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銀行の本人確認、2027年4月1日から窓口でも「ICチップの読み取り」が原則に

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みずほ銀行 政治・経済

銀行の本人確認、2027年4月1日から窓口でも「ICチップの読み取り」が原則に

  1. 確認済みの顧客であっても、なりすましの疑いがある取引や、確認したときの内容を偽っていた疑いがある取引などは、改めて取引時確認の対象になります。
    1. 1. 銀行の本人確認、2027年4月1日から変わる2つの点
      1. 1.1 窓口では「ICチップの読み取り」が原則に
      2. 1.2 ネットや郵送では「画像や写しを送る方法」が原則廃止に
    2. 出所:警察庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正に係るQ&A」(2025年6月公布分)、e-Gov「犯罪による収益
    3. 2. 銀行の本人確認、すでにある口座は確認し直す必要なし
      1. 2.1 改正前の方法で開いた口座もそのまま使える
      2. 2.2 施行の直前に郵送で申し込む場合は注意
      3. 2.3 住所や氏名が変わったときも、確認のやり直しは義務ではない
    4. 3. 銀行の本人確認が必要になるのは口座開設や大口の現金取引
      1. 3.1 預貯金口座の開設や「200万円」を超える現金取引
      2. 3.2 すでにある口座でも改めて確認される場合
    5. 4. 銀行の本人確認、ICチップ付きの書類がないときの方法
      1. 4.1 窓口では書類を見せたうえで転送不要郵便を受け取る
      2. 4.2 ICチップ付きの写真付き書類の例
      3. 4.3 家族が代理人として手続きする場合
    6. 5. 【元銀行員の視点】銀行の本人確認は、写真のない書類で手順が増えてきた
    7. 6. 銀行の本人確認の変更は、新しく手続きをするときに関わる

確認済みの顧客であっても、なりすましの疑いがある取引や、確認したときの内容を偽っていた疑いがある取引などは、改めて取引時確認の対象になります。

「2027年から銀行口座が使えなくなる」。そんな話を動画やSNSで見かけて、不安に感じた方もいるのではないでしょうか。

国は、犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則を改正する命令を、2025年6月と2026年3月に公布しました。2027年4月1日から、金融機関で口座を作るときなどの本人確認では、マイナンバーカードや運転免許証のICチップを読み取る方法が原則になります。

本人確認のルールが変わっても、いま使っている口座がすぐに使えなくなるわけではありません。変わるのは主に、これから新しく手続きをする場面です。

この記事では、2027年4月1日から何が変わり、何が変わらないのかを、ICチップ付きの書類を持っていない場合の方法まで含めて解説します。

1. 銀行の本人確認、2027年4月1日から変わる2つの点

まずは、今回の改正で何が変わるのかを確認します。

1.1 窓口では「ICチップの読み取り」が原則に

現在、窓口で口座を作るときは、運転免許証やマイナンバーカードなど写真付きの本人確認書類を見せることで、本人確認ができる仕組みです。

2027年4月1日からは、写真付きの本人確認書類を見せるだけでなく、書類に組み込まれたICチップの情報を金融機関が読み取ることが原則になります。券面を偽造したなりすましを防ぐのがねらいです。

警察庁などが公表した意見募集の結果では、顧客が読み取りを拒んだ場合に、別の書類を見せることで代わりにする方法は認めない考え方が示されています。読み取りを拒みつつ、偽造した書類でなりすます事案が想定されるためです。

読み取りを拒む場合は、転送不要郵便を使う方法など、別の本人確認の方法で確認を受けることになります。

1.2 ネットや郵送では「画像や写しを送る方法」が原則廃止に

スマートフォンで本人確認書類と顔を撮影して送る方法や、本人確認書類の写しを郵送する方法は、偽造された書類によるなりすましのリスクが高いとして、原則として廃止されます。

改正後も、スマートフォンなどでICチップの情報を読み取って送る方法や、マイナンバーカードの電子証明書を使う方法は使えます。なお、ICチップ付きの書類やICチップを読み取れるスマートフォンを持っていない方に向けて、一定の本人確認書類の原本を送る方法は残されています。

2027年4月1日から変わる、金融機関での本人確認の方法1/3

窓口とネット・郵送での本人確認の方法を、改正前と改正後で比べた図

出所:警察庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正に係るQ&A」(2025年6月公布分)、e-Gov「犯罪による収益

2. 銀行の本人確認、すでにある口座は確認し直す必要なし

「口座が使えなくなる」という心配に関わるのが、この点です。

2.1 改正前の方法で開いた口座もそのまま使える

警察庁が2025年6月公布分の改正について公表した「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正に係るQ&A」では、今回廃止される方法で本人確認をして開いた預貯金口座について、施行後に別の方法で確認し直すことを求めるものではないと答えています。2026年3月公布分のQ&Aでも、施行前に済ませた取引時確認があれば、施行後に改めて実施し直す必要はないとしています。

また、金融機関がすでに本人確認などの手続き(取引時確認)を済ませ、その記録を保存している顧客との取引では、原則として改めて取引時確認を行う必要はありません。すなわち、ふだんの入出金や振込のたびに、ICチップを読み取られるわけではありません。

