天然ガス価格高騰で次々と肥料の生産が停止。世界最大の英国肥料企業の子会社と、EUで二番目に大きなポーランドの肥料メーカーも操業を停止すると発表

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肥料 食糧問題

天然ガス価格高騰で次々と肥料の生産が停止。世界最大の英国肥料企業の子会社と、EUで二番目に大きなポーランドの肥料メーカーも操業を停止すると発表

来年は本当に肥料高騰か輸入不足で農業危機になりそうな気配!

来年の世界の肥料価格は今年どころではないかも

ここ数日の間に、ヨーロッパの巨大な肥料企業が次々と生産を停止すると発表しています。

8月22日には、ヨーロッパで2番目に大きなポーランドの肥料企業であるグルパ・アゾティ社 (Grupa Azoty )が操業を停止するとウェブサイトで声明を発表しました。ポーランドでは、別の肥料企業も操業停止を発表しています。

そして、8月24日には、世界最大の肥料企業のひとつである CF インダストリー・ホールディング社 (CF Industries Holdings, Inc)の子会社が、肥料の原料である硝酸アンモニウムの生産を停止すると発表しています。ちなみに、この硝酸アンモニウムの「世界最大の輸出国」はロシアですが、今年 2月に「非友好国に対して」の輸出を停止しています

 

肥料企業各社の操業停止の理由は、どの会社も「エネルギー価格の例外的な高騰で、自社の努力では、もはやどうにもならない」ことによるもので、「生産停止は一時的なもの」としていますが、どのような一時的かというと、

「天然ガスなどのエネルギー価格が落ち着くまで」

ということにななっています。

しかし、ヨーロッパの天然ガス価格が落ち着くという可能性は現時点ではまったくなく、それどころか、9月からロシアからの天然ガス供給が完全に停止するのではないかという懸念さえ出ています。

以下の報道などにあります。

(報道) ヨーロッパの天然ガス価格と電力価格が史上最高値をさらに大きく更新 (2022/08/22)

 

その後、英国の天然ガス価格は以下のようになっています。2021年の安値の数十倍です。


 英国ガス価格が1日で20%高騰し、過去最大を大きく更新

 

ほぼすべての肥料の生産には大量の天然ガスが必要ですので、確かに、ここの値動きでは、操業を続けるということもできないでしょう。

肥料については、今年の春以降、何度か取りあげていますが、今年の時点で、その価格は信じられないほど上昇していました。

(記事一覧) 地球の記録のキーワード「肥料」に関しての記事一覧

 

今年 5月には、日本の肥料価格が、史上最高値を記録しました。

(報道) 日本の肥料価格が史上最高に (2022/05/31)

 

日本では、全国各地で県や当局に「肥料高騰に対しての援助」が求められ続けています。

 

5月には、やはり世界最大の肥料企業であるカナダの企業が、

「肥料の混乱は、2023年まで続く」

と述べたことが報じられていましたが、今回の複数の肥料企業の操業停止、あるいはエネルギー価格が高騰しているのはヨーロッパならどこでも同じですので、今後も操業停止する企業が増えた場合、

 

「 2023年まで混乱が続くというより、2023年からが肥料危機の本番になる」

 

可能性が出ています。

懸念されるのは、農作物価格の高騰より、農業生産者たちがやめていくというほうの話です。

いくら頑張っても利益にならないことを続ける人はいません。

最近、日本の首相は「アフリカに 4兆円を支援する」と意気軒昂に語っていましたが、まずは日本の農家を助けることが、日本人の大量死を防ぐ最大の道筋だと思います。

その4兆円を全部、日本の農家に渡してもいいと思います。どれだけ肥料とエネルギーが高騰しても農家の方々が楽に暮らせるようにするべきです。

農業生産そのものがなくなれば、食が消えるのです。海外からの食糧輸入も来年からはこれまでのように自由にはいかなくなるはずです。

ここから、ヨーロッパで 2番目の規模のポーランドの肥料企業の操業停止についての報道です。


ポーランドの肥料生産者が生産を停止

Poland’s fertilizer producers halt production
News, breaking headlines 2022/08/24

