ドルの崩壊が、曖昧ではなく始まった

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ドル 金融

ドルの崩壊が、曖昧ではなく始まった

世界はドル崩壊後に備えている?

Bitly

ドル崩壊後の世界化が加速中

最近の流れを見ていますと、「想像以上に流れが加速化している」ように見えるもののひとつに、

 

「ドルの死」

 

というものがあります。

ドルと米国債の死というものに関して、信憑性はよくわらないですが、最近、ケニアのウィリアム・キプチルチル・サモエイ・アラップ・ルト大統領が、自国民に対し、

「数週間以内にドルを放棄しなさい」

と、テレビで放映された演説で述べたことが報じられていました。

以下の記事でご紹介しています。

近いうちに「膨大なドルと米国債の破棄」が起きる? ケニアの大統領が、自国民に「即刻ドルを処分するよう」演説で通達。その理由とされているオペレーション・サンドマンとは…
In Deep 2023年3月29日

 

米国債のほうはともかく、ドルに関して、各国において、「突然の放棄」と言いたくなるような事態が多く報じられています。

以下のリンクで、それぞれ海外の記事を翻訳していますが、

 

・中国とブラジルが「貿易でドルの使用を放棄」することに合意 (リンク

・フランスが史上初めて、ドルではなく「中国人民元」建てで中国と液化天然ガスの取引を行う (リンク

・世界18カ国の銀行が「インドルピーでの決済」専用のアカウントシステムに参加 (リンク

 

これらのことが、3月中旬頃からの半月ほどで立て続けに起きています。

どれも「歴史上なかった」ことで、そんな大きな出来事が、たった 2週間ほどの間に次々と起きています。他にもたくさんの報道があります。

最近、米ゼロヘッジが、フィナンシャル・タイムズの報道を引用し、

「コモディティ生産者の一部が、ドルではなく中国元での支払いに向けて進んでいる」

報じていました。

この「コモディティ市場」とは、いわゆる商品市場のことで、穀物、果物、砂糖などの第一次産業の産品から、金 (ゴールド)や金属、石油などのを含むあらゆる鉱業産品の取引市場で、物価に大きな影響を与えるものです。

昨年、あらゆるもののの価格が上昇したのも、「先物価格」といわれるものの上昇に伴ったもので、実際には、私たちの日々の生活の物価は、この商品市場に左右されているのが現実で、もっと言えば、「私たちの生活は、市場参加者たちの博打に左右されている」とも言えます。

 

 

 

この中でも、「石油市場」というものは莫大なもので、投資家のニック・ジャンブルーノ氏という方が書いていた「ペトロダラーの崩壊が差し迫っているのか」という記事にそれが書かれていました。この「ペドロダラー」という言葉は、いわゆるオイルマネーのことなのですが、石油はすべてドルで取引されていますので、そう呼ばれているようです。

(国際通貨研究所のページより)

> 日本では「オイルマネー」ですが、欧米では主に「ペトロダラー」と呼んでいます。ダラーとはドルのことであり、原油取引がドル建てで行われることに由来します。それでは、原油取引はなぜドル建てなのでしょうか。

> 実は原油取引がドル建てでなければならないという国際的な取り決めのようなものはありません。原油取引の歴史的な経緯を背景に、慣習上、ドル建てでの取引となっているだけなのです。 (iima.or.jp

 

つまり、ジャンブルーノさんは、このように慣習となっているドルでの石油取引が「崩壊するのか」ということを書いているのでした。

コモディティ市場の中で、石油取引はダントツの規模を誇っており、以下のようになっています。2番目に規模の大きい金 (ゴールド)取引の 10倍にあたります。

ドルの存在の大きさの源でもあります。

ペドロダラーの崩壊の意味という言葉の意味は、ニック・ジャンブルーノさんの記事からの抜粋では、以下のようなことが相当します。

> 考えてみてほしい…フランスがサウジアラビアから石油を購入したい場合、まず石油の代金を支払うために外国為替市場で米ドルを購入する必要がある。

> これにより、米ドルの巨大な人為的市場が生まれ…

> ドルは単なる仲介者だ。米国の製品やサービスとは関係のない、数兆ドルに上る無数の取引で使用されている。

> …ほぼすべての石油販売に加えて、すべての国際取引の約 80%に米ドルが使用されている。

ドルに、「この役割がなくなった」としたら、他の商品取引でも、その役割は減少していくことになるでしょうし、

「それだけで、ドルは基本的に終わりに近づく」

ということが言えそうなんですが、先ほどのフィナンシャル・タイムズの報道にありましたように、現在、「コモディティの支払いを、ドルではなく中国元とする方向で進んでいる」という動きが現実としてあるわけです。