2.2 施行の直前に郵送で申し込む場合は注意

一方で、2027年4月1日をまたいで郵送で手続きをする場合は注意が必要です。2025年6月公布分のQ&Aでは、施行前に本人確認書類の写しを発送しても、金融機関が受け取ったのが施行後であれば、新しいルールのもとで別の方法により本人確認をし直す必要があるとしています。

2027年3月ごろに郵送で口座の開設を申し込む予定がある方は、早めに手続きを済ませておくことをおすすめします。

2.3 住所や氏名が変わったときも、確認のやり直しは義務ではない

同じQ&Aでは、本人確認のあとに住所などが変わった場合、金融機関は確認記録に変更の内容を書き加える必要があるものの、改めて本人確認を行う必要はないとしています。

ただし、変更の届出に必要な書類は金融機関ごとに定めがあります。届け出る前に、取引している金融機関に確認してください。

すでにある口座は確認し直す必要がなく、施行をまたぐ郵送の手続きだけは新しいルールで確認し直しになる2/3

今ある口座、住所などが変わったとき、施行をまたぐ郵送の3つの場合の扱いを並べた図

出所:警察庁「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の改正に係るQ&A」(2025年6月公布分)、警察庁「犯罪収益移転防止法の概要」をもとにLIMO編集部作成

3. 銀行の本人確認が必要になるのは口座開設や大口の現金取引

では、どのような場面で本人確認が求められるのでしょうか。

3.1 預貯金口座の開設や「200万円」を超える現金取引

犯罪による収益の移転防止に関する法律では、金融機関で取引時確認が必要になる取引が定められています。代表的なものは次のとおりです。

  • 預貯金口座の開設(預貯金契約の締結)
  • 200万円を超える大口の現金取引

このほかにも対象となる取引があります。なお、金額が基準以下でも、1回あたりの金額を減らすために取引を分けていることが明らかな場合は、1つの取引とみなされます。

3.2 すでにある口座でも改めて確認される場合

確認済みの顧客であっても、なりすましの疑いがある取引や、確認したときの内容を偽っていた疑いがある取引などは、改めて取引時確認の対象になります。

窓口で取引の目的などを尋ねられることがあるのは、こうした確認が法律で求められているためです。

4. 銀行の本人確認、ICチップ付きの書類がないときの方法

運転免許証を返納したなどの理由で、ICチップ付きの写真付き書類を持っていない方もいるのではないでしょうか。

4.1 窓口では書類を見せたうえで転送不要郵便を受け取る

意見募集の結果では、ICチップが組み込まれた写真付き本人確認書類を持っていない方も、窓口で本人確認を受けられるよう、補完的な方法を設けたと説明しています。

具体的には、ICチップのない写真付きの書類や住民票の写しなどを見せたうえで、取引に関する書類を転送不要郵便などで自宅に送ってもらう方法です。郵便物を自宅で受け取ることまでが、本人確認の一部になります。

2026年3月公布分のQ&Aでは、ICチップのない写真付きの書類の例として、運転経歴証明書や身体障害者手帳を挙げています。

4.2 ICチップ付きの写真付き書類の例

同じQ&Aでは、ICチップが組み込まれた写真付きの本人確認書類の例として、次のものを挙げています。

  • マイナンバーカード
  • 運転免許証
  • 在留カード・特別永住者証明書
  • パスポート(旅券)

有効期限のある書類は、本人確認を受ける日に有効期限内であることも必要です。なお、2020年2月4日以降に発行されたパスポートには住所の記載がないため、住所が分かる別の書類も求められます。

4.3 家族が代理人として手続きする場合

家族が代理人として窓口で手続きをする場合は、本人と代理人の両方の本人確認書類について、ICチップの情報を読み取ることが原則になります。

5. 【元銀行員の視点】銀行の本人確認は、写真のない書類で手順が増えてきた

運転免許証を持っていない方は、健康保険証など写真のない書類を持って来店されることもありました。2016年10月からは、写真のない書類で本人確認をする場合、転送不要郵便で書類を送るなどの確認が加わりました。

その場で手続きが終わらないことに、戸惑う方も少なくなかったように思います。2027年4月からの改正は、写真付きの書類にもICチップの読み取りが加わるという、同じ流れの続きにあるといえます。

相続の手続きや退職金の受け取りなどで、新しく口座を作る予定がある方は、マイナンバーカードや運転免許証の有効期限が切れていないかを確認しておきましょう。

また、「ルールが変わって口座が使えなくなる」などと電話で連絡し、暗証番号やキャッシュカードを聞き出そうとする手口には注意してください。

6. 銀行の本人確認の変更は、新しく手続きをするときに関わる

2027年4月1日から、金融機関の窓口での本人確認はICチップの読み取りが原則になり、ネットや郵送では画像や写しを送る方法が原則として廃止されます。

一方で、すでにある口座について、本人確認を受け直す必要はありません。ICチップ付きの書類がない方にも、運転経歴証明書や住民票の写しなどと転送不要郵便を組み合わせる方法が残されています。

新しく口座を作る予定がある方は、手元の本人確認書類を確かめたうえで、必要なものを取引している金融機関に問い合わせてみてください。

※本記事は2026年11月2日時点の情報をもとにしています。具体的な手続きや必要書類は、金融機関によって異なる場合があります。

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