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「消費税減税は何としてでも阻止」財務省の狡猾すぎるダミー戦略《高齢者医療費の3割負担》はおとりだった

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財務省 政治・経済

「消費税減税は何としてでも阻止」財務省の狡猾すぎるダミー戦略《高齢者医療費の3割負担》はおとりだった

財務省、高齢者の医療費3割負担を実現させ消費税減税を飲ませる狡猾戦略だが、維新の方針とは異なるもので維新内でも評判が悪い。

毎年の「恒例行事」にすぎないのか、それとも「パンドラの箱」に手を突っ込んだのか。

財務省が財政制度等審議会の分科会で提言した「高齢者医療費の原則3割負担」が永田町で波紋を広げている。

「財務省としては高齢者の3割負担はかねてから目指している方向なので、今回、改めて打ち出したということです。所得に応じて大多数が1〜2割となっている70歳以上の自己負担割合を、現役世代と同様に原則3割とするために具体的な制度設計をすべきだと提言しました」(財務省幹部)

例年、この種の提言を行っているため、たんなる「恒例行事」と見る向きは多い。ところが、今回はいささか風向きが異なるようだ。財務省の政務三役経験者が解説する。

「なぜ今のタイミングなのか財務省幹部に聞いたところ、今の環境なら政府が提言を受け入れる可能性があるのではと判断したようです。なぜなら公明党が連立を外れたから。高齢者福祉を優先する公明党は、高齢者の医療費増は絶対に嫌がります。その公明党が政権からいなくなったので、このチャンスで成し遂げたいという考えなのでしょう」

社会保障改革を掲げる日本維新の会が連立に加わったことも財務省を後押しした。

「高市早苗総理は財務官僚を警戒して寄せ付けず、財務省出身の首相秘書官・吉野維一郎氏でさえ、サシではなかなか会えない状況です。

財務相経験者の麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長の抑えも利かないなか、財務省は維新の国対委員長で首相補佐官の遠藤敬氏や最側近とされる木原稔官房長官を通じて自分たちの意向を伝えようと懸命ですが、このルートもどこまで首相に刺さっているかよくわからない。そこで財務官僚が目をつけたのが、維新代表の吉村洋文大阪府知事でした」(全国紙政治部記者)

似て非なる維新と財務省の「3割負担」

維新は公明党に代わって連立入りし、高市政権を発足させた立て役者だ。

「同じ関西出身の親近感からか、孤立する高市首相と吉村知事の関係は急速に親密になりました。吉村知事は党勢の退潮を押し止めるために、成長投資などを後押しする『サナエ親衛隊』としての存在感を発揮しようとし、高市首相も弟のようにかわいがっているといいます。面従腹背の自民党議員より、言うことを肯定してくれる吉村維新のほうが心地よいのでしょう。

財務省は両者の親密ぶりから、維新が『医療制度の抜本改革』の目玉として掲げる高齢者の窓口負担原則3割について実現の余地がないのか、財政審を使ってぶち上げてみたわけです」(同前)

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財務省による維新への「抱きつき戦略」は、しかし残念なことに、当の維新からすこぶる評判が悪い。維新の衆院議員で、医師でもある梅村聡氏が一蹴する。

「維新の掲げる改革と財務省の提言は、同じ『高齢者の窓口負担3割』を謳っていますが、中身はまったく異なります。維新の改革案は、公費を入れて現役世代の社会保険料負担を下げた上で、高齢者に3割負担を求めるものです。

ところが財務省の提言は、現役世代の負担を下げることには一言も言及しておらず、単に高齢者の窓口負担を原則3割に増やすだけ。維新の看板政策を表向き真似しただけで、中身は維新が求めていることとは全然違います。財務省の提言を受けた財政審に対しては『勝手なことを言うな』と言いたいですね」

財務省「真の企み」は消費税減税の阻止…?

とはいえ、医療費負担の改革自体は不可避だという意見は多い。自民党の厚労族議員がこう話す。

「正直に言って、個人的には今回の財政審の提言はありだと思っています。医療財政はもう待ったなしの状況まで逼迫している。それに対して、やはり金銭的に余裕がある高齢者には応能負担を求めるというのは当然のことではないでしょうか。ただ、選挙のことを考えたら、政治家が主張できる話ではない。高齢者が多い地元の有権者の前でそうした主張ができるかといえばなかなか難しい。

でも幸いにして国政選挙も再来年の参院選まではないし、今こそやってしまうチャンスではないか。もっとも、高齢者が原則3割負担となると、当然診療を控える動きも出てくるので、医師会は反発するでしょう。これを抑えて実現するのは相当ハードルが高そうです」

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実は、財務省もすぐに実現するとは考えていないフシがある。それでも提言した背景には、ある「企み」がある。

「中東危機による原油高が財政を悪化させるとの懸念から円安に歯止めがかからず、政府は為替介入に追い込まれました。長期金利も高止まりしており、衆院選大勝で『責任ある積極財政』を推し進めようとしていた高市首相も、出鼻をくじかれた格好です。消費税減税や危機管理投資、防衛費増額を実現するにも、過度の円安を招かないように財政への一定の配慮が不可欠な状況に追い込まれています。

こうした足元を見て、高齢者医療費の3割負担という高いボールを投げた。そのウラには、社会保障財源を削るなら医療費の高齢者負担の引き上げが必須とのイメージを世間に広め、消費税減税の阻止につなげようとする真意があることは言うまでもありません」(前出・政治部記者)

したたかな財務省の狙いは果たして通用するか。

 

「週刊現代」2026年5月25日号より

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