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エボラ出血熱による死者数が1300人を超え、過去最速の流行となる

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コロナワクチン接種 ワクチン

エボラ出血熱による死者数が1300人を超え、過去最速の流行となる

「試験開始からたった数週間」で人へのエボラワクチン投与が開始される

報道ベースでは過去最速の 感染拡大

コンゴ民主共和国でエボラ出血熱の流行が続いていますが、報道ベースでは「過去最速」の勢いで感染が拡大しているとされています。

人々、社会

7月25日の時点で、感染確認数が 3,075人となり、死者は 1,354人に達したとの発表です。

この数値が正しいのであれば、確かに、史上最速の勢いでの感染拡大ということにはなりそうです。以下は、過去のエボラの流行との感染拡大の速度の比較です(5月末時点)。

2026年の今回の流行と過去との感染拡大速度の比較

BMJ ※キブ・エボラとはコンゴ民主共和国のキブ地方で発生流行したエボラ。

ワクチン、予防接種

現在のエボラの状況を報じていたアルジャジーラ紙の記事をまずはご紹介します。

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コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱による死者数が1300人を超え、ウイルスは「山火事のように広がっている」

Ebola deaths in DRC surge past 1,300 as virus ‘spreading like a wildfire’
aljazeera.com 2026/07/25

コンゴ民主共和国における感染確認者数が3000人を超え、感染拡大は過去最速のペースで進んでいる。

コンゴ民主共和国で発生した最新のエボラ出血熱の流行による死者数は 1,354人を超え、わずか 5日間で 40%以上という驚異的な増加を記録したことが政府の統計で明らかになった。著名な公衆衛生コンサルタントは、このウイルスは「山火事のように広がっている」と述べている。

政府が土曜日 (7月25日)に発表した最新データによると、死者を含む感染確認者総数は 3,075人に達した。これは先週土曜日の数字から 27%の増加となる。

感染者数と死亡者数が前例のない速さで増加していることから、コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱の流行は、これまで記録された中で最も急速に拡大している エボラ出血熱の流行となっている。

さらに危険なことに、コンゴ民主共和国で蔓延しているウイルスはブンディブギョ型であり、これはヒトに 感染することが知られている 4つのエボラウイルス変異株の中で最も稀なものであり、現在承認された ワクチンや治療法は存在しない。

アフリカ連合の公衆衛生機関であるアフリカ疾病予防管理センター(アフリカ CDC)の設立に携わった公衆衛生コンサルタントのアブドゥルサラミ・ナシディ氏は、アルジャジーラに対し、効果が証明されたワクチンがないことが、ウイルスが「山火事のように広がっている」ことを意味すると語った。

ナシディ氏は、今回の流行は活発な戦闘が行われている地域で発生しており、アフリカ諸国政府が 感染症の流行に直面する際に共通する公衆衛生資源の不足をさらに悪化させていると述べた。

科学者たちは感染拡大を遅らせる方法を見つけるために奔走しており、オックスフォード大学のオックスフォードワクチングループは、金曜日にボランティアが急速に開発された実験的ワクチンの初回投与を受けたことを明らかにした。

「これは治験における重要な節目であり、ブンディブギョエボラウイルスワクチンの開発に向けた多国間協力の道のりにおける次の段階を示すものです」と、オックスフォード大学チームの主任研究者であるカトリーナ・ポロック氏は述べた。

史上最大規模かつ最も致死率の高かったエボラ出血熱の流行は、2013年から 2016年にかけて少なくとも 2万8000人の感染者のうち 1万1000人以上を死に至らしめ、その主な発生地は西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネであった。

その流行で最初の死者数が 1000人に達するまでには約 8ヶ月かかった。一方、コンゴ民主共和国で発生した最新の流行では、わずか 10週間足らずで同じ数に達した。

「今すぐ行動を起こさなければならない」と、アフリカ疾病予防管理センター(アフリカ CDC)のジャン・カセヤ事務局長は先週、Xに投稿した記事の中で述べている。「今日中に阻止しなければ、これは世界史上最悪の感染症流行となるだろう」


 

ここまでです。

さて、流行は流行として、この記事の中に「 ワクチン」についてのことが出てきます。

> 金曜日にボランティアが急速に開発された実験的ワクチンの初回投与を受けたことを明らかにした。

「なんだ、その急速に開発というのは」と思い、少し調べてみましたら、何のことはなく「コロナワクチンの時代」に引き戻されたのでありました。

 

