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アメリカ全土に広がる新しい産業、それは「安楽死クリニック」

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安楽死 社会問題

アメリカ全土に広がる新しい産業、それは「安楽死クリニック」

ビジネスとしての安楽死産業が興隆する時代

アメリカで、「安楽死を提供するクリニック」が非常に増えていることが、デイリーメール紙などの記事で報告されています。

アメリカでは州により、安楽死が認められている州と認められていない州がありますが、デイリーメール紙では、認められているニューヨーク州(今年 8月に安楽死が合法化)のクリニックの例を取り上げています。

このサービスを提供している終末期医療クリニック「クワイエタス」というのは、病院ではなく「スタートアップ企業」であり、つまり新しい産業のひとつということが言えるのかもしれないですが、このクワイエタスで安楽死を提供している人物は、

「韓国の仏教寺院に長年在籍していた」

という人で、そこで聖典の翻訳なども行っていた人物だそう。

このクリニックの安楽死の料金は、日本円で約 200万円ほどです。

地図を見る

ちなみに、ニューヨークは、安楽死を合法化したアメリカで 14番目の州で、最初に合法化されたのは、オレゴン州です。1997年に合法化されたとのこと。デイリーメールには、このようにあります。

オレゴン州で処方された致死薬の服用が合法化されて以来、1万2000人以上のアメリカ人が死亡した。そのうち 3分の2以上はがんによるもので、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む神経疾患が残りの 11%を占めている。

ちなみに、今年 9月に、カナダ(国家的に安楽死制度=MAiDが合法化されています)では、83歳の女性が「本人の意思に反して無理やり安楽死させられた」ことが議論を呼んだことがあります。

カナダのMAiD制度のダークサイドを、83歳の女性が「本人の意思に反して無理やり安楽死させられた」事例から垣間見る
In Deep 2026年9月23日

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なお、現在のカナダでは、「死亡者の 20人に1人の死因が安楽死(全国民の死因の約 5%が安楽死)」ということになっています。

そして、その数は年々増えています。

2016年から2022年までのカナダにおけるMAiDによる死亡者数の推移


researchgate.net

アメリカでは、安楽死が合法化された州でも「末期患者であり、自分の安楽死の意志がはっきりとしている」ことが条件となっていますが、カナダでは、末期患者である必要もありません。

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西側諸国では安楽死を合法化する国が着実に増えています。以下のマップの青い国々がそうです。

医師による自殺幇助が合法化されている国

(■ 合法 ■ 合法だが法制化はされていない ■ 違法)

自殺幇助

合法化されているのは、ほぼ西側の国で、これらの国では基本的な宗教がキリスト教という国も多いと思うのですが、キリスト教は「自死を禁止している」と解釈されています。

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十戒にある「殺してはならない」という戒めが、他人だけでなく自分自身に対しても適用される「殺人」の一種であると解釈されるためのようです(他人も自分も含めて、人間の命は自分の所有物ではなく、創造主である神のものである、というところから)。

とはいえ、解釈はさまざまではあるようで、たとえば、内村鑑三は、1912年の「自殺の可否」という文章で、以下のように書いていました。原文そのままですので、やや読みにくいです。

聖書に自殺は禁じてない、故に或る場合に於ては之を行ふも可なりと言ふ者がある、洵(まこと)に聖書に自殺は禁じてない、「汝、殺す勿れ」とはあるが「汝自から殺す勿れ」とはない、ただ、イスカリオテのユダが自殺した事を伝へて、自殺の美事でない事を示して居る。

岩野祐介『内村鑑三における罪と赦しの問題』より

こんな解釈の検討をしても仕方ないのですが、まあ、本当に病気等で苦しんでいる人に対しての安楽死の賛否は何とも言えない面もあります。しかし、「あまりにも安楽死が手軽になる」のはどんなものかなとも思います。

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基準がどんどん緩和されていくと、あまりに自死が手軽になるという部分もないではないような気はします。

そのことについては、以下の記事でも書いたことがあります。

西側諸国に広がる「政府による自殺幇助」という名の21世紀のT4作戦
In Deep 2025年5月25日

 

そして、アメリカで、国家による安楽死ではなく「企業としての安楽死ビジネス」が台頭してきたということになります。

このビジネスモデルが成功すれば、さらに同じような企業も増えていくようにも考えられます。今は、発展していくビジネスがあまりない時代ですし。

アメリカの現状についてデイリーメール紙の報道を引用していた記事をご紹介したいと思います。

 


