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「在庫切れで商品が買えない」…「顧客満足度」が地に落ちたワークマン、人気商品をなんと「10倍生産」体制へ

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ワークマン 政治・経済
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「在庫切れで商品が買えない」…「顧客満足度」が地に落ちたワークマン、人気商品をなんと「10倍生産」体制へ

これまでのワークマンは「ビビってたくさんの商品を作れなかった」

9月1日、ワークマンが2025年秋冬商品の発表会を行いました。「WORKMAN EXPO 2025秋冬」では、今季ワークマンが力を入れる2つの商品も紹介されています。リカバリーウェア「MEDIHEAL(R)」(以下、メディヒール)、着る断熱材である「XShelter」(以下、エックスシェルター)です。

当日は株式会社ワークマンの土屋哲雄専務取締役が今後の展開について発表、それを受けて筆者は取締役 商品本部長の大内康二さんに話をうかがいました。

地に落ちた「顧客満足度」

ワークマンが販売する商品は驚くような機能性を持ちながら圧倒的な低価格。ネットでも話題になることが多いのですが、大きな問題がありました。「商品が買えない」ということです。

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人気商品はあっという間に在庫切れとなり、店頭や公式オンラインから姿を消します。欲しくても買えないために、消費者は落胆し、時にイライラすることも。場合によってはメルカリなどのフリマアプリで高額転売されることもあり、顧客満足度が地に落ちたと言ってもいいでしょう。

登壇される土屋哲雄専務取締役
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ワークマンとしてもそのことをしっかりと認識し、今季は45年ぶりの本気モードに入りました。人気商品はこれまでの10倍生産、製品開発・販促・売場づくりの連動、大型物流センター稼働、そしてワークマンアプリのスタート、この4つを掲げました。

特に注目したいのが、本気の生産体制。秋冬の重点商品であるエックスシェルターは昨年の8倍125万点、リカバリーウェアのメディヒールは10倍の200万点に拡大します。エックスシェルターの場合50億円、メディヒールは34億円の投資となるそう。他の主力商品を含めると、今季は465万点で133億円の投資となりました。

土屋専務は、これまでのワークマンは「ビビってたくさんの商品を作れなかった」と反省の色を滲ませていました。ワークマンは価格や機能性においては他社を圧倒することもあり負ける要因は少ないでしょうが、在庫を抱えることによって自滅する可能性はあります。そのリスクを考えるのは企業として当然ですが、今季から本気を出し、在庫切れを起こさない、顧客が満足する環境を作っていくことになります。

エックスシェルターは、今後もワークマンの主力商品に

昨年の秋冬に新素材として発表されたエックスシェルターは、たった4日で2万点の予約が埋まるほどの人気ぶり。そのあと多少店頭に並んだものの、手に入れることができなかった人がたくさんいました。

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そこで今季は8倍の125万点の量産に踏み切ったわけですが、いきなり8倍ってすごくないか?というのが筆者の正直な感想でした。

画像商品:エックスシェルター断熱αプレミアムギガパフダウンコート。9800円(税込)
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これについて商品本部長の大内さんは、思い切ったということではないとおっしゃいました。昨年の売れ行きや昨今の気象条件、そしてエックスシェルターの機能性などを踏まえると、この商品をワークマンの軸の1つにし、今後も展開をしていくことになります。それは秋冬商品だけではなく、春夏商品でも同じ。そのためには商品の機能性の向上、ラインアップの充実、在庫切れを起こさない量産体制が不可欠となります。

ワークマンのリカバリーウェア、ワンシーズンで200万点計画

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リカバリーウェアが注目される中で、ワークマンは武井壮さんをアンバサダーに起用し、2025年秋冬で200万点の販売を目指します。これはかなり強気の数字だと筆者は感じました。というのも、例えばリカバリーウェアを展開するベネクスでも、これまでのシリーズ累計販売数が220万点だからです。もちろん価格の違いはあるにせよ、ワンシーズンでこの数字をたたき出そうというのは、ワークマンがそれだけ自信を持って商品を販売するからなのでしょう。

