「エアコン27年問題」、新基準対応で低価格モデル2万~3万円高く…駆け込み需要で売り上げ2・5倍
2027年4月からエアコンの省エネ基準が厳しくなる新基準導入を前に、買い替えの駆け込み需要が高まっている。低価格モデルを中心に販売価格が上がるとみられているためだ。一方で省エネ性能の向上により電気代は安くなる。夏本番を控え、本体価格と電気代のバランスが買い替えのポイントになりそうだ。(中山知香)
「安いエアコンなくなるのか」
家電量販店ノジマの池袋東武店(東京都豊島区)では5月に入り、エアコンを求める来店客数が前年同期の2倍に増え、売り上げは2・5倍に伸びている。全国的に暑い日が増え、全店で同じ傾向だという。
店頭に並ぶエアコンの約半数は、高価格帯モデルを中心にすでに新基準に対応しているが、売れ筋は現行基準の低価格モデル。省エネ性能を絞って価格を抑えており、新基準導入後は販売されなくなる見通しだ。
ノジマによると、現在5万~6万円台の機種は、新基準対応に伴う高機能化で少なくとも2万~3万円は高くなる可能性がある。
売り場には「2027年問題」を知らせるモニターが置かれ、「安いエアコンはなくなるのか」といった問い合わせも増えており、「家中のエアコンを買い替えるため、複数台まとめて購入する人が多い」(西本智宏店長)という。
電気代18万円減
エアコンは家庭の消費電力の約3割を占めるとされる。新基準は、脱炭素社会を目指してエネルギー効率を高めるのが目的で、現行の10年度基準に比べ、機種によって13・8~34・7%の効率改善をメーカーに求めている。
メーカーも相次いで新基準モデルを発売している。シャープは3月までに、独自の空気浄化技術「プラズマクラスター」の新モデル「Rシリーズ」8機種を売り出した。ほかのシリーズも順次対応する。パナソニックや三菱電機は、現在販売している5~6割は新基準をクリアしており、他の機種も新基準対応に切り替える方針だ。
資源エネルギー庁の試算によると、新基準の機種に買い替えた場合、電気代は6畳用で年間約2760円、14畳用は約1万2600円安くなる。平均使用年数は約14年とされ、電気代をそれぞれ計約4万円、計約18万円減らせる計算だ。
BCN総研の細田立圭志アナリストは「初期費用と電気代のどちらを抑えるかの選択になる。値上げ前に注文が集中することが予想され、設置工事に時間がかかる場合があるので、買い替える場合は早めがいい」とアドバイスしている。




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