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世界中が春の熱波に襲われている中、2026年は「地獄の夏」なのか、そうでもないのか、気温の予想から考えてみる

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小麦 食糧問題

世界中が春の熱波に襲われている中、2026年は「地獄の夏」なのか、そうでもないのか、気温の予想から考えてみる

今年は例年以上に暑い夏が到来し世界中で不作になるかもしれない。

今日、地球の記録で、ヨーロッパが大変な熱波に見舞われているということを取りあげさせていただきました。

ヨーロッパ全域で、5月上旬の寒波から急激に例外的な熱波に移行。1週間で15℃以上も平均気温が上昇。農作物への懸念も
地球の記録 2026年5月25日

 

昨日(5月24日)のヨーロッパの気温分布を見ますと、スペインやフランス、イギリスなどで、軒並み 30℃を超えていて、36℃なんていう場所もありました。

以下はちょっと見づらいと思いますが、黒で囲んだあたりは全体的に気温が高い場所です。

2026年5月24日のヨーロッパ各地の最高気温

severe-weather.eu

気象メディアには以下のように書かれています。

> 5月下旬としては、 ヨーロッパは、記録破りの歴史的な熱波となっている。異常な熱力学的プルームが、スペイン、ポルトガル、アイルランド、イギリス、フランス、ドイツに巨大な熱の塊を送り込んでいる。気温は長期的な気候学的平年値を 12~ 16℃も上回っている

それで、いろいろな国や地域の気象や気温のニュースなどを見ていましたら、インドについて、気になるタイトルの報道を見つけました。

「インドは暑さの中で死にゆくまま放置されている」

というタイトルのアルジャジーラの意見記事です。

「インドは今こんなことになっているのか」と知りまして、最初にその報道をご紹介したいと思います。書かれているのは、医療記者のジャーナリストの方のようです。

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インドは暑さの中で死にゆくまま放置されている

India is being left to die in the heat
aljazeera.com 2026/05/22

モディ首相は長年気候変動を否定してきた。そして今、死者数が数えきれないほど増え続ける中、彼の政権は保護策ではなく、ブランドイメージの構築に力を注いでいる


2026年5月19日、インドのニューデリーで、デリー政府が設置した冷却ゾーンで人々が休憩している。

インドは異例の夏を迎えている。

全国的に気温は摂氏 45℃を超え、46℃に迫っており、マハラシュトラ州ヴィダルバ地方のアコラでは 4月26日にインド国内の最高気温となる摂氏 46.9℃を記録した。

国勢調査員が死亡し、最近終了した西ベンガル州選挙で投票した有権者も死亡した。結婚式に出席するためにバスに乗った男性は目的地に到着する前に死亡した。4月下旬のある 1日には、世界で最も暑い都市トップ 50すべてがインドにあった。

午前 7時でも、その光は強烈で、思わず目を覆ってしまうほどだ。農家は屋外で作業できず、家畜は熱ストレスにさらされ、作物は不作に陥っている。国連は、この猛暑が食糧供給を「危機的状況」に追い込んでいると懸念している。

食品

さらに憂慮すべきは、この極度の暑さが心臓発作だけでなく、腎臓障害も引き起こし、睡眠の質を低下させ、糖尿病、呼吸器疾患、精神疾患など、数多くの慢性疾患を悪化させていることだ。

新聞には散発的に死亡例が報じられるものの、インドでは熱中症による死亡例の大半は記録されないままだ。長年医療記者として活動してきた経験から言えるのは、1980年代の HIV 感染者や、最近の Covid-19 のように、災害発生時に早期に亡くなった人々は単なる数字として扱われる傾向がある。

膨大な数の遺体が積み重なって初めて、私たちはその災害に警鐘を鳴らし、名前を付け、ひいては記念日を設けることさえ考える。

インドはその段階に達した。

実際、第16期財政委員会は熱波を国家災害として指定することを勧告したが、こうした死者数を軽減したり、犠牲者の遺族に補償金を支払ったりするために政府から資金を引き出すには、屈強な軍人ですら涙を流させるような煩雑な手続きが伴う。

気候変動が進むにつれ、世界の他の地域では、緑地(樹木、湿地、生物多様性のホットスポット)が地球温暖化対策の中心となると見なされている。

しかし、インドではそうではない。ここでは、政府、裁判所、民間開発業者の間で、最も被害の大きい都市で樹木の伐採が横行している。ナシクでは、抗議にもかかわらず、何十年、いや何世紀にもわたってそびえ立ってきた由緒あるガジュマルの木が伐採されている。

プネでも、古い木々が4車線の高速道路のために伐採されている。ベンガルールでは、木々が地下鉄のために伐採され、これほどの暑さを経験したことのないカシミールでは、桑、クルミ、プラタナスの木が、より広い道路や「スマート」な都市のために伐採されている

