納豆に含まれるナットウキナーゼが長期のコロナ後遺症の微小血栓を劇的に溶解する
この研究結果から日本各地の現状を調べて見た。どうやら納豆1パックで良さそうでした。
納豆という存在
納豆が体にいいということはよく言われます。コロナ以降は、納豆菌が作り出すたんぱく質を分解する酵素である「ナットウキナーゼ」というものが、よく脚光を浴びることがあります。納豆のネバネバした部分にあるものですね。
最近、投稿で、
「ナットウキナーゼは、2時間以内にアミロイド微小血栓の 84%を溶解する」
という研究があることを知りました。
これは「長期のコロナ後遺症(ロング COVID)」、あるいはワクチン後遺症への対応として書かれていた記事でした。
研究そのものは真っ当なもので、確かにそうなのでしょうが、しかし、何にしても、日本人は(地域によりますが)世界でもっとも納豆を日常食として食べている国民です。
「本当にそんなに恩恵を受けているのだろうか?」
と、ふと思い、調べる…というより、考えたりしていました。
上に「地域によりますが」と書きましたけれど、日本の「納豆消費量ランキング」(2017年)は以下のようになります。1世帯においての消費量です。
都道府県別 納豆消費量ランキング
todo-ran.com
関東から東北の消費量がとても多いです。上位 3県と下位 3県は以下のようになっています。
1位 福島県
2位 茨城県
3位 岩手県
—
45位 大阪府
46位 徳島県
47位 和歌山県
これはこれとして、「ナットウキナーゼは血栓を溶解する」という論文をまとめていた記事を、まずご紹介します。
ナットウキナーゼが長期コロナ後遺症の微小血栓を溶解する:新たな研究
Nattokinase Dissolves Long-COVID Microclots: New Study
nattiase.com 2025/08/20
持続性の「フィブリナロイド」(※ 血管壁などの結合組織にフィブリンや免疫グロブリンが沈着する病変のこと)微小血栓は、ロング COVID やその他の血栓性炎症性疾患の要因として注目されている。
リバプール大学とステレンボッシュ大学による 2024年の査読済み研究では、自動顕微鏡と組換えナットウキナーゼを組み合わせることで、この大豆発酵酵素がどのようにしてこれらの頑固な血栓をリアルタイムで分解するのかを明らかにした。
具体的な目的 – ナットウキナーゼはアミロイド様フィブリン血栓を分解できるか?
研究者たちは、ナットウキナーゼが以下の効果を発揮するかどうかを、数日ではなく数分単位で定量化しようと試みた。
1. チオフラビンT陽性 (※ タンパク質が異常に集まってできる「アミロイド線維」や「βシート構造」を示唆する)のフィブリナロイド微小血栓の数と蛍光強度を低下させる。
2. 血液循環を模倣した静止状態および流動状態(振盪)下で、血栓のサイズを縮小させる。
要点 – 機能性健康ブランドにとってこれが重要な理由
・迅速な線溶:血栓の減少が顕著になるまでの半減期は約 2時間であり、ナットウキナーゼの迅速な酵素作用が確認された。
・用量反応性がありながら安全: 14 ng µL⁻¹と28 ng µL⁻¹の両方で過剰消化を起こさずに効果があり、実用的な安全域を示唆している。
・ロング COVID との関連性:微小血栓の蓄積は疲労や血管症状と相関しており、それらを分解することで下流の病理を軽減できる可能性がある。
・自動化可能な分析:この研究の画像パイプラインにより、原料開発者はさまざまなナットウキナーゼのバッチを迅速にベンチマークすることができ、研究開発を加速できる。
処方に関するヒント:臨床データによると、 1日あたり 2,000~ 8,000 FUの経口摂取で全身曝露が達成されることが示唆されている。オメガ3と組み合わせることで、血栓性炎症をさらに抑制できる可能性がある。
よくある質問
Q:ナットウキナーゼは、長期コロナ後遺症に効果があると証明されていますか?
A:臨床的にはまだ証明されていません。これは前臨床段階(試験管内、別のナットウキナーゼとコロナに関する研究と同様)における作用機序に関するエビデンスです。次の段階として、無作為化比較試験を実施するのが論理的です。
Q:ナットウキナーゼは血液をサラサラにしすぎますか?
