英NHS幹部、病院が「前例のないインフルエンザシーズン」に直面と警告

イングランドではインフルエンザ患者数がこの時期としては過去最高を記録し、NHS（国民保健サービス）の幹部が「前例のないインフルエンザの季節に直面している」と警告している。

木曜日に発表されたデータによると、インフルエンザによる入院率が先週1週間で63％急増した。

NHSのデータによれば、先週のインフルエンザ入院患者数は平均1,700人に達し、前年同期比で56％増加している。

BBC報道：インフルエンザの流行が今年は例年より1か月早く到来した。専門家は、より深刻なウイルス株が流行しているようだと警告している。

英国民保健サービス（NHS）の幹部は、患者に対し日常的な些細な症状で救急外来を混雑させないよう呼びかけている。新たな統計によると、昨冬にはしゃっくりや巻き爪といった軽度の症状で病院を訪れた患者が数千人にも上ったことが明らかになった。

NHSイングランドによると、昨年11月から今年2月にかけてイングランドでは、他の医療機関で対応可能な症状による救急外来受診が20万件以上発生した。

これは4か月間の総受診数の2％以上に相当し、逼迫状態の救急医療に貴重な資源を割いていると医療当局は指摘した。

こうした軽症患者には、薬剤師やかかりつけ医、NHS 111（電話またはオンライン）など他の手段での対応が推奨されている。自宅での対処が可能なケースもあるためだ。

深刻な懸念

イングランド国民保健サービス（NHS）の緊急医療担当責任者、ジュリアン・レッドヘッド教授は、病院でのインフルエンザ患者数の増加に加え、クリスマス前の医師ストライキ増加に備える必要があると述べた。

英国医師会（BMA）加盟医師は、長期化する賃金交渉をめぐり、12月17日から5日間のストライキに参加する。

レッドヘッド教授は次のように述べた。「本日の数値は我々の最も深刻な懸念を裏付けている。医療サービスは今冬、前例のないインフルエンザの波に備えている。この時期としては症例数が異常に高く、ピークの兆候はまだ見られない」

同教授は、今後数週間で職員が「限界点に近い状態」に追い込まれる可能性があると指摘した。

すでに病床の約2％がインフルエンザ患者で占められており、先週の平均1,700床は2010年の記録開始以来、冬のこの時期としては過去最高となった。

木曜朝のイングランド国民保健サービス（NHS）理事会で、ジム・マッキー最高経営責任者（CEO）は患者数が急激に増加し続けていると警告した。

「非常に、非常に大きな増加が見られています」と彼は述べた。

同氏は、来週末までにインフルエンザ患者が5,000～8,000床を占める可能性があると示唆した。これまでの最高記録は5,400床である。

この状況を踏まえ、迫る医師ストライキは「残酷」で「計算された」ものであり、「混乱を引き起こす」ことを目的としていると述べた。