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ナフサ不足でスーパーマーケットの風景が一変 無料の“アレ”も撤去 

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ナフサ エネルギー

ナフサ不足でスーパーマーケットの風景が一変 無料の“アレ”も撤去 

「ガソリン補助が間接的にナフサ不足を引き起こしている」専門家の真意は?

 原油由来のナフサ不足により、生活に関わるあらゆるものが値上げや品薄状態になっています。
 スーパーマーケットに欠かせないアイテムや、これからの季節の必需品も影響を受けそうです。
 ナフサ不足の経済への影響について、専門家が解説します。

 

スーパーのレジ袋が倍に値上げ 無料のポリロールも・・・

中村想人アナウンサー
「ナフサ不足の仕入れ価格高騰を受けて、こちらのスーパーではレジ袋が5円から10円に値上げされるなど影響が出ています」

 大阪市西成区にあるスーパーマーケット「越前屋」では、今月からレジ袋を値上げしました。
 レジ袋はエコバッグを使って値上げを回避することもできますが、このスーパーでは売り場に設置されているポリロールを撤去することも決めました。

越前屋 香川寛史専務
「平常時は7カ所置いていたんですけど、どうしても原価も高くなりますし、供給もおかしくなってきているので。今は廃止している」

 野菜や濡れている商品を入れるロールのポリ袋。これまではなくなるたびに店側が補充してきましたが、今月から数を制限しました。

 消費者や店を悩ませるのは、ビニールなど包装資材の値上げです。
 帝国データバンクはナフサ不足による「包装・資材の値上げ」で6月に食品の大幅な値上げラッシュの兆しがあると指摘しました。
 
 このスーパーが今、最も懸念しているのが食品トレーの値上げです。
香川専務
「来月から食品トレーが20%値上げになる。商品価格に転嫁せざるを得ない価格帯になっている」
 肉や魚などを入れるトレー。大幅な値上げのため、価格転嫁に踏み切る可能性があるといいます。

(Q.商品価格はどれくらいあがる?)
「商品価格的にいうと1品あたり10円くらい値上げを見ておかないと苦しい」

 店側は消費者に対し、値段を抑えるためにリサイクルに協力してほしいと訴えます。

香川専務
「ゴミとして出すんじゃなくて資源として回収するほうがペットボトルなんかも、粉砕して生まれ変わるので。ペットボトル・食品トレーをリサイクル回していただけたらそれだけ商品価格がぐっと抑えられる形になる」

影響は日差しの強い季節に欠かせない傘にも 「発注をもらえているのに・・・」社長の嘆き

 “ナフサショック”の影響はさまざまなところに及んでいます。

記者リポート
「これからの季節に欠かせない日用品でもある傘。傘のほとんどの部分で石油由来の原料が使われています」
 傘の生地から骨組みに至るまでそのほとんどにナフサが使われています。

傘メーカー「スギタ」 杉田佳之社長
「色を全部塗っているんですけど、塗料も石油ですから。プリントの原料も全部石油。(傘と)石油は切っても切れない関係」

 取引先からの発注を受け、中国の企業に製造を依頼しているという「スギタ」。今月に入って中国企業から商品の見積書が送られてこず、新規受注に遅れが出ているといいます。
 理由は原料確保に見通しが立っていないためだということです。

杉田社長
「傘を作りたいという企業に対して(私たちも)見積もりを出せない。(商品の)価格も決まらなければ納品ができるかどうかも分からなくなってくる」、「発注をもらえているのにそれを作れないのがすごいストレス」

 影響が長引けば、今後事業縮小を検討せざるを得ないといいます。
(Q.この状況が続けば?)
杉田社長
「かなり厳しい。何月までに元に戻るよということじゃない。国としても他の石油が入る手立てを段取りしてもらわないと、僕らみたいな一番裾のところで生きている人たちは大変ですよね」

政府は節電対策見送り しかし世論調査では64%が「行うべき」

  政府は電気・ガス、ガソリン代対策として補正予算の検討を進める一方、共同通信によりますと、夏の節電要請については見送る方針です。日本の電力源は天然ガス32%、石炭29%、再エネ23%、原発9%などと分散しており、石油への依存は7%にとどまるため、「中東情勢が悪化していても電力を安定して供給できると判断した」と説明しています。 しかし、ANNの世論調査では、国民の64%が節電・節約を「行うべき」と回答しました。
 第一ライフ資産運用経済研究所の熊野英生さんは、リスク管理の重要性を指摘します。
熊野さん
「リスクがあるときは、準備する方が賢明です。すぐさま節電ではなくても、これから節電が1、2ヶ月後に必要になる可能性を、政府は事前に知らせておく方が良いでしょう」

「ガソリン補助金がナフサ不足の原因になっている」 専門家は指摘

 ナフサとは原油から精製される無色透明の液体で、プラスチック製品、塗料・溶剤、合成繊維、合成ゴムなど、私たちの生活に欠かせない様々な製品の原料となることから「魔法の液体」とも呼ばれています。しかし、価格について、ガソリンに1Lあたり約42円の補助金が出て170円程度で推移しているのに対し、ナフサには補助金がありません。不足が深刻化していることから、4〜6月期には価格が大幅に上昇する見込みだと伝えられました。
熊野さん
「ガソリンにだけ補助金を出すと、本来ナフサに回る分がガソリン消費の方に使われてしまいます。それが目に見えない形でナフサ不足の原因になっています。私はガソリン補助金を少し減らしてガソリン価格を少し高くして消費者の使用を抑えれば、原油の使用がナフサの方へ間接的に回ってくるので、ナフサ不足も緩和されるのではないかと考えています。ガソリン補助金とナフサ不足は繋がっています。政府はそのバランスを取る必要があるでしょう」

ナフサ不足の原因は? ナフサはそもそも供給が少ない

 資源エネルギー庁によると、今年3月の燃料油の国内販売量は、ガソリンが前年同月比100.4%とほぼ横ばいだったのに対し、ナフサは74.5%と大幅に減少しました。
 ナフサ不足の背景について熊野さんは3つの要因があると分析します。
1.そもそも供給が少ない
2.国内在庫が乏しかった(当初約20日分)
3. (事業者が)精製を絞り込もうとしている

熊野さん
「ナフサというのは、日本国内で原油から精製する部分もあるんですが、海外で精製したものを輸入するケースもありました。中東からの輸入が止まると、国内で精製する分だけに頼ることになり供給量が少なくなっているのです。また、事業者も原油の不足を予測してナフサの精製を絞り込みました。それがナフサ不足につながっているのです」

 では、今後の政府に求められる対策は何なのでしょうか。熊野さんは短期・長期に分けるべきだといいます。

熊野さん
「短期的な対策としては、ガソリン補助金を絞り込み、価格を段階的に引き上げることで需要を抑制し、ナフサへの供給を確保すべきです。中長期的には、『脱石油』の構想を議論する必要があります。具体的には、発電の再生可能エネルギーへのシフトや、塗料を石油由来の「油性」から「水性」へ変えること、タイヤのゴムを「合成ゴム」から「植物由来のゴム」へ転換するなどです。『脱炭素化』による『持続可能な地球』といった視点と『脱石油』の議論を一体的に進める必要があるでしょう」

最終更新:05/21 13:09

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