2014年に首相に就任した当時、ナレンドラ・モディ氏は気候変動を否定し、多くのインドの科学者や研究者を不安にさせた。「気候は変わっていない。変わったのは私たちだ。私たちの習慣が変わったのだ」と彼は学生たちに語った。

インドの巨大都市を襲う猛暑は、貧困層や社会的に疎外されたコミュニティにおけるカースト、階級、ジェンダーの長年の不平等を悪化させている。

木のない通りは、ホームレスや露天商を除いて人影もなく閑散としている。富裕層はエアコンの効いた自宅からエアコンの効いた車で、エアコンの効いたオフィス、ショッピングモール、学校へと移動する。

貧困層は、最も弱い立場にある人々を放置する新たな方法を次々と生み出すこの国で、死にゆくままに放置されている。

この猛暑を目の当たりにしたハーバード大学南アジア研究所は、無害な問いを投げかける白書を発表した。

「どれくらい暑ければ暑すぎるのか?」

研究者によると、人体は一定の熱量までしか耐えられず、それ以上体温を下げることができなくなる。その限界は湿球温度 35℃以下だ。この限界を超えると、日陰で十分な飲料水を摂取し、全身が汗で覆われた健康な若者でさえ、体温は上昇し続け、数時間以内に熱中症で死亡する。

(※)湿球温度とは、気体と蒸気の物理的な特徴を示す温度の一種。

同論文は、約3億8000万人のインド人が人間の生理機能の限界を超えるような環境で生活していると、厳しい現実を突きつけるように付け加えている。

生活環境を悪化させた後、モディ政権は、いつものように、熱中症による年間死亡者数を透明性をもって記録するための措置を一切講じていない。

科学者、ジャーナリスト、公衆衛生専門家たちからは、インドの熱データシステムが断片的で、一貫性がなく、遅く、不透明であるという批判が高まっている。インド気象局(IMD)もまた、気温測定値の透明性について批判を受けている。2024年、インド気象局は 5月29日に 52.9℃という誤った記録があったのは「センサーの不具合」が原因だと説明した。

毎年、耐え難いほどの暑さの夏は、長らく待望されていたインド気象局のシステムに対する国民の厳しい目が向けられる新たな段階を迎える。

今年の熱波の影響はまだ分析中だが、それを経験したすべての人にとって、それは容赦のない 2か月の緊急事態であり、休息はなかった。

熱波がかなり進んだ頃、気温が 40日連続で 40℃を超えた後、モディ政権は待望の熱波対策計画を実行に移した。

あらゆる危機と同様に、モディ首相はこの致命的な熱波をブランディングの機会に変えた。カメラが回り、市民が列を作る中、政府職員が、出所不明のタオルで顔を力強く拭いているのが見られた。

彼の写真が載った COVID 証明書と同様に、首都各地で新たに展開されたインドの「冷却ポイント」には首相の顔が印刷されており、納税者の​​資金で賄われた熱波対策計画は、国民が与党に恩義を感じ続けることを期待する一連の忠誠プログラムの最新版だ。

一方、この国は、通貨切り替え、憲法第370条の廃止、そして COVID によるロックダウンといった国家的なトラウマとなる出来事を乗り越えてきたことで、集団的な知恵を得た。

それは、「我々は自分たちだけで立ち向かわなければならない」ということだ。地球温暖化によって引き起こされる大惨事について、深い考察を求めているなら、今は見つけることはできない。それは、我々の後の世代のためのものだ。今のところ、我々は自分たちだけでこの問題に取り組んでいる。


 

ここまでです。

まあ、一種の政府批判ということになっているのですが、この方の言う「地球温暖化」という曖昧な定義はともかくとして、2024年に書いた以下の記事の理由もまだ継続していると思います。


「 2022年のトンガ沖の海底火山の大噴火が地球全体の気温を押し上げている」ということです。

2022年のトンガの海底火山の影響は「寒冷傾向ではなく強力な気温上昇作用」であることを知る。結局これからの地球の気温はどっちへ?
In Deep 2024年7月15日

 

 

トンガ沖の海底火山の噴火の影響による気温上昇傾向はまだ続いている可能性が高い

上にリンクした記事のタイトルに「結局これからの地球の気温はどっちへ?」と書いてありますが、「まだ気温の上昇は続いている」ということになるのでしょうね。

この 2022年のトンガの噴火(フンガ・トンガ=フンガ・ハーパイという海底火山)により、記録的な量の水が大気中に放出され、これが地球の気温を上げているということが、当時わかったのです。

