食料品消費税1%の効果は?負担軽減でもインフレで恩恵薄い?「8%が1%に下がった割に価格は高く感じる」エコノミストが背景を解説
減税の恩恵云々よりも「減税した」という事実の方が財務省に与える打撃が大きい!
高市政権が来年4月からの実施を掲げている、食料品の消費税率1%への引き下げ案。現在8%の税率を2年間限定で1%に引き下げるというもので、家計の負担軽減への期待が高まる一方で、実現の時期や実際の効果については不透明感も漂っている。
【映像】食料品消費税1%でも“恩恵薄い”かもしれない理由
ニュース番組『わたしとニュース』では、この消費税減税をテーマに、減税が家計に与える実質的な影響やインフレ下における企業の価格転嫁の動きについて、みずほ総合研究所の酒井才介氏の解説を交え、経済愛好家の肉乃小路ニクヨ氏とともに深掘りした。
■3人家族で年間約6万円の軽減も、店頭価格に立ちはだかる「インフレ」の壁
高市早苗総理が悲願とする食料品の消費税減税。しかし同案をめぐっては、消費税減税などを話し合う国民会議では、中間取りまとめ案から「消費税」の文言が消え、見通しは立っていない。 「できたら夏前に議論が終わって必要な法整備に取り掛かりたかったのですが、8月の頭ぐらいでしたら十分に作業的に間に合いますので…」(高市総理)
では、実際に食料品の税率が1%に引き下げられた場合、家計の負担はどの程度軽くなるのだろうか。酒井氏は世帯ごとの具体的な軽減効果を次のように試算する。
「だいたい夫婦2人と子ども1人の3人の世帯で考えると、年間6万円ぐらい1年間の支出の負担、税率が下がった分、家計の負担が軽減される効果が見込まれる」(酒井氏、以下同) しかし、税率が7%分下がったからといって、店頭価格がそのまま安くなるとは限らない。現在、中東情勢による資源高や円安の進行、さらに人件費の上昇などが重なり、企業のコスト負担は増えているためだ。酒井氏は、減税のタイミングで企業が一斉に「値上げ」に踏み切る可能性を指摘する。
「消費税率を下げたタイミングで、企業の経営判断としてコストの上昇要因を価格に転嫁する動きが広まる可能性もある。インフレ圧力が続いていく可能性が高い。8%が1%に下がった割には価格って高いよねと感じる、そういう動きになることも展開としては考えられる」
■「1回取らないでおく」という新しい選択肢…ニクヨ氏が減税に賛成する理由
ニクヨ氏は今回の減税案に対して「やった方がいい」と前向きな姿勢を示す。 「消費税減税の必要があったのかなと思うところはあったが、2月の選挙でこれを公約として掲げて、民意がそこに反映されたところがあるのでやった方がいいと思っている。また、今後何か世界的な景気の問題があった際に、調整をできる訓練にもなると思う。ここで上げ下げを経験しておくと『こうすればいいのね』とノウハウもできる」 「(税金を)1回取って配るのか、それとも元々取らないでおくのかという考え方の違いもある。今まではずっと1回取って配ることをやってきたが、そうじゃないことを1回試してみてもいいのではと思っている」(ニクヨ氏、以下同)
■企業の価格転嫁はマイナスばかりではない?
また、酒井氏が懸念していた「企業の価格転嫁による減税効果相殺」についても、ニクヨ氏は独自の経済的視点から、決してマイナスばかりではないと話す。 「同時に考えられることとして、私たちにとってはそんなに値段が変わらないかもしれないが、価格転嫁できた企業としてはそれだけ利益を得ることができ会社の経営がほっと一息つける。多くは国内企業だと思うので、国内のお金がそこで回ることを考えると、あながちすべてがダメということではないと思う」
企業がインフレコストを適切に価格転嫁できれば、経営の安定化と利益の向上が見込め、それが将来的に従業員の賃金上昇へと繋がれば、結果として国内にお金が循環する流れが生まれるという考えだ。
現在、多くの企業が激しい円安やコスト高に追い詰められている。ニクヨ氏は、価格転嫁のハードルを下げるきっかけとして消費税減税を利用することは、中長期的に見れば経済を活性化させる一手となり得ると見る。
「円安をどう価格に転嫁していくかという点で、いいきっかけにはなってしまうかもしれないが、結果的にそれが国内にお金が回る1つの要素にもなると考えられるので、やっぱりやってしまった方がいいと思う」(ニクヨ氏) (『わたしとニュース』より)
ABEMA TIMES編集部


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