「え!納税って個人の自由だったんですか」政治家の裏金無罪 謝ってすむなら税務署要らん

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納税は個人の自由だった? 税金

「え!納税って個人の自由だったんですか」政治家の裏金無罪 謝ってすむなら税務署要らん

NHK報道「鈴木財務相 納税行うかは議員が判断」

NHKニュース「鈴木財務相 政治資金問題 “納税行うかは議員が判断すべき”」

 GDPは他国に抜かれる一方であるにもかかわらず、世界でも最高クラスの議員報酬を受け取っている日本の国会議員。そこに政党助成金が加わって、今回、さらには裏金までつくっていたことがわかった。こんなやりたい放題に国民は激しく怒っている。

 例えば、シンガー・ソングライターでタレント「ヒャダイン」こと前山田健一氏は2月23日にX上で、NHKニュース「鈴木財務相 政治資金問題 “納税行うかは議員が判断すべき”」(2月22日)の記事を引用し、「え!納税って個人の自由だったんですか日本」と皮肉めいた投稿をしている。

 このニュースは、2月22日の衆院予算委員会で自民党の派閥の政治資金問題を巡り、政治資金収支報告書に不記載だった収入の税務上の扱いについて、鈴木俊一財務相が「政治活動に使わずに残った所得で控除しきれない部分があると議員みずからが判断した場合、納税する可能性はある」と述べたことを報じている。

岸田首相の裏金問題の「さておく」とはなんぞ

 これまでも鈴木大臣は、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、パーティー収入の還流分を政治資金収支報告書に記載していなかった議員は納税すべきだとの野党の要求に対し「党の立場を見守る」と語ってきた。

 毎日新聞(2月15日)によれば<裏金や不透明さが指摘される「政策活動費」に関しては、使い切らなかった残額を政治家個人が保管していれば雑所得とみなされ、所得税法上の課税対象となり得る>のだが、岸田首相は、<14日の衆院予算委員会の集中審議で、裏金の受領が脱税に当たる疑いがあるとの野党の批判を“さておく”格好で、「法令にのっとり適切に申告、納税を行うようお願いしたい」と発言した>(同紙)という。

 岸田首相の裏金問題の「さておく」とはなんぞやと、誰もが思うことだろう。前山田氏の怒りは当然の怒りだ。謝って済むなら税務署など要らない。

なぜ、政府腐敗を根絶できないか

 国会議員は、裏金をつくっておいて、刑務所へも行かず、軽い罰金刑で終わってしまうことに納得などできない。裏金や汚職が、割に合わない行為であることを政治家たちに思い知らさねばらない。自民党の多数派を形成するためにある派閥が解消されたところで、何が変わるというのだろう。そんなことで誤魔化されてはいけない。

 さて、政治汚職をどうすれば減らすことができるのかというのは、世界中の国が頭を悩ませているところだ。なぜ、政府腐敗を根絶できないかということへの一つの説明に、「政治腐敗の罠」(Marko Klasnja氏ら「Political Corruption Traps*」2016年、ケンブリッジ大学)というセオリーがある。

「政治学者や政策立案者は、政治の制度的な腐敗には深刻なコストが伴うことを認識している。しかし、多くの国や地域は頑固にも、腐敗が当たり前になってしまう『腐敗の罠』にはまっている。ほとんどの既存の理論は、一定の官僚や政治家の間で腐敗行為への期待がお互いに強化しあっている」

自分の影響力を高めようとすることで、腐敗が増えていく

 このセオリーを簡単に説明すると以下のようになる。政治の腐敗は、まったく公共の利益になっていないこと。そして、公共の利益になっていないとみんなが認識しているのに、それぞれの立場が、自分の影響力を高めようとすることで、腐敗が増えていくというわけだ。これが腐敗の罠だ。政治家は自分の影響力を高めることに腐心する。影響力を高める手取り早い方法は「特別扱い」である。国益にもならないことに補助金をばら撒いて、支援者の歓心を得ようとする。子分としたい官僚や政治家たちのために、「汗」を流す。この汗とは、やはり特別扱いということである。根本的に、政治は常に腐敗するものであるということだ。

 政治腐敗の実態については『汚職と政治的競争』(リチャード・ダマニア氏ら『Corruption and Political Competition』2008年)に詳しく掲載されている。少し紹介してみよう。

選挙によって腐敗がなくなることはない

「政治的腐敗が経済成長を阻害し、投資を阻害し、新規企業の参入を阻害することを示す文献が増えている」

「政治家が私利私欲を持ち、その効用を最大化する政策を提案する状況を考える。特定利益団体は、政党や政治家への選挙献金によって政策結果に影響を与えようとする」

「政治的腐敗が特定利益団体のロビー活動と密接に関連していることを示唆する証拠が増えている。政治的腐敗とロビー活動の関連性の統計的尺度を得ることは、これらの活動の秘密性のために困難であるが、事例証拠は豊富である。ロビー団体の腐敗の影響を記述するメディア報道は、一定の頻度で登場する。米国、英国、フランス、インドネシア、インドなど、政治制度や開発レベルが様々な国でスキャンダルが発生した」

 しかし、この研究によれば、選挙によって腐敗がなくなることはないという。

政治腐敗は必ず起こるからといって放置しておけば、社会の倫理感が崩壊

「選挙での競争が激しいと、政治家たちが不正をする方法が変わるが、不正そのものをなくすわけではない。選挙での競争が多ければ多いほど、政治家は特定のグループのために政策を変えにくくなるものの、その代わりに選挙のためのお金を他のことに使いたくなる」

 自民党の裏金も、参議院選挙を前にして膨れ上がったわけである。支持率が低迷したまま選挙が近くなれば、特定の団体のために何かをすることはできなる一方で、選挙区に使うお金は激増する。特定の支援団体はそれでも支援をするわけだが、見返りがくるのは選挙の後ということになろう。

 しかし、政治腐敗は必ず起こるからといって放置しておけば、社会の倫理感が崩壊すること以上に、経済的にも失速することが明らかになっている。全米経済研究所が発表した『政府の監査は汚職を減らすか?』という論文は、政治腐敗についての世界的にも著名なものである。その論文には、以下のことが書かれている。

「監査」を入れることが、政府腐敗を減らす、数少ない方法

「世界中の政治家が毎年何十億ドルもの資金を横領し、そうすることで資源の不適切な配分を誘発し、指導者への不信を助長し、民主主義の柱そのものを脅かしている」

「政治腐敗は経済発展の主要な障害と考えられているが、依然として世界中に蔓延している」

「腐敗防止監査の利用が腐敗との闘いにおいて効果的な政策となり得ることを示す。その結果、過去に監査を受けた自治体では、監査を受けていない自治体に比べて汚職が8%少ないことがわかりました。監査を受けることで、将来の汚職が8%減少し、その後に法的措置を受ける可能性が20%増加することがわかりました」

 つまり、「監査」を入れることが、政府腐敗を減らす、数少ない方法ということになる。監査とは、企業や組織が遵守すべき法律、基準、方針、または手順に従っているかどうかを評価するための独立した検証プロセスだ。このプロセスは、企業の財務諸表が公正かつ正確に財務状況を表しているかどうか、また組織の内部統制が効果的に機能しているかどうかを検証することを目的としている。民間企業では当然のことを、日本の政治家全員に適用することだ。もちろん、自分たちのお金でやることだ。

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