス)だ。安倍政権は、デフレ経済にあって唯一デフレ脱却しかけた政権だった。

これが、数字から見たアベノミクスの評価である。

冒頭の防衛増税で、アベノミクスの方向性が違ってきた。防衛増税については、たかだか1兆円なので、防衛国債の範囲を拡大することか埋蔵金(外為特会や債務償還費を活用)でどう考えても回避できる。財務官僚がどうして増税したいとしか考えられない。

これで、思い出すのが、東日本大震災後の「ホップ、ステップ、ジャンプ」論だ。復興増税をホップとして、ステップ、ジャンプで二段階の消費増税を行う財務省の構想だった。実は、それを2011年6月20日の本コラムで暴露した。実際にはそのとおりになった。

日銀が現した馬脚

今回も、防衛増税はホップであり、ステップ、ジャンプで2段階消費増税を財務省は狙っている。そして、消費税率は15%になるだろう。そのためには、ともかく「増税」したのだ。

他方、金融政策でもアベノミクスの真逆の政策が実施されようとしている。

日銀は、20日容認する長期金利の上限と下限を0.25%から0.5%程度まで拡大した。会見で、黒田総裁は、事実上の利上げだとの指摘に対し、利上げではないと強調した。また、金融緩和は維持しているとし、景気にプラスとした。

市場の反応は、長期金利が0.2%程度上昇し、為替は5円程度円高になり、株価は800円程度下落した。黒田総裁は利上げでないと言ったが、市場の反応は長期金利の急騰だった。黒田総裁は9月26日の会見で、長期金利の上限引き上げは利上げに当たるのかとの質問に「それはなると思う。明らかに金融緩和の効果を阻害するので考えていない」と明言していたので、そのとおりだった。

その結果、急な円高になったが、黒田総裁は急な為替変動は好ましくないといっていたが、今回の円高は急な為替変動だ。

日銀事務方の説明は、イールドカーブの歪みの是正だ。

しかし、イールドカーブを是正して「金融緩和」するなら残存8〜9年の国債を買えばいいだけだ。日銀はこのあまりに稚拙な説明資料により、実際は「利上げ」したかった馬脚が現れた。いくら黒田総裁が利上げでないといっても、変動住宅ローン金利は既に上がっており、借入者の金利支払いはもうすぐなのでそろそろ誰の目にも分かるだろう。

また、10月24日付けの本コラムで書いたように、円安は日本経済全体のGDP押し上げ要因だったが、円高になったので、株価が急落したのは当然だ。

円安で企業の経常利益は過去最高となっており、円高が景気悪化につながるだろう。生産拠点の国内回帰の動きにも冷や水を浴びせかねない。

今後、住宅ローンの金利も上昇し、企業が融資を受ける条件も厳しくなるだろう。一方で、銀行など金融機関の経営には恩恵が大きい。今回の事実上の利上げは、雇用、GDPなどマクロ経済よりも金融機関を優遇した政策だといえる。

いずれにしても、市場から見れば、黒田総裁は従来の発言を翻した。しかし、これだけの政策方向の転換について、黒田総裁だけの独断とも考えにくい。岸田首相の了解があったと考えるのが自然だ。

いよいよアベノミクスから大きく舵が切られた。筆者の予感は、再びデフレ、失われた20年の再来だ。

マイコメント

安倍氏の政治的評価はいいとは言えないが、ひとつだけ評価できるものがある。
それが財務省と対峙し財務省の横暴を許さなかったことです。

消費税増税も確かにあったがあれは完全に財務省の策略にかかり騙されたからだろうと
思います。

そして、彼の死は偶然に起きたものではなく計画的なものでしょう。
その証拠にあれ以来誰も彼の死の真相を追求しようという動きはないでしょう。
マスコミや知識人、政治家でさえだんまりです。

しかし、岸田総理には少しは期待したのですが全く逆ですね。
日本をいかにしたら奈落の底に突き落とせるかしか考えていなようです。

コメント

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