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間もなく米国によるイラン攻撃が再開される見通しだが結果は思わしくない

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ホルムズ海峡 ホルムズ海峡

間もなく米国によるイラン攻撃が再開される見通しだが結果は思わしくない

イランを甘く見過ぎた代償を払うことになる米国

私はワシントンで幾度となく聞いてきた。「今回は違う」と。そして皮肉なことに、今回ばかりはその言葉通りになった。違うのだ。ただし連中が思い描いた勝利の方向ではなく、我々がペルシャ湾から永久に追い出される側になる、という意味で。

間もなく再開されるイラン攻撃の規模は、前回とは次元が異なる。弾薬は基本搭載量の三倍近くまで備蓄され、5日から7日間の連続飽和攻撃が可能だ。しかしここに致命的な矛盾がある。CIAの内部分析ですら、前回の攻撃でイラン側の戦力は90%も温存されたと認めているのだ。

今回はさらに状況が悪化している。ロシアが最新の防空レーダーを、中国が新型の対艦巡航ミサイルを搬入し、両国の技術者が現地で直接システムを操作している。これは我々がウクライナでロシアに対して仕掛けてきた代理戦争の、正確な鏡写しである。ペルシャ湾は、もはや「ホテル・カリフォルニア」だ。チェックインはできても、チェックアウトは永遠にできない。

イランは反撃能力を完全に回復している。ペルシャ湾西岸の石油インフラが破壊されるだけではない。サウジアラビアの淡水化プラントが標的になれば、首都リヤドは即日、飲料水を失う。イランはホルムズ海峡を掌握し、自国を脅かす国々に通行料という形で経済的圧力をかけるだろう。もはや米軍の「前方展開」は、攻撃のための布陣ではなく、動く標的に過ぎない。

見落とされているのは、戦争継続がドル基軸の金融システム崩壊と直結している点だ。戦略石油備蓄は枯渇寸前で、10年物国債の利回りは5%の危険水域を突き破ろうとしている。金がドルを準備通貨の座から引きずり下ろし、BRICS諸国が莫大な金準備を積み上げる現実は、ワシントンの傲慢を静かに嘲笑している。KKRやブラックロックといった巨大プライベートクレジット企業は流動性を失い、自社保有資産を担保に融資を受けて生き延びようとしている。戦費を賄う余力など、どこにも残っていない。

欧州でも地殻変動が起きている。ウクライナがバルト諸国経由でサンクトペテルブルク近郊を長距離ドローンで攻撃しているが、その航法と標的データを提供しているのは米軍の衛星と監視機だ。ロシア国民の怒りは頂点に達し、プーチン大統領ですら「そろそろ終わらせろ」という声を無視できなくなっている。

だが、ロシアが直接バルト諸国を攻撃する前に、事態は別の方向へ動くだろう。ドイツでアリサ・ヴィタル率いる政治勢力が、グローバリスト政権を追い詰めている。彼女が政権を取れば、真っ先にモスクワへ飛び、「我々は過去の政策とは無関係だ。安価なエネルギーを再開してほしい」と告げるだろう。欧州最大の工業国が安価なロシア産ガスなしに存続できないことは、誰の目にも明らかだ。

プーチンはその申し出を拒まない。ロシアは戦争の継続ではなく、平和の配当を得ようとしている。中国もまた、トランプ大統領が台湾防衛を事実上放棄したことで、米国との正面衝突を回避した。習近平国家主席が「衰退する大国の指導者を歓迎するのは喜びだ」と述べた言葉は、もはや単なる外交儀礼ではない。中国は一国で、我々の数百倍のミサイルエンジンを製造できる製造大国である。

結局のところ、この戦争の終わりに待っているのは、単なる敗北ではない。「前方展開基地を持たない軍事大国」への強制的な移行だ。ドイツは離反し、中東の同盟国は我々を触媒として忌避する。諸君は、海外基地のないアメリカというものを想像したことがあるか。我々は今、その現実を直視する瞬間に立たされている。

