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アルミニウムが足りなくなる!イラン攻撃で滞る供給、湾岸諸国からの輸入に頼る日本も厳しい状況へ

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アルミニウム エネルギー

アルミニウムが足りなくなる!イラン攻撃で滞る供給、湾岸諸国からの輸入に頼る日本も厳しい状況へ

 長期化するイラン戦争は、自動車や航空機の部品や食料品の包装・容器に使われるアルミニウムの供給も不安定にしている。湾岸諸国は世界的にも主要なアルミニウム生産・輸出地域で、ホルムズ海峡が事実上封鎖状態に陥ったことで輸送ができず、イランの報復攻撃がアルミニウム製錬所にまで及んでいることから、生産もままならない状況だ。

 かつてアルミニウムの生産国であった日本も、今では湾岸諸国からの輸入に頼る状態。今後、産業や生活への影響も懸念される。

長期化するホルムズ海峡の封鎖

 イランが同海峡を通航しようとする船舶への攻撃を示唆したことで、海上保険会社が湾岸地域を航行する船舶への戦争リスク補償の引き受けを停止している。同海峡を通過する船舶数は、イラン攻撃前日の2月27 日には95隻だったが、3月1日には7隻まで大幅に減少し、それ以降も10隻前後で推移している(出所:IMF PortWatch)。

 その後、ニュースサイト「Axios」は、米国がイランにホルムズ海峡をすべての船舶に開放させるよう圧力をかけるため、同国の主要な石油輸出拠点であるカーグ(ハールグ)島の占領計画を検討していると報じた。これを受け、イラン最高国防会議は3月23日、イラン南部の沿岸部や島々が攻撃された場合、ペルシャ湾の航路に機雷を敷設し、海上交通を大きく妨害すると警告した。

 4月18日、ホルムズ海峡は約50日間の封鎖を経て一時的に再開され、十数隻のタンカーが通過したと報じられた。イラン側は、交渉の結果として限定的に通航を認めたと説明している。ただ、西側の船会社は機雷の危険や安全確保の不透明さを懸念して慎重な姿勢を崩しておらず、全面的な再開には至っていない。

 こうした中、米国はホルムズ海峡の再開を迫るため、4月13日にイランの港湾・沿岸部の封鎖を開始し、違反船は排除すると警告した。4月13~18日の期間に23隻を引き返させた後、19日には封鎖突破を図ったイラン船「トウスカ」を攻撃し、拿捕した。これにイランが強く反発していることから、ホルムズ海峡の封鎖がさらに長期化する可能性が高まっている。

世界有数のアルミニウム産業

 ホルムズ海峡封鎖の長期化は、湾岸諸国のアルミニウム産業にとっても打撃となる。湾岸地域は、世界のアルミニウム生産においても重要な地位を占めている。国際アルミニウム協会(IAI)によれば、湾岸諸国の25年のアルミニウム生産量は約616万トンに達し、世界生産量の約8%を占めた。

 アルミニウムは、軽量でありながら強度や導電性にも優れ、各種金属の中でも重要な素材の一つである。実際、自動車や鉄道車両、航空機などの輸送機器をはじめ、建材、飲料缶、エネルギー関連設備、電機・電子機器、包装・容器、防衛製品など幅広い分野で使用されており、汎用性の高い素材といえる。

 アルミニウムの生産工程について、原料となるのは赤茶色の鉱石「ボーキサイト」である。これを細かく砕き、薬品を使って不純物を分離すると、「アルミナ」と呼ばれる白い粉ができる。アルミナはアルミニウムと酸素が結びついた状態のため、さらに電気分解によって酸素を取り除くことで、銀色のアルミニウムが生産される(出所:日本アルミニウム協会)。

 湾岸地域には、世界有数のアルミニウム製錬所が集積している。アラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ・グローバル・アルミニウム(EGA)が運営するジュベル・アリ製錬所とタウィーラ製錬所、バーレーンのアルミニウム・バーレーン(アルバ)運営の製錬所、サウジ鉱業会社(マーデン)のラアス・ハイル製錬所、カタールのカタラム製錬所、オマーンのソハール製錬所である。

 またサウジアラビアには、湾岸諸国で唯一操業中のボーキサイト鉱山がある。他の湾岸諸国が原料を輸入に頼る中、マーデンのバイサ鉱山が国内のボーキサイト供給を支えている。サウジアラビアのボーキサイト生産量は、25年に570万トンと世界第8位を記録した。

 UAEは、ボーキサイトを海外からの調達に依存しているものの、高度なアルミナ製錬技術を生かし、25年のアルミニウム生産量は世界第5位の270万トンに達した。EGAは13年にギニアのギニア・アルミナ社を取得し、同国でボーキサイト事業を展開している。