ポーランドの大手肥料企業 2社が、ほぼ同時に生産停止を発表した。理由は、ガス市場の非常に困難な状況と法外な燃料価格だと述べている。

ヨーロッパの記録的な天然ガス価格の高騰により、EUで 2番目に大きな肥料メーカーであるグルパ・アゾティ社(Grupa Azoty)が操業を停止せざるを得なくなった。8月22日に同社のウェブサイトで発表された。

声明は以下のように述べている。

「グルパ・アゾティの生産の主原料である天然ガスの記録的な価格のため、同社は 2022年 8月 22日に、窒素肥料、カプロラクタム、ポリアミド 6の生産プラントを 8月 23日から一時的に閉鎖することを決定しました」

「ガスの入手可能性には問題はありませんが、生産活動の収益性を決定するガス市場の現在の状況は異例であり、会社の制御を完全に超えています」

同社の声明は、グルパ・アゾティ社が「すべての原材料と商品の価格レベルと生産プロセスの収益性を常に監視し」、「この監視の結果に基づいてさらにビジネス上の決定を下す」と述べている。

工場がいつ生産を再開するかはまだ明らかではない。

その後、他のポーランドの肥料メーカーである ANWIL 社も、ガス価格の急騰により生産を停止していたことが明らかになった。ANWIL 社は 8月23日、自社のホームページで次のように説明した。

「ヨーロッパで前例のない記録的な天然ガス価格の上昇により、当社は窒素肥料の生産を一時的に停止することを決定しました。同社は商品市場の状況を常に監視しています。ガス市場のマクロ経済状況が安定し次第、生産は再開されます」

「天然ガス市場の現在の状況は異常で予測不能であり、完全に当社の制御の及ばないものとなっています」

マイコメント

もし、仮に来年肥料価格が高騰し、農家が農作物を創れる状態にないと判断した場合、次々と
営農をあきらめ停止していくだろうかということです。

今、各県の知事らが農業危機と国に訴えていく数が増えています。それだけ地方の農家の危機
感が高まってきているということであり、それを国のお偉方はどう考えているのだろうか?

政府は稲作の生産コストに関する政府目標などというバカげたことを考えているようだが全く
もってとんでもない思考を持つ集団だとわかります。この目標ではコストの4割削減を目指して
いるようですが、肥料価格や原油価格などが高騰する今、来年になれば肥料が手に入らない、
ガソリンや軽油が高止まりして耕運機を動かせないという声が出てくるでしょう。

前述の生産コスト目標からの抜粋だが、ここで生産コストが下がっているのは認定農業者で
15ha以上の農家を指しているが、この意図は小さな個人農家を潰して大規模農家にすると
いうことです。その裏には米国のグローバル企業が日本の農業経営をやりやすくするためで
あると容易に想像できます。

要するに米価をさらに下げようとしている思惑が出てきます。今でさえ、米価の下落で農家
が苦しんでいるというのにその保護政策を取らず野放しにして潰れるのを待っているとしか
思えません。

他国では自国の食農家の生産量を維持して自給率を高く維持するために8割に及ぶ助成金を
出しているというのに日本の農林水産省は潰すことだけしか考えていないようです。

いかに会社経営という形で日本の農業が出来るようにしていけるかということが目的です。
そのためには個人農家は要らないということなのでしょう。

今、日本の個人農家を潰してしまったらコメの生産量がガタ落ちしてしまい主食が失われ
小麦を主体に食べて行かないといけない時代になってしまいます。

小麦ははっきり言って日本人の胃袋には合わないのです。
小麦の日常的にグルテンを摂取すると免疫細胞がグルテンを異物や有害なものとみなして
攻撃し、さまざまなアレルギー症状を引き起こすのです
だから、日本人には合わないのです。

小麦の生産量も今年の熱波などで生産量が落ちているので価格が高騰しています。
もし、コメがなくなれば何らかの緊急事態になったとき小麦の輸入量が激減してしまうと
日本は兵糧攻めと同じ状態になります。

もしかして、政府はこうしたいと望んでいるのでしょうか?

ワクチンで人口削減をし、次は食糧難で人口減と言うことなのでしょうか?

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