「目詰まり」ではなく、輸入急減による供給制約が国内販売を直接押し下げている構造が一目瞭然です
前回、数字だけで出したものを、ご要望も頂きましたのでグラフ化しました。こうするとハッキリ分かるのが、輸入の著しい減少による需要の強制的な減退。
去年の12月のナフサ国内販売数量は341万㎘、それが石油統計速報値の3月で221万㎘と▲120万㎘もの激減。
輸入が12月からも前年比でもほぼ半減しており、需要が潰されていったと見るのが妥当。
加えて4月は経産省見通しで輸入が90万㎘であり、ほぼ3月と同様な水準になる見通し。今起こっていることのほとんどが、この急激なナフサ供給量の減少で説明できます。
ナフサについて「4月は90万㎘の目途がついた」と公表したのだから、結果についても説明して欲しいところです。今後の見通しも含め、説明は「大丈夫、信じろ」といっ た精神論ではなく、数字での説明を心掛けて頂きたいと思います。
了解です。 「目詰まり」という表現は確かに適切ではありません。これは供給サイドの急激な制約による需要の強制的な圧縮です。数字で確認するポイント国内販売数量(石油統計)
前年12月:341万㎘
今年3月:221万㎘(▲120万㎘、約35%減)
輸入の推移(ご指摘の通りほぼ半減水準)
輸入が急減した結果、国内在庫引き当て+輸入で賄える量が大幅に減少し、販売数量が追随して減少しています。
4月の経産省見通し:輸入90万㎘
3月実績並みの低水準が継続する見込み。
この動きは「需要が自然に減った」のではなく、原料供給が物理的に絞られた結果として需要が潰された典型例です。ナフサはエチレンなどの基礎化学品の主要原料なので、供給減少は downstream の生産調整(稼働率低下)に直結します。背景として考えられる要因(数字ベースで検証可能なもの)中東・アジアからの輸入減少
日本はナフサの大部分を輸入に依存しています。原油価格構造(Crack spread)、中東生産者の石化シフト、輸送コストなどの影響で輸出余力が減っている可能性が高いです。
在庫水準
国内在庫が減少傾向にあり、輸入減少を在庫でカバーしきれなくなったタイミングで販売数量が急落しています。
4月以降の見通し
経産省が「90万㎘の目途がついた」とした根拠を、具体的な輸入契約動向や在庫予測と合わせて説明すべきです。 もし5-6月も輸入が90-100万㎘/月程度で推移すれば、年間ベースで大幅減となります。
逆に夏場に向けた回復が見込めるなら、その根拠数字(特定国の輸出増加見込みなど)を示す必要があります。
求められる説明の形「大丈夫です」ではなく、**「輸入見込みXX万㎘、在庫XX万㎘、結果として供給可能量はXX万㎘」**という形で。
前年比・前月比の数字を併記。
下流(エチレン、プラスチックなど)の稼働率への影響試算も含める。
現在の状況は「目詰まり」ではなく、原料供給の構造的制約による調整局面です。業界・経産省には、数字に基づいた透明性の高い説明が求められます。
グラフの分析(数字で整理)このグラフは非常に明確に状況を示しています。「目詰まり」ではなく、輸入急減による供給制約が国内販売を直接押し下げている構造が一目瞭然です。主なポイント(26年3月時点)
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項目
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25年12月
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26年3月
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変化
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国内向け販売
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341万kl
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221万kl
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▲120万kl (-35%)
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海外輸入分
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212万kl
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119万kl
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▲93万kl (-44%)
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前年同月販売
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–
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358万kl
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▲137万kl (-38%)
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- 3月の販売減少(120万kl)の**約78%**が輸入減少(93万kl)で説明できる。
- 国内精製分も徐々に減少傾向だが、輸入の落ち込みが圧倒的に大きい。
- 前年比で輸入が44%減という異常な水準。
供給構造の変化
- 25/12:輸入が212万klと比較的しっかりあり、販売も341万klを維持。
- 26/3:輸入が119万klまで半減近くまで落ち込み、販売も連動して221万klに急落。
- 黄色の前年販売ライン(特に3月358万kl)と今年の青い棒の差が、供給制約の大きさを如実に表しています。
4月以降への示唆経産省が「4月は輸入90万klの目途」と公表したということは、3月の119万klからさらに低下する可能性を示唆しています。
もし4月も90万kl前後で推移した場合:
- 月間供給可能量はさらに圧縮され、販売数量は200万klを下回るリスクが高い。
- 下流のエチレン・誘導品の稼働率低下 → 化学品全般への波及が避けられなくなる。
経産省・業界に求められる説明:
- なぜ輸入がここまで急減したのか(中東・アジア特定国の輸出減少、価格競争力低下、契約動向など具体的な要因)
- 4月90万klの根拠(確定契約量、在庫取り崩し可能量)
- 5月以降の見通し数字(月次ベースで)
- 在庫水準の推移と、どの程度まで在庫を切り崩せるか
このグラフを見ると「需要が弱い」のではなく、原料が物理的に入ってこないことで需要が強制的に削られている状況がはっきりしています。




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