 バーレーンも経済多角化政策の初期段階からアルミニウム産業の育成に力を入れてきた。68年にアルバが設立され、71年に生産を開始したことで、同国は中東初のアルミニウム生産国となった。原料となるボーキサイトやアルミナは主にオーストラリアから調達し、国内で製錬することで、25年の生産量は世界第6位の160万トンにのぼり、その約8割を輸出している。

中東アルミニウム産業への打撃

 ホルムズ海峡の通航停止により、中東のアルミ関連企業は、原料であるボーキサイトやアルミナの輸入に加え、製品の海上輸出も難しい状況に直面している。

 カタールのカタラム製錬所は、ガス供給元のカタール・エナジーが供給継続は困難だと表明したことを受け、3月3日に計画停止に入った。共同事業者のノルウェー企業「ノルスク・ハイドロ」は、完全な操業再開には6~12カ月かかる可能性があると発表した。バーレーンのアルバも3月4日、ホルムズ海峡経由の海上輸送の混乱を理由に、アルミニウム出荷に関して不可抗力を宣言した。

 こうした中、3月28日、UAEのタウィーラ製錬所(年産能力160万トン)とバーレーンのアルバの製錬所(年産能力162.7万トン)がイランから攻撃を受けたことで、両国からのアルミニウム供給不安が長期化することへの懸念が高まった。アルバの製錬所では設備被害の詳細が明らかにされていない一方、EGAは4月3日にタウィーラ製錬所の被害について、アルミニウム生産の全面復旧に最大12カ月を要する可能性があると発表した。

アルミニウムも輸入に頼る日本

 過去、日本は製造業で大量のアルミニウムを使用していたことから、消費と生産の両面で世界的な存在感を示していた。高度経済成長に伴い、アルミニウム産業は急速に拡大し、消費量では67年に、生産量では72年に、いずれも米国、ソ連に次ぐ世界第3位に躍進した。

 しかし、70年代の二度の石油危機で電力コストが急騰し、アルミニウム製錬は採算面で決定的に不利となり、国内の製錬工場は壊滅的な打撃を受けた。日本のアルミニウム生産量は74年の111.8万トンをピークに減少に転じ、81年には77.1万トン、84年には29.1万トンまで落ち込んだ。一方で、この間も消費量には大きな変化はなかった(小林藤次郎『アルミニウムのおはなし』日本規格協会、1985年)。

 現在、日本のアルミニウム需要は全面的に輸入に依存している。そして、25年の輸入量に占める湾岸諸国の比率は、アルミニウム地金で19%、アルミニウム合金で32%だった。とりわけUAEからの輸入が目立ち、アルミニウム地金で11%、アルミニウム合金で25%を占めた(図表2)。

 日本のアルミニウム輸入が湾岸諸国への依存度が比較的高い中で、ホルムズ海峡の通航不能による輸出停滞や、バーレーン、カタール、UAEの一部製錬所の稼働停止によって、日本向けの供給は不安定となっている。こうしたアルミニウム調達不足を受け、日本の製造業は生産計画の遅れを余儀なくされ、工場が一時的に操業停止に追い込まれる可能性がある。

 また、アルミ価格の上昇は製造コストの増加に直結する。米ブルームバーグによれば、アルミニウム価格はイラン戦争の開始以降、約15%上昇した。調達コストの増加を最終製品の価格に転嫁せざるを得ないため、日本国内でインフレが加速する他、アルミニウム生産大国である中国との国際競争で不利に立たされる恐れもある。

 湾岸諸国は日本にとって原油の安定調達先であるだけでなく、アルミニウム供給を通じて製造業の基盤を支える重要な存在でもあることを、改めて認識する必要があるだろう。

マイコメント

ホルムズ海峡封鎖からすでに2か月になろうとしているが未だに解決のめどが立って
おらず、さらに長期化する気配さえ漂わせている。

戦争と言う行為に対していかに世界は無力であるばかりか国連なんかあってないに
等しく何の抑止力にもなっていない。

以前の戦争は当事国は国民に戦争に加担する必要があるという同意に近い世論を形
成し、その後に相手国に対して攻撃を行うという手順が取られたが、最近の戦争は
そうした世論の賛意の形成ということはなしにいきなり攻撃を行っている。

これは先の第二次世界大戦以降の大きな特徴です。

そこには国民は全く不在で政府の一存で始まっている。

しかも戦争を起こす理由は今は完全に大企業の利益誘導が目的となっていて、その
咲には世界統一政府樹立と言う隠された目的があることを知らないといけない。

そして、今回の戦争によっていかに人類は多くの物資が石油に頼っていたかを知ら
されることになり、今後の世界がこのままいけば甚大な経済的打撃を受けることが
わかってきている。

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