A:処方箋が必要な血栓溶解薬とは異なり、ナットウキナーゼは穏やかな作用曲線を示します。ただし、手術の2週間前からは服用を中止し、抗凝固剤を服用している場合は医師に相談してください。
ここまでです。
この中に、
> 臨床データによると、 1日あたり 2,000~ 8,000 FUの経口摂取で全身曝露が達成されることが示唆されている。
とありますが、これは食品としての納豆に換算しますと、おおむねですが、
「納豆 1パック(50グラムくらい)のナットウキナーゼ含有量が 2,000 FUくらい」
ということのようです (ナットウキナーゼは胃酸で分解されたり、熱で分解されたりするので、一応の目安です)。
ですので、8,000 FU だと、納豆 4パックということになりますが、そんな量を 1度に食べる人はまあ、ほぼいないでしょう。
ともかく、これは「経口摂取」ですので、納豆を 1パックなど食べるだけでも、血栓を溶かす効果は、ほぼ全身に行き渡ると考えてもいいようです。
日本のそれぞれの地方を比較してみると
こう考えると、いかにも納豆はスーパーフードなのですが、
「しかし」
と思います。
さきほど、日本の納豆消費量のランキングを載せました。もう一度載せます。
都道府県別 納豆消費量ランキング
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納豆の消費量は、明らかに東北から関東に集中していて、西に行くと、極端に少ないことがわかります。特に、和歌山県や四国などでは、非常に低い摂取量となっています(なぜか熊本は多い)。
ナットウキナーゼが、血栓を効率よく除去してくれるというのなら、もちろん一概には言えないですが、
「納豆消費量の多い都道府県は、脳や心臓疾患での患者数が少ないのではないのだろうか?」
とは、普通に思います。
それに関しては、2018年のデータでは、それぞれ以下のようになっていました。
都道府県別 脳梗塞死亡者数
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どうも…納豆消費量の多い東北のほうが高めです。
都道府県別 脳梗塞死亡者数
1位 秋田県
2位 山形県
3位 岩手県
4位 島根県
5位 新潟県
—
45位 愛知県
46位 東京都
47位 沖縄県
1位の秋田県(10万人あたり 約 93人)と 47位の沖縄県(10万人あたり約 49人)では、かなり差があります。
納豆消費量日本 1位の福島県は、脳梗塞死亡者数が第 6位で、納豆消費量日本 3位の岩手県は、脳梗塞死亡者数が第 3位です。
さらに次の項目です。
都道府県別 狭心症・心筋梗塞死亡者数 (男性)
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これは、地域的にどうこうという偏りはないようです。
都道府県別 狭心症・心筋梗塞死亡者数
1位 和歌山県
2位 福島県
3位 高知県
4位 栃木県
5位 鳥取県
—
45位 島根県
46位 佐賀県
47位 福岡県
この狭心症・心筋梗塞に関しては、1位の和歌山県(10万人あたり 約 121人)と 47位の福岡県(10万人あたり約 68人)では、倍近く差があり、明確な違いとなっています。
もちろん、これらの疾患にはさまざまな要因が含まれてはいるはずで、これらの比較だけで何かを言えるものではないです。
ナットキナーゼ、あるいは納豆そのものがからだにいいことは間違いないのかもしれないですが、最初にご紹介した論文や記事では、長期のコロナ後遺症(特に血栓)に関して、ナットウキナーゼが劇的に効果がある、というような感じにもしたのですが、実際、長期のコロナ後遺症(あるいはワクチン後遺症)が納豆やナットウキナーゼだけで改善するのかどうなのかは、一概にはいえない気もします。
今でも、どちらの後遺症にしても、まだ苦しんでいらっしゃる方は数多くいると見られ、何とか打開策が見つかるといいのですけど…。
また、これはまだパンデミックの渦中だった 2022年の論文ですが、
「ナットウキナーゼがスパイクタンパク質を分解した」
というものもありました。
日本の城西大学・薬学部の研究者たちによる論文です。
ただ、これは「経口」ではなく、試験管内での実験(in-vitro)であり、いわば、スパイクタンパク質に直接ナットウキナーゼを混ぜると、スパイクタンパク質が分解された、というもので、納豆を食べることによる効果ではありません。
とはいえ、納豆は日本人の古くからの優れた保存食の知恵であり、まだまだいろいろと考察する部分は多いのだろうなとも思います。






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