ビタミンCは「脳機能の低下を防ぐために必要な要素」である可能性を強く示した日本の論文
ビタミンCの大きな役割のひとつが再発見される
ビタミンCというと、「免疫によさそう」とか、「風邪などをひいたときに飲んだり」というような感じのものではありますが、最近の論文で、
「血中のビタミンC濃度の低下はアルツハイマーなどの脳機能低下と関連がある」
ということが示されていました。
研究は、弘前大学の大学院医学研究科などの日本の研究者たちによって行われたもので、論文は以下にあります。
血漿ビタミンC濃度はMRIによる脳構造ネットワークと関連している:大規模コホート研究
Plasma vitamin C levels are associated with brain structural networks on MRI: A large cohort study
PLOS One 2026/06/10
今回はこの論文を取りあげていたエポックタイムズ紙の記事をご紹介したいと思いますが、興味深かったのは、以下の記述があったことです。
血中ビタミンC濃度が低いと、灰白質の体積が減少し、記憶、自己反省、将来の計画に関わる脳領域のネットワークであるデフォルトモードネットワーク(DMN)内の接続性が弱まることがわかった。
この「デフォルトモードネットワーク(DMN)」というのは、脳神経活動のひとつで、
「ボーッとしている時に働く脳の神経活動」
で、これが、脳の創造性に大きく関係していることがわかっています。
DMNとは、デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)の略語。ぼんやりした状態の脳が行なっている神経活動のことです。近年の脳科学研究により、DMNの働きは「創造性」と関係していることがわかっています。DMNが活発になると創造力が高まり、いろいろなアイデアが浮かんできやすいのです。 studyhacker.net
人間は 1日の中で「何の外部からの刺激も受けずにボーッとする時間が大変に重要だ」ということが脳科学でわかってきているのです。
これは In Deep の以下の記事の後半「子どもからデフォルト・モード・ネットワークを奪うデジタルデバイスたち」というセクションでふれています。
英国の研究が「コロナのロックダウンが子どもの発達障害を著しく増加させた」と結論付ける。しかし、原因は複合的であり、最近は「デフォルト・モード・ネットワークの喪失による知能低下」という問題も
In Deep 2025年11月29日
血中のビタミンC濃度が低いと、このデフォルト・モード・ネットワークの機能(接続性)が弱まるらしいのですね。つまり、創造性やひらめきが失われてしまうと。
そう言い切っていいのかどうかはわからないですが、
「脳機能の老化や衰えを防ぐためにはビタミンCは必須かもしれない」
ということになるのかもしれません。
「脳機能維持」などというフレーズを聞いて、ついビタミンCサプリを買ってしまった私でしたが(苦笑)、健康な食生活をしているのなら、日常の食生活で十分に摂取できる範囲だとは思います。
ここからエポックタイムズの記事です。
ビタミンC不足は脳容積の減少と関連していることが研究で判明
Low Vitamin C Linked to Reduced Brain Volume, Study Finds
Epoch Times 2026/07/21
ビタミンCは免疫サポートや抗酸化作用で最もよく知られているが、脳内ではあまり知られていない役割もいくつか担っている。

ビタミンCは免疫力向上剤として広く知られているが、科学者たちは近年、その最も重要な役割の一つが、加齢に伴う脳機能の低下を防ぐことにある可能性をますます発見しつつある。
その可能性は、最近行われた 2,000人以上の日本人高齢者を対象とした研究によって新たな裏付けを得た。
研究者たちは、血中ビタミンC濃度が低い参加者は、アルツハイマー病で最初に影響を受ける脳ネットワークの一つにおいて、灰白質が少なく、神経伝達が弱いことを発見した。
認知老化を研究する臨床医兼研究者で、今回の研究には関与していないトーマス・ホランド博士によれば、脳を都市に例えるなら、灰白質は建物、神経ネットワークは建物と建物をつなぐ高速道路に相当するという。
「ビタミンCの血中濃度が高い人は、脳の重要な領域をつなぐ『構造物』がよりよく保存され、より健康な『経路』を持っているように見えた」と、ホランド氏はエポックタイムズ紙に語った。
脳の主要領域の変化
