90年ぶりに図書館に借りた本が返却される。その延滞料は?

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90年ぶりに図書館に借りた本が返却される。その延滞料は?

延滞料は驚きの金額だった!

 図書館で借りた本の返却期間を過ぎれば、通常延滞料金を払わなければならない。

 アメリカのニューヨーク郊外にある図書館では、90年前に貸し出した本が最近返却されたそうだ。貸し出された年はなんと1933年。第二次世界大戦がはじまる前のことだ。

 長年におよぶ延滞料金はものすごい金額になるのではと思ってしまうが、わずか5ドル(747円)の延滞料金を徴収したことを図書館側はSNSでシェアした。

90年ぶりに図書館に返却された本

 10月11日、ニューヨーク郊外にあるラーチモント公共図書館がFacebookでシェアした投稿が各メディアで伝えられた。

 それによると、貸出から90年ぶりに1冊の本が戻ってきたという。

 その本は、ジョセフ・コンラッドが1925年に出版した『青春と他の二つの物語』で、ラーチモント公共図書館が1933年に貸し出したものだった。

 その本について図書館に連絡してきたのはバージニア州に住むジョニー・モーガンさんだ。モーガンさんは、今年7月に義父の遺品の中からこの本を見つけた。その義父は1978年に亡くなったという。

 この件をシェアしたラーチモントの図書館司書キャロライン・カニンガムさんによると、その本はすでに戻ってきているそうだ。9月末にモーガンさんから郵送で返却されたとのこと。

 モーガンさんから届いた手紙によると、その本を借りていたのは彼女の義父のジミー・エリスさんという人物で、当時は最初の妻と2人の子供とともにラーチモント図書館がある地域で暮らしていたという。

 当時ラーチモント公共図書館から数百メートルのところに住んでいたジミーさんは、広告会社の重役兼作家また熱心な読書家でもあったので、息子たちにも読書を勧め、一家はラーチモント図書館から定期的に本を借りていたそうだ。

延滞料金はわずか5ドル

 この本には、90年間行方不明になる前に図書館に貸し出されたときのスタンプが手書きのカードに押されている。

 図書館が1926年に開館して以来おそらく最長の貸し出し時間と推測され、職員らは驚きを隠せなかったようだ。

 それだけの年月の延滞料金となるとかなりの金額になりそうだが、ラーチモント図書館はFacebookで次のように綴っている。

ラーチモントの利用者は、本の返却期限を過ぎると毎日20セントの(約20円)延滞料金を請求されますが、罰金の上限は5ドル(約750円)です。

図書館の本が30日経っても返却されない場合、その本は “紛失 “とみなされ、利用者はその本の最初の価格を請求されます。

ですが、後に本が返却されると最大5ドルの罰金に戻ります。

 90年後に返却されると予想もされていなかった本は、図書館のシステムから完全に外れてしまっていた。

 だが、図書館側は「この1件を面白いと思いSNSでシェアし、この信じられないような状況を、延滞本の返却が遅れた利用者のための学習経験に変えた」と話している。

 ちなみに、学生たちの夏休み期間の読書貸し出しリストからは、まだ多くの本が返却されていないそうだ。

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