夕食難民に「甘えるな」と“自炊警察”。人には自炊できない事情がある

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夕食難民に「甘えるな」と“自炊警察”。人には自炊できない事情がある

二度目の緊急事態宣言が発令され、該当地域の飲食店には20時までの時短営業が要請された。その影響で仕事終わりに食べる店がなく困ってしまう人々(=夕食難民)が発生。話題を呼んだが、彼らに追い討ちをかけようとする「自炊警察」と呼ばれる人たちまで登場した。

夕食難民に自炊を強要する「自炊警察」

「外食ができないなら自炊をしろ!」

 夕食難民に対し、SNS上で厳しい言葉を投げる自炊警察。それを目にした当初、自粛期間中に外食は控えてほしいという意味合いかと推測したが、そうでもないようだ。シンプルに「自炊ぐらいすれば?」と言いたいらしい。

 とはいえ、残業で帰宅が遅くなりがちな独身者や共働きの夫婦など、体力や精神面で自炊をする余力がないという人は数多く存在している。そんな状況を自炊警察は「甘え」だと叱咤するのだ。

長時間労働後の自炊は大仕事

 実際、長時間労働後の自炊がどれだけ大変なことなのか。コロナ禍以前はよく飲み歩いていたという会社員の郷田隆さん(31歳・独身・仮名)がこう話す。

「時短営業が21時までの時は外食していたけど、20時に変わってからは仕方なく自炊をするようになりました。作るのは簡単に済ませたりできるけど、結局片付けが面倒なので洗い物を何日もためてしまいますね」

 自炊はただ単に料理を作るだけではなく、片付けるまでが自炊である。疲れ果てて帰ってくる人たちにとっては大仕事なのだ……。

 また、長時間労働を終えて自宅へ帰り、一人前の料理を作るのと、外でサクッと夕食を済ますのとでは、コストも労力もずいぶん違うと思う。ひとり暮らしの場合、自炊をする方が食材費が割高になってしまい、かえってお金を使ってしまうことにもなりかねない。

田舎ではスーパーの閉店時間が早い

「夕食難民」が自炊できない理由は他にも。実際、物理的にできないことである。  たとえば、スーパーの営業時間による問題だ。都心には24時間営業しているスーパーは多数存在するが、田舎の場合はそうもいかない。

 愛知県の田舎に住んでいる筆者の町では、飲食店と共にどこのスーパーも20時には営業が終了してしまう。薬局は21時まで営業している店もあるが、閉店間際に買い物へ行っても肉や野菜が売り切れているなんてこともザラにある。  つまり田舎の場合、残業をして仕事から帰ってくる頃にはコンビニくらいしか選択肢がないのだ……。

「自分がいちばん正しい」という思い込み

 本来ならばコロナ禍において人々は助け合っていくべきなのだが、ピンチの時こそ本性が露わになる。「◯◯警察」と呼ばれる人たちは、自分がいちばん正しいと思い込み、その正義感や価値観を他人に押し付けようとする。

 正義感を持つことは決して悪いことではないが、自分と他人の境界線を超えてしまうと問題が生じてしまう。  外食する際には十分な配慮が必要だが、外食すること自体は犯罪ではないのだ。とはいえ、ウィズコロナの時代。自粛疲れもあるかもしれないが、今後新たな「◯◯警察」も現れてくるに違いない……。

<取材・文/桃沢もちこ> 【桃沢もちこ】 愛知県出身、’93年生まれ。好奇心旺盛の雑食オタクライター。主にアイドルを追っかけてます。趣味はサウナ、旅行、飲酒、カルト映画など。アングラカルチャーが好きです。Twitter:@mochico1407

マイコメント

日本はどんどんいびつな方に変化しているようですね。

SNSは自由はものを言える環境がありますが、問題の根源は自炊するしないではなく国が
時短営業を要請しているところにあるので、外食できない人は被害者でしょう。

そこまでしてコロナを封じ込めるという自粛&時短要請が実効を上げていないことを見れば
自粛・時短にはコロナを封じ込める力がないことがわかりそうなものです。

責めるべきはおかしな対策を要請する政府でしょう。外食を利用する個人ではありません。






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