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ワークマンでは、いきなりリカバリーウェアの販売に至ったわけではありません。2021年の春夏から販売をスタートして、これまで170万点を販売しています。当時は体を酷使するような仕事をする人をターゲットとした疲労回復のためのリカバリーウェアでした。そのため、あまり一般化されていなかったのです。しかし、昨今のリカバリーブームともいうべき風潮もあり、気軽にリカバリーウェアを取り入れる人も増えました。

ワークマンでもリラックスタイムに着用できるようなルームウェアを販売していますが、いかんせん、2025年春夏までは生産数が少なすぎました。店舗でもあっという間に在庫切れとなり、リカバリーウェアにおいてもお客さんは不満を抱えることに。そのため今季は200万点を販売することになります。そして2026年春夏には330万点、年間販売数530万点で業界トップを狙います。

今後のメディヒールの展開を大内さんにお聞きすると、現在の素材の他に、例えばベロアやニットなどの素材を開発していく可能性もあるとのこと。そして現在はルームウェアがメインですが、インナーの展開や、一般医療機器よりもしっかりとしたリスク管理が必要となる管理医療機器の展開もありえます。

ただ24時間リカバリーということに関しては、他社とは違う考えを持っているようです。仕事をしながら同時にリカバリーとなると、「仕事なの?疲労回復なの?どっちなの?」となりかねません。特にワークマンでは働く人、体を動かす人へのウェアもたくさんあることから矛盾を感じてしまうのでしょう。基本的には体を休めるタイミングで着用するリカバリーウェアとしての展開を進めていくとのこと。

上下で3800円は驚異的な安さ

メディヒールは上下セットでも価格は3800円(税込)です(一部例外もあり)。リカバリーウェアは価格が高いことで有名です。パジャマなのに上下で3万円!?となる場合も。それと比較すると驚異的な安さです。

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ここまで価格を下げられるのは以下の4つのポイントがあります。

1:全国1063店舗で販売するスケールメリット(大量生産が可能に)(店舗数は2025年9月1日現在)

2:3〜4月、9〜10月の工場閑散期に集中生産することで製造コストを削減

3:3種類の素材を横展開して集中投下することで研究開発費を圧縮(業界大手は10種類以上の素材を分散して使用しているため、1種類ごとの認証試験などにコストがかかってしまう)

4:CMなどの広告宣伝費をかけずSNSを活用

価格が安いと効果が得られないのではないかと心配の声も聞こえてきそうですが、ワークマンのリカバリーウェアは一般医療機器の登録をしています。一般医療機器と明確に記載ができるのは、エビデンスがあるからこそ。価格が安いうえにきちんとリカバリーするウェアと思って問題ありません(効果には個人差があります)。

なぜワークマンは新素材を次々開発できるのか

エックスシェルターをはじめ、針の穴程度であれば修復ができるリペアテックの素材、火の粉がついても広がりにくい素材、驚くほど軽い素材、驚異的な撥水性や透湿性のある素材など、ワークマンは次々と新素材を発表し続けてきました。なぜこれほどまでに開発ができるのかというと、開発チームが海外の企業を常にチェックし、「このような素材はないか」という要望を相手に投げているからなのだそう。

ただ、その要望にあった提案があっても、そのまま使うことはありません。きちんとしたエビデンスをとり、さらにブラッシュアップした形で世に出していきます。ワークマンの商品のタグを見ると、第三者機関での調査結果によるエビデンスが掲載されていることも少なくありません。エビデンスがないものを販売するわけにはいきませんから、全ては誰もが納得できる数字を示してからになるのです。

今後の展開を商品本部長はどう考えているのか

防寒や冷感などの気象条件に合わせたウェア、そしてリカバリーというジャンル、他にもキャンプなどのアウトドアなど、これまでワークマンは複数のカテゴリで商品を展開してきました。今後の展開を大内さんにうかがうと、生地物で勝負をすると力強く答えてくれました。

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エックスシェルターもそうですが、機能性のある生地を活かし、開発して商品を展開していきます。ワークマンの強みは、驚くような機能を持った生地。もともと作業服から始まった企業でもあり、いかに快適に働けるかを考えているのだろうなと、大内さんの話を聞いて思いました。今後どのような機能がプラスされ、どのような形で仕掛けてくるのか。ワークマンの今後に期待せずにはいられません。

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