仕組みはアストラゼネカのコロナワクチンとまったく同じ

記事の中に

> オックスフォード大学のオックスフォードワクチングループ

という部分がありますが、そのオックスフォードワクチングループのサイトを見てみました。

そうしましたら、ニュースリリースで以下のように書かれていました。3日前の記事です。

世界初のブンディブギョ・エボラウイルスワクチン臨床試験で、最初のボランティアがワクチン接種を受ける

ワクチン、予防接種

オックスフォード大学のオックスフォードワクチングループは本日 (7月24日)、ブンディブギョ型エボラウイルス(BDBV)に対する予防を目的としたワクチンの世界初の臨床試験において、最初のボランティアへのワクチン接種に成功した。

この画期的な成果は、ブンディブギョ型エボラウイルス・ワクチン試験の開始からわずか数週間後に達成されたものであり、ChAdOx1 BDBVワクチンがヒトに投与された初めての事例となる。

ChAdOx1 BDBVワクチンは、オックスフォード大学のオックスフォードワクチングループとパンデミック 科学研究所の科学者によって開発されたもので、オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発した COVID-19ワクチンと同じワクチン技術が用いられている

ox.ac.uk

ここには「試験の開始からわずか数週間後に」とありますが、正確には、米フォーブス誌によると、「57日後」です。

このニュースリリースにあります「オックスフォード大学とアストラゼネカが共同開発した  COVID-19 ワクチンと同じワクチン技術」というのは、どのようなものかというと、コロナワクチンの時に遡ればわかります。

2021年3月に、新潟大学名誉教授の岡田正彦氏が、ファイザーの mRNA ワクチンと、アストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンについて解説していたことがあります (In Deep の記事)。

まだ日本でコロナワクチンが本格的に展開される前の話です。

アストラゼネカのワクチンについては、以下のように述べていました。スパイクタンパク質という部分を「エボラ」等に置き換えると、現在のエボラワクチンの仕組みとなります。

岡田名誉教授の言葉より

医薬品、薬剤

アストラゼネカ社のワクチンは、スパイクタンパク質をコードする遺伝子を人工的に試験管の中で作るまでは、ファイザー社やモデルナ社の ワクチンと同じですが、アストラゼネカのワクチンの場合、試験管内で合成されるのはメッセンジャー RNA ではなく、「 DNA 」です。この DNA を脂質微粒子ではなく、なんと「ウイルス」に包みこんで注射をします

indeep.jp

そして、このウイルスベクター(運び屋)に DNA をくるむ、というタイプの問題点として、以下を挙げていました。

岡田名誉教授の言葉より

運び屋ウイルスは、過去、さまざまな遺伝子治療などの実験に使われてきたもので、正体はよくわかっているのですが、ただひとつ欠点があって、それは「どこに DNA を組み込むのか、制御ができない」ということなのです。

運び屋ウイルスの行動は、制御できないために、どこにコロナの DNA が組み込まれるか予測不能なのです。

人々、社会

アメリカの研究者が、同じ方法を使って、犬で遺伝子治療の実験を行った報告書があります。人間の遺伝子には、「ガンを促進させる遺伝子」あるいは「ガンを抑制する遺伝子」などがあるわけですが、そのすぐそばに組み込まれたことを発見したと報告されています。

実験を繰り返していれば、がん促進遺伝子の中に組み込まれていたおそれもある

したがって、この研究者は、「実験に使った動物を、これから 10年くらい観察しなければ、安全性は確認できない」と論文の中で述べています。

このように「 10年くらい観察しなければ、安全性は確認できない」ものですが、コロナの時には数ヶ月、今回のエボラでは「 57日後に実際に人に接種した」ということになっています。

なお、コロナの際にアストラゼネカ社の ワクチンの臨床試験を主導したのは、オックスフォード大学の教授であるカトリーナ・ ポロックさんという方ですが、今回のエボラも先ほどのアルジャジーラ紙の記事に、

> 主任研究者であるカトリーナ・ポロック氏…

とありますので、同じ方が主導しての臨床試験となっているようです。

COVID-19

カトリーナ・ ポロック教授

Katrina Pollock

まあ……。

特に否定的なことを言いたいわけではなく、ただ、

「新規のワクチン開発期間がついに数十日とかになったのだなあ」

と思った次第です。

医薬品、バイオテクノロジー

かつては、開発に、少なくとも数年あるいは 10年などという期間が設けられていたワクチンも多いですが、今では人体に実際に使用するまで 2カ月かからない。

コロナの際もそうでしたが、「緊急使用」や「緊急承認」という概念が当てはまる事態であれば、こういうことも容認される時代となっているということなのでしょうね。

このあたりが、コロナのパンデミックの時代を節目として大きく変わった部分です。

今回のエボラではなくとも、何らかの強い 感染症が「世界中に広がっている」というような報道あるいは保健当局の発表があれば、世界はいつでも 2020年に戻るのかもしれません。

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