PLOS One 誌に掲載されたこの研究結果は、平均年齢 70歳の成人を対象とした。参加者は MRI スキャンを受けて脳の容積と神経結合を評価し、研究者たちは一晩絶食後の血中ビタミンC濃度を測定した。
血中ビタミンC濃度が低いと、灰白質の体積が減少し、記憶、自己反省、将来の計画に関わる脳領域のネットワークであるデフォルトモードネットワーク(DMN)内の接続性が弱まることがわかった。
灰白質には脳の神経細胞が多数含まれており、灰白質の体積減少は脳組織の喪失や萎縮の指標と考えられている。
年齢、性別、認知機能、学歴、喫煙、飲酒、運動などの生活習慣要因を調整した後でも、この関連性は維持された。
「DMN(デフォルトモードネットワーク)内の構造的損失と接続性の低下は、アルツハイマー病や軽度認知障害などの認知機能障害の初期臨床症状として知られています」と、弘前大学の助教で本研究の責任著者である新拓智弘博士はエポックタイムズに語った。
ビタミンCが脳構造に及ぼす影響は、確立された生活習慣や血管疾患のリスク要因と同程度の大きさであり、わずかな違いでも集団レベルでは重要になり得ることを示唆していると新拓博士は述べた。
ビタミンCが脳にとって重要な理由
ビタミンCは免疫サポートや抗酸化作用でよく知られているが、脳内でもあまり知られていない重要な役割を担っている。
加齢とともに蓄積するフリーラジカルを中和し、脳組織の構造的完全性を長期的に保護する効果が期待できる。また、脳細胞間の情報伝達に用いられる神経伝達物質の合成もサポートする。
人間はビタミンCを体内で生成できないため、食事から摂取する必要がある。ビタミンCを豊富に含む食品には、柑橘類、ベリー類、葉物野菜などがある。
推奨される摂取量は、ほとんどの成人女性で 1日75mg、ほとんどの成人男性で 1日 90mgとされる。一部の研究者は、摂取量を増やすことで体組織を完全に飽和させ、さらなる利点が得られる可能性があると提唱しているが、長期的な脳の健康にとって最適な摂取量はまだ確立されていない。
過去の研究
今回の新たな発見は、ビタミンCの適切な摂取量と認知機能の向上との関連性を示す、増え続ける証拠に新たな知見を加えるものだ。
2002年にオランダで行われた研究では、5,395人を 6年間追跡調査した結果、ビタミンCとEの摂取量が多いほど、アルツハイマー病のリスクが 18%低いことが分かった。
他の研究では、欠乏症状を引き起こすほどではない低レベルのビタミンCであっても、高齢者の記憶力低下や情報処理速度の低下と関連していることが分かっている。
2022年に発表された12件の研究をレビューした結果も同様に、アルツハイマー病患者は認知機能が正常な成人に比べて血中ビタミンC濃度が著しく低いことが一貫して示されており、この栄養素が病気の進行に何らかの役割を果たしている可能性が示唆されている。
ビタミンCはパズルのピースの一つに過ぎない
研究者たちは、今回の研究がビタミンCが脳を直接保護することを証明するものではないと注意を促している。その理由の一つとして、ビタミンCの血中濃度が高い人は、一般的に健康的な生活習慣を送っていることが多いことが挙げられる。
ビタミンCは、地中海式食事法やマインド食(MIND / 神経変性疾患の進行を遅らせるための地中海式・DASH食介入)ダイエットなど、全体的な食生活パターンの一部として捉えるべきだと、ホランド氏は述べた。
「特定の食品やビタミンだけで認知症を予防することはできません」とホランド氏は述べた。「しかし、ビタミンCが豊富な果物や野菜をたっぷり摂るなど、栄養価の高い食事を継続的に摂ることは、長期的に認知機能を維持するのに役立つ可能性があります」
ここまでです。
ここに「マインド食」という言葉が出てきますが、以下のような食事法のようです。
マインド食
しっかり食べるもの(10のグループ)
・緑の葉野菜: 週6回以上
・その他の野菜: 1日1回以上
・ベリー類: 週2回以上(ブルーベリーやいちごなど)
・ナッツ類: 週5回以上
・豆類: 週4回以上
・全粒穀物: 1日3回以上(玄米や全粒粉パンなど)
・魚: 週1回以上
・鶏肉: 週2回以上
・オリーブオイル: 普段使う油の基本にする
・ワイン: 1日グラス1杯程度(飲む場合)控えるもの(5つのグループ)
・赤身肉(牛・豚)および加工肉: 週に3回まで
・バターやマーガリン: 1日大さじ1杯未満
・チーズ: 週1回まで
・お菓子やスイーツ: 週5回未満
・揚げ物やファストフード: 週1回未満



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