最近、この「ドルの終焉」に関する記事は、アメリカを中心に大変に多く、つい最近、非営利団体のアメリカ経済研究所 (AIER)も、「脱ドル化が始まった」という記事を発表していました。始まるかもしれない、ではなく、「すでに始まっている」とするタイトルです。

専門家たちから見れば、誰の目にも「ドルの終焉はすでに始まった」と見えているようです。

どれかをご紹介させていただこうと思うのですが、専門家の方々の文章はどうも難しく、自分で理解していないものをご紹介しても仕方ないですので、わかりやすいものをと探していましたら、たまに引用させていただくアメリカの作家マイケル・スナイダーさんの「世界的な脱ドル化が過熱化に移行した」というタイトルの記事を見つけました。

ご紹介させていただこうと思うのですが、実は、この「ドルの死」というフレーズは、私がブログを書き始めた頃から頭の片隅にあったもので、それは、アメリカの予測というのか予言というのか、そういう未来予測プロジェクトのウェブボッドが 2008年頃から一貫して述べていたことでした。

その予測自体はともかく、それから十数年経った今の時代 (ワクチン後の時代という意味も含む)、そこに書かれてあることが初めて実感されるような気がしました。

少しだけふれます。

 

「死の波」と「ドルの死」は同時に起きる

2008年から 2009年のウェブボットには、「ドルの死」というキーワードが何度も何度も出てくるので、それによって何が起きるかというようなことはともかくとして、ひとつひとつのフレーズを読み返すと、趣深いです。

以下は、14年前の 2009年8月のウェブボットにあるものです。

2009年8月のウェブボットより

・「新しい戦争」は、病気のデマによるプロパガンダ攻撃と「ドルの死」による医療システムの崩壊という事態が関係している。これは先進国で起こる。

・また、世界的な司法組織を舞台にして影の支配勢力に対するはっきりとした抵抗が起こる。この抵抗はかなり効果的であることが明らかとなる。

・特にアメリカ、イギリス、フランスでこの「新しい戦争」と関係するものすごいプロパガンダが実施される。

・「新しい戦争」では、当局は公衆の安全のためと称して、特定の医療行為を拒否することを法的に禁止し、 その拒否を主張するものを犯罪者と認定し収監する。

そして、別の下りでは、「ドルの死」と「死の波」の時期がリンクすることが書かれていました。

2009年2月のウェブボットより

・死者が出ると、最初の数年間はこれまで通りの一般的な葬儀が行われるが、ドルが死滅し経済状態が悪化するにおよび、葬儀も簡素化し必要最低限の埋葬が行われるだけとなる。

・経済破綻の影響は高齢者を直撃する。多くの高齢者は生きることを諦めむしろ死を選ぶため、先進国各国では死亡率は激増する。

・こうした動きは主要メデイアによって報道されるようになるため、「死の波」の議論が活発化することになる。…ドルの死によるこの変化は人口の大規模な移動をも伴う。

ここに書かれてある、「高齢者の死による人口の減少」や、「人口の流出に伴う人口の減少」については、ディーガルが 2014年に書いていたことと同じです。

ディーガルは、組織の母体が不明ながら、歴史ある軍事分析メディアで、2025年のアメリカの人口が、現在の 3分の 1程度になるとした人口動態の予測を出した組織です(予測は 2014年に出されたもの)。

 ディーガルによる2025年の人口とGDPの予測値 (2025年の予想GDP規模の順番)
(上が2025年の予測、下が2014年の数字)

Deagal

 

ディーガルについては以下のような記事に載せています。

 

