コロナ緊急事態での食糧支援プログラムが終了するアメリカに大規模な飢餓が忍び寄る

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スーパーの棚に物がない 食糧問題

コロナ緊急事態での食糧支援プログラムが終了するアメリカに大規模な飢餓が忍び寄る

3000万人以上に深刻な食糧難が発生する可能性

アメリカは、パンデミックとロックダウンが始まった 2020年4月から、国家緊急事態宣言と共に、大規模な食糧支援プログラムを続けてきました。

州によって時期は多少異なりますが、この 3月でこの食糧支援プログラムが終了し、緊急給付金も 5月で終了します

パンデミックの食料支援「緊急給付金」 インフレで食費高騰する中、3月で終了

パンデミック時に始まった、低所得者向け食糧支援「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」の緊急給付金が、3月で打ち切りとなる。

…バイデン政権は、緊急事態宣言を5月に解除すると発表。これに伴い、緊急給付金も5月に打ち切られる事となった。

インフレにより食料価格がすでに約10%上昇する中、280万人以上の市民が3月から緊急給付金を失う。子供税額控除の拡大や緊急家賃支援プログラムなど、パンデミック時に始まった他の財政支援プログラムも終了する。

dailysunny.com

 

この食糧支援プログラムを受けているアメリカ人は、推定 3100万人だと、ワシントンポストは述べています。

他にも、さまざまなコロナしたでの市民援助が終わることを、ワシントンポストは記しています。

 

(米ワシントンポストより)

> この1年間で、ケンタッキー州を含む 18の州が公式な緊急事態を終了し、Covid の食糧給付を取り消した。他の 32州、コロンビア特別区、米領ヴァージン諸島、グアムについては 12月に緊急事態を終了し、追加支援は 3月に終了するよう義務づけた。

> 連邦政府の補助栄養支援プログラムによる給付の縮小は、パンデミック時にアメリカ人の雇用保護や所得向上のために費やされた数十億ドルの資金を元に戻すという政府による、より幅広い取り組みの一部だ。

> 過去1年半の間に、連邦政府は失業手当の支給を停止し、パンデミック時の子供税額控除を終了させた。また、加入者を増加させたメディケイドの調整も撤回されようとしており、何百万人ものアメリカ人が保険適用を失う危険にさらされている。

Washington Post

 

ちなみに、このワシントンポストの記事のタイトルは、「無料の食べ物を求める 1キロメートル以上の人々の列は、食糧支援が終了することに対しての警告を示している」でした。

まあ、通常の社会状態であったとしても、食糧を手にするのが難しい人たちが数多くいるアメリカなんですが、何より、

 

「今後、深刻な景気後退に陥る可能性が高い」

 

ということがあり、つまり、「通常の社会ではなくなる可能性がある」のです。

実際、現在、アメリカでは解雇の嵐が吹き荒れていまして、その上、今年、スタートアップ企業のほとんどが事業を存続できない可能性が出ています。これは、先日のシリコンバレー銀行の破綻がなくとも起きることがほぼ確実になっています。

こちらの記事で少しふれていますが、最近のアメリカの調査会社の調査で、

 

「欧米のスタートアップ企業の 80%が 2023年に破綻する可能性がある」

 

ということが示されていまして、今後数ヶ月、あるいは1年2年などの範囲で見ますと、アメリカの雇用状況は大変に厳しくなる可能性があります。

最近、アメリカで、「企業による解雇が 2009年以来最速のペースで急上昇している」と報じられていました。以下に翻訳しています。

アメリカのレイオフが 2009年以来最速のペースで急上昇 (2023/03/15)

> 今年これまでのところ、雇用主は 180,713人を削減する計画を発表しており、2022年の最初の 2か月で発表された 34,309人削減から 427% 増加している

 

この状況は、普通にすでに景気は後退しているといっていい状態です。

今後、銀行を含む企業の破綻の連鎖の可能性も高いですが、それについてはここではふれません。

以下の In Deep の記事をご参照いただければ幸いです。

 

[記事]「崩壊は一瞬で起こり得る」:迫るメルトダウンのメカニズムがようやく理解できました。そこには驚くべき事実が存在します
 In Deep 2023年3月14日

 

景気後退や不況あるいは恐慌の局面では、もちろん、いろいろと困難なことが増えるでしょうけれど、過去の例を見ても、食料危機が「命」という観点からは、もっとも大きな問題となると思われます。

 

それに、景気後退や、人口の急速な減少(一般的な人口減少のことではなく、超過死亡の増加のことです)などを考えると、時間の経過と共に、食料の輸送や管理などの「サプライチェーンの問題」もまた起きてくると思われます。

アメリカの超過死亡は、最近グラフが少し落ち着いてきましたが、累積ですと、公式数は以下のようになっています。2021年から現在までで、80万人近くの超過死亡があります。

2021年1月から2023年2月までのアメリカの超過死亡数

US Mortality

 

パンデミックの始まった 2020年4月からですと、アメリカの超過死亡数は 120万人を超えています

これは死亡数ではなく「超過死亡数」であり、それが年間で数十万単位で発生していては(そして、そこに労働年齢の人たちが含まれていた場合)労働人口とも関係しそうです。

ともかく、アメリカだけではないですが、今後、食糧の問題は、かつてとは異なる原因を含めて、大きな問題となっていくと思います。

これは、主要国全体が同様の問題に直面するはずです。

今度ばかりは、主要国の人々は、少し急いで多少の準備はするべきだと思われます。

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