「私を殺して、クリニック」:アメリカ全土に静かに広がる不穏な新産業

“Kill Me Clinics”: Disturbing New Industry Quietly Spreads Across America
zerohedge.com 2026/11/02

デイリー・メール紙によると、いわゆる「安楽死クリニック」と呼ばれる、末期患者から数千ドルを徴収して命を絶つという物議を醸す新たな産業がアメリカ全土で徐々に根付きつつあるという。

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今年8月に安楽死が合法化されたニューヨークでは、「クワイエタス(Quietus)」という名の小規模クリニックが、患者に最大 1万2000ドル(約190万円)を請求して人生を終わらせている。

このクリニックは、韓国の仏教寺院で 10年以上生活した元ホスピス職員のデビッド・アトキンス氏によって設立された。アトキンス氏はデイリー・メール紙に対し、すでに 15人がこのクリニックを通じて亡くなっており、さらに 40~ 50人が問い合わせをしたり、紹介されたりしていると語った。

「この体は宇宙から借りているようなものです。レンタカーみたいなもので、ある時点で返却しなければなりません」とアトキンス氏は語った。

患者には致死量の薬物が処方され、自宅で服用する。

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通常は数分以内に意識を失い、1時間以内に死亡する。しかし、中には死亡するまでに数時間、あるいは数日かかったという報告もある。

クワイエタスはサービス料として 1万1000ドル、さらに薬剤費として 1000ドルを請求する。カリフォルニア州とニューメキシコ州の競合業者は、2500ドルから 3000ドル(約40万円から 47万円)の価格帯でサービスを提供している。

こうしたクリニックの出現は、安楽死が儲かるビジネスになりつつあるという懸念を引き起こしており、批判者たちは、金銭的なインセンティブが脆弱な患者を危険にさらす可能性があると警告している。

「ニューヨークで安楽死クリニックが次々と出現しているのは、残念ながら驚くべきことではありません。なぜなら、ほとんどの医師は安楽死には一切関わりたくないからです」と、患者権利擁護基金のジェシカ・ロジャース氏はデイリー・メール紙に語った。

ロジャース氏は、一部の医療提供者が「恐怖に怯える患者から莫大な利益を得るため」に診療所を設立していると非難した。

アトキンス氏は批判に反論し、自身のクリニックは末期患者ではない患者の受け入れを断り、代わりに精神保健サービスを紹介していると主張した。「目的は、経済的に余裕のある人とそうでない人のバランスを取ることです」と彼は述べた。

ニューヨーク州法では、患者は余命 6か月以下の末期患者の成人でなければならず、精神鑑定を受け、致死薬を自ら投与する必要がある。

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2016年にこの行為が合法化されたカナダでは、政府の統計によると、2024年には 16,499人が医療幇助による安楽死を受け、これは全死亡者数の 5.1%に相当する。

ニューヨークとは異なり、カナダではもはや末期患者である必要はなく、そのため反対派の間では、最終的に受給資格がどこまで拡大する可能性があるのか​​について長らく懸念が持たれてきた。

カナダから伝わってくる話の中には、実に恐ろしいものもある。

9月に報じられたように、オンタリオ州に住む 83歳のキリスト教徒の祖母、ブリジット・シュテーゲマンさんが、この夏、カナダの尊厳死(MAiD)プログラムに基づいて安楽死させられたとされているが、彼女の家族は、彼女が最終的な同意を与えていなかったと主張している。


ブリジット・シュテーゲマンさん(右)と孫娘のクラネンドンクさん。

家族によると、敬虔なキリスト教徒だったシュテーゲマンさんは、信仰に反するとして安楽死を拒否していたという。

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看護師が点滴を試みたが失敗し、シュテーゲマンさんの体、寝具、床に血が飛び散った。医師が到着し、「薬」を投与するかどうか尋ねたところ、孫のクラネンドンクさんによると、祖母は話すことも、うなずくことも、目を開けることもなく、両手を合わせて祈っていたという。医師は安楽死を強行し、シュテーゲマンさんは約 10分後に亡くなった。

関係する介護提供者らは、シュテーゲマン氏が法的に同意していたと主張しており、ベルヴィル警察は捜査を開始したことを確認している。


ここまでです。

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