これは「副作用」ではなく「本作用」だと認識しながら、人類類史上最大の事象がディーガルの分析した未来予測へと推し進める惨状を見続ける日々
In Deep 2021年6月18日

アメリカの異常な孤立を見て思う、日本を含めた「対ロシア制裁国」の劇的な人口減少の原因は、戦争よりも凍死や餓死によるものになっていくのではという懸念
In Deep 2022年3月10日

 

ディーガルのこの予測数値を導いたデータは、基本的に公式からのもので、本人たちの記述では、以下のようにあります。

> 予測の作成に使用される経済および人口統計データの大部分は、CIA、IMF、国連、USG などの機関によって広く利用可能なものだ。 (Deagal

 

そして、ディーガルは、「かつてアメリカが繁栄に至った理由」と、そして、「今後、アメリカが極端に衰退していく理由」について、以下のように書いています。

平たくいえば、「ドルと経済の死による大幅な若い人口の流出」、そして、「高齢者の死」です。

抜粋です。

2014年10月のディーガルの説明より

米国が次の 10 年に入るプロセスを理解するための重要な要素は、移民だ。

過去において、特に 20世紀において、米国がその巨大な地位を確立することを可能にした主な要因は、信用拡大を支える人口増加と、米国に利益をもたらした世界の他の地域からの頭脳流出の恩恵を伴う移民だった。

…西側の金融システムの崩壊は、証券取引所や年金基金などのポンジースキームを終わらせる一方で、国民の生活水準を一掃するだろう。…死者数は恐ろしいものになるだろう。

…年金受給者が目の前で退職が消え去り、仕事がなくなるのを見ると、次に何が起こるかは想像できる。少なくとも若い人たちは他国へ移住することができる。アメリカの人口の中に現在のように多くの高齢者がいたことは、人類史上かつてなかった。

…歴史的に、経済パラダイムの変化は、主流の歴史家によってめったに強調されない死者数をもたらした。ヨーロッパで地方から大都市への移行が起こったとき、新しいパラダイムを受け入れることができなかった多くの人々が自殺した。

Deagal

ディーガルは、「私たちの予想で多くのアメリカ人を失望させてしまい申し訳ないと思っている」と謝罪しています。もちろん、「予測は必ずしも当たるものではない」とも書いていますが、いずれにしましても、2009年に見たウェブボットと、2年前に知ったディーガルの書いていたことがあまりにも「根底が同じ」であり、今となりいろいろと思った次第です。

もちろん、「予測は必ずしも当たるものではない」ですので、これらのディーガルやウェブボットの記述は、あくまで娯楽として、とらえてくだされば幸いです

というわけで、ちょっと前振りが長くなりましたが、マイケル・スナイダーさんのドルの死の予兆に関しての記事です。


ドルが困難に陥っている。世界的な脱ドル化が加速化に移行したことを示す7つの兆候

The Dollar Is In Trouble! Here Are 7 Signs That Global De-Dollarization Has Just Shifted Into Overdrive
The Economic Collapse 2023/04/02

何十年もの間、米ドルは議論の余地のない世界通貨の王者だったが、現在劇的な変化が起きている。

中国、ロシア、インド、ブラジル、サウジアラビア、その他の国々は、今後数年間で米ドルへの依存度を大幅に下げることを可能にする大きな動きを見せている。

これは私たちアメリカ人にとって本当に悪いニュースだ。なぜなら、世界の主要な準備通貨を持つことで、私たちは大幅に潤沢な生活水準を享受できるようになったからだ。ドルがその地位を失うと、私たちのライフスタイルは現在とは大きく異なることになる。

残念ながら、ほとんどのアメリカ人がこのことを理解していない。米国の指導者たちは近年、通貨の安定性を完全に軽視してきたが、ほとんどのアメリカ人は、ドルが常に最高に君臨し続けると思い込んでいる。

以下は、世界的な脱ドル化が過熱状態に移行したことを示す 7つの兆候だ。

#1 BRICS 諸国は、世界の総人口の 40%以上を占め、世界の GDPの 4分の 1近くを占めている。したがって、BRICS が「新しい通貨」の開発に取り組んでいるという事実は、私たち全員に大きな懸念を抱かせるはずだ。以下のように報じられている