どのくらい続くのかは明確には誰にもわからないですが、アメリカのメディア NPR は、

「火山からの硫酸エアロゾルが成層圏から落ちるには通常 2~ 3年かかる。しかし、2022年1月15日の噴火による水が完全に消散するには 5~ 10年かかる可能性がある

報じていました。

2022年からの 5〜 10年先というのは、今はまだその期間の中にあるるわけで、高温傾向は続いていく可能性が高そうです。

それに加えて、スーパーエルニーニョが発生する確率は高いままとなっていて(In Deep の記事)、専門家によっては、過去 150年で最強クラスのエルニーニョになると述べる人たちもいます。

というか、

「実はもうエルニーニョは発生している」

とも言えそうなのです。

エルニーニョの基準は、太平洋の該当海域の海水表面温度が「通常より プラス 0.5℃以上」となっているそうですので、グラフを見ますと、5月初めの段階で、プラス 1℃を超えていまして、すでにエルニーニョの渦中に私たちはいるようです。

以下に示されています。3月頃から海面温度は急速に上昇し、今も上昇の過程にあります。

サンゴ礁監視海面水温異常値(摂氏)

severe-weather.eu

150年前のスーパーエルニーニョでは、飢餓により世界で 5000万人以上が亡くなったとされていますが、今回のエルニーニョはそれに匹敵するか、それを超えると述べる人たちもいます。

2026年5月6日の米ワシントンポストの報道「150年ぶりの最強エルニーニョ現象が発生する確率が上昇し続けている理由」より

エルニーニョによる気候変動は 150年近く前に作物を壊滅させた。同様の混乱が再び世界の食糧安全保障を脅かす可能性があるのか​​という疑問が生じている。

食品

1877年から 1878年にかけて発生した史上最強のエルニーニョ現象は、インド、中国、ブラジルなどで 5000万人以上が死亡する世界的な飢饉を引き起こす状況を生み出した。

これは当時の推定世界人口の 3~ 4%に相当し、もし今日同じことが起これば少なくとも 2億5000万人に相当する。

washingtonpost.com

スーパーエルニーニョが発生してもしなくても、とにかく今の時期でインドでは 46℃などになっているわけで、これでは、農作も危ういはずです。そもそも農作業ができる気温ではない。

インドは、世界最大のコメの輸出国(全体の 40%を担う)であり、そして、熱波以前に、ホルムズ海峡の閉鎖以来、インドでは肥料の不足と高騰、そして、燃料不足などの問題で、コメ農家は厳しい状態にありました。以下の記事にあります。

世界の三大コメ輸出国であるインド、ベトナム、タイの米農家がホルムズ海峡閉鎖による肥料高騰のダメージを受けており、大幅に生産量が下がる見込み
地球の記録 2026年5月12日

 

肥料の高騰によって収穫量が下がることが、3月以来確定的であった上に、「 5月で 40℃」などという熱波に見舞われているわけで、このインドの熱波は世界全体の食糧危機と関係してくるような感じはします。

とにかく、まだ 5月ですから。

インドのコメの作況は、これから来るモンスーンシーズンの降水量に依存している部分が強く、インドのモンスーンシーズンは、6月から 9月となっていますが、どうなるのかというのはあります。

インドはともかくとしても、他の国のこの夏はどうなっていくのかと。

日本にしても、5月で本州などの多くの地域は、すでに暑いわけですけれど、これがどうなっていくのか。

エルニーニョの夏は一般的に、日本では冷夏になると言われていますが、それはトンガの海底火山の影響に勝てるものなのかどうか

世界の気温を見てみますと、ロシアの中部や南米などで一部、平年より気温が低いところがありますが、主要国全体としては、非常に高い 5月の気温となっています。

2026年5月25日の世界の平年気温との差異

tropicaltidbits.com

日本とかは北海道以外、真っ赤ですね。

あと、「南極の気温も平年よりかなり高い」こともわかります。

これが意味するところはよくわからないですが、南極が暖かくなると、むしろ「氷床は増加する」のですよね (気温が上がると降雪量が多くなるため)。

南極はともかくとして、どういう夏になるのでしょうか。

日本政府は今年の夏に節電要請はしないらしいですが、経済産業省は、昨年の 2025年10月に、

「2026年の夏に東京の電力供給が「極めて深刻な」課題に直面すると予測」

しています

モノもない、電気もない、食料もない、では、単純に地獄の夏となっても不思議ではないのですが、その可能性は決して低くはなさそうです。

食品

ホルムズ海峡の再開の件については、まるで進展状況がよくわからなくなっていて、場合によって、すぐに再開されるかもしれないし、場合によっては、まだまだ長く閉鎖されたままかもしれないです。

私たちにはそれを予測することはできません。一応は地獄の夏への準備は必要なのかもしれません。

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