Douglas McGregor(退役大佐、元米国国防長官上級顧問)、Glenn Diesen(政治学者、司会)
対談 『Douglas McGregor: NATO attacked Russia. The US is being pushed out of the Middle East』(ダグラス・マクレガー:NATOはロシアを攻撃した。米国は中東から追い出されつつある)

マクレガーの指摘は、米国の対外政策批判の典型的な一例です。

 

彼は長年、米国の「前方展開」戦略や中東介入に懐疑的で、

コスト対効果が悪く、帝国の過伸張を招くと主張してきました。

 

この対談内容もその延長線上にあります。

 

現在の状況(2026年5月時点)の事実確認ホルムズ海峡:

 

事実上、深刻な混乱状態が続いています。

米軍の護衛作戦(Project Freedom)で一部航行は再開されたものの、

イラン側が「許可制」を主張し、攻撃・妨害が散発。

 

結果として原油輸送量は大幅減少し、日本をはじめアジアの輸入に直撃しています

(前回の貿易統計通り、中東産原油▲63.7%)。

english.kyodonews.net

イラン攻撃の経緯:

 

2-4月頃に米・イスラエルによる大規模空爆・ミサイル攻撃があり、

イランは一定の損害を受けたものの、ミサイル・ドローン能力や代理勢力を大きく温存。

ロシア・中国からの技術・装備支援の情報は複数あり、代理戦争の様相を呈しています。


米国の戦略石油備蓄(SPR):大幅放出中で、2026年5月中旬時点で約374百万バレル前後まで減少。

歴史的に低い水準で、長期戦には脆弱です。

ycharts.com

金融面:10年国債利回りの上昇圧力、金価格高騰、BRICS諸国の金準備増加など、ドル基軸への挑戦は現実のトレンドです。ただし、「即時崩壊」というほど急激ではありません。

マクレガーの主張の強みと限界強み(現実を突いている点):

 

イランを「簡単に屈服させられる相手」と見なした過小評価の危険性。


ホルムズ封鎖の経済コスト(世界の石油20%ルート)と、米軍基地が「動く標的」化するリスク。
欧州のエネルギー依存と政治変動(ロシアガス再開圧力)、中国の製造力優位。
長期的に見て、米国の「無制限の前方展開」が持続不可能になりつつある可能性。

限界(悲観が強い点):イラン側の被害も無視できない規模(インフラ破壊、死者数千規模の報道あり)。
米国はまだ海軍力・空軍力で優位を保ち、完全撤退(「ペルシャ湾から永久に追い出される」)には至っていません。現在は交渉と圧力の併用段階。
ドイツの「アリサ・ヴィタル」政権云々は具体的な動きとして確認しにくく、欧州のロシア接近もエネルギー危機次第で不透明。
「ドル崩壊直結」「前方展開基地全喪失」はシナリオの一つですが、確定した未来ではありません。米国は依然として世界最大のエネルギー生産国であり、国内シェールオイルで一定の緩衝を持っています。

日本への示唆前回の貿易統計で見たように、日本は中東依存の脆弱性を痛感する局面です。米国産原油の増加(+206%)は補完に寄与しましたが、量・価格・仕様の全てをカバーできていません。国家備蓄放出と多角化(米国・カナダ・その他)が当面の繋ぎですが、中長期では:エネルギー源の多様化(原子力再稼働、LNG、再生可能エネルギー)


備蓄政策の見直し
外交的な中立性確保(中東・産油国との関係維持)

が急務です。マクレガーの言葉は「人間は嘘をつくけど、数字は嘘をつかない」の延長で、公式楽観論に対する健全な懐疑を提供します。ただし、地政学は常に不確実性が高く、一方的な「永久敗北」シナリオに傾きすぎるのもリスクです。状況は流動的で、交渉による小康状態の可能性も残っています。

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