ロシア下院副議長アレクサンドル・ババコフ死は 3月30日、新興経済国であるBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が「新通貨」の開発に取り組んでいると述べた。

「自国通貨での決済への移行が最初のステップだ。次は、近い将来、デジタルまたはその他の根本的に新しい通貨の流通を提供することだ。

BRICS 首脳会議で、このプロジェクトを実現する準備が発表され、そのような作業が進行中であると思われる」とババコフ氏は、ロシアとインドの戦略的パートナーシップ・ビジネス・フォーラムの傍観者として述べた。

#2 BRICS 諸国の 2つである中国とブラジルは、「自国通貨で取引することで合意に達した」報じられている

2つの主要な新興経済国であり、 BRICS のメンバーである中国とブラジルが、仲介者としての米ドルを捨てて、自国通貨で取引する合意に達したと伝えられた。

この取引により、中国とブラジルは大規模な貿易および金融取引を直接行うことが可能になり、ドルを経由するのではなく、人民元をレアルに、またはレアルを人民元に交換することができるようになるとフランス通信社がブラジル政府を引用して報じた。

#3 先週インドネシアで開催された会議で、ASEAN 諸国の財務大臣が 「米ドル、ユーロ、円、英国ポンドへの依存を減らす」方法について話し合ったことが報じられた

インドネシアで 3月28日にすべての ASEAN財務大臣と中央銀行総裁の公式会議が始まった。議題のトップは、金融取引における米ドル、ユーロ、円、および英国ポンドへの依存を減らし、現地通貨での決済に移行するための議論だった。

#4 「ペトロダラー」に大きな影響を与える動きの中で、サウジアラビアは「上海協力機構の対話パートナー」になることに同意したと報じられている。

サウジ通信社は、サルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が主宰するセッションで、サウジ内閣が、上海協力機構(政治、安全保障、貿易同盟である上海協力機構)の対話パートナーの地位をサウジアラビア政府に与える覚書を承認したと述べた。中国、ロシア、インド、パキスタン、その他、中央アジアの 4カ国が正会員として参加する。

#5 中国は、米ドルではなく中国通貨で決済された液化天然ガスの最初の取引を完了した伝えられている

上海石油天然ガス取引所によると、中国は人民元建ての液化天然ガス(LNG)の初取引を完了した。中国の国営石油・ガス大手の CNOOC とフランスのトタルエナジーズ社は、中国通貨での決済で取引所での最初の LNG 取引を完了したと、ロイターが伝えた。

この貿易には、アラブ首長国連邦(UAE)から輸入された約 65,000トンのLNGが含まれていたと、上海石油天然ガス取引所は付け加えた。

#6 インド政府は、国際貿易において米ドルの「代替」として自国の通貨を提供することを発表した

インドは、米国連邦準備制度理事会による数十年で最も急激な金融引き締めを受けて、ドル不足に直面している国々に貿易の代替手段として自国通貨を提供する。

通貨リスクに直面している国々のルピー貿易を促進することは、彼らを「災害に備える」のに役立つだろう、とスニル・バースワル商務長官は、ニューデリーでのインドの対外貿易政策に関する発表の中で述べた。

#7 サウジアラビアは、ケニアへの石油出荷の支払いとして、米ドルではなくケニアシリングを受け入れることに同意したことが伝えられている

ケニアのウィリアム・ルト大統領は、サウジアラビアとの間で、米ドルではなくケニアシリングで石油を購入する協定に調印した。

輸入業者による需要の増加により、米国の為替レートが 145.5 シリングに達すると、ルト大統領は石油カルテルが危機に対応して米ドルを備蓄し、ケニア全土で燃料不足を引き起こしたと非難した。

10 年前であれば、これらのことは決して起こることではなかっただろう。

しかし今、変化は息を呑むほどのペースで起こっている。

ブライトバートの経済学編集者であるジョン・カーニー氏は、ドルの世界の通貨準備高の崩壊は、「避けられない」と FOX ニュースで述べた

残念ながら、私も彼に同意する。

しかし、ほとんどのアメリカ人はドルの永遠の覇権を信じており、いまだに、アメリカの指導者たちがすべてを完全